著者
嶋村 崇 畠山 省四朗 岩瀬 将美 貞弘 晃宜 大崎 大 吉田 康平 川崎 崇博 久保 槙太郎 寺田 達典
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第51回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.33, 2008 (Released:2009-04-14)

本研究では一輪車操作を上達させる支援システムの構築を行う. 操作補助は,真に補助を必要とする時のみに行うことが望ましいと考え,一輪車操作補助においては,一輪車に乗って倒れてしまう限界領域を見極めた上で支援することが重要となる. 本稿では操作者が一輪車に乗っている状態の物理モデルを立て,モデルに基づき,倒れる限界領域の導出について検討する.
著者
柏木 健司 山際 延夫 八尾 昭 江崎 洋一 酒折 有美子 庄司 康弘
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.5-16, 2002
参考文献数
58

1)紀伊半島西部, 和歌山県広川町の黒瀬川帯に分布する, 池之上層中部層に含まれる鳥巣式石灰岩から, 刺胞および海綿動物化石を報告した.刺胞および海綿動物化石の指示する年代はジュラ紀新世である.2)池之上層中部層の大部分は, 炭酸塩マウンド周辺に堆積した陸源砕屑岩が卓越する部分に相当する.炭酸塩マウンドそのものは1箇所でのみ認められる.散点的かつ小規模に含まれる鳥巣式石灰岩は, 岩酸塩マウンドから重力流により運搬され, 陸源砕屑岩中にブロックとして定置した.3)Kimmeridgianの頃, 陸側から古生代後期の緑色岩-石灰岩の巨大オリストリスが海溝陸側斜面上に多量に供給された.厚層のオリストストロームの堆積は, 海溝陸側斜面の浅海化を促進させた.4)Tithonian〜Berriacianにかけて, 海山列の付加に伴って海溝陸側斜面が急激に上昇し, 広範な浅海域が形成されるとともに, その浅海域に池之上層中部層や由良層などの鳥巣層群相当層が堆積した.
著者
上田 泰之 田中 洋 亀田 淳 立花 孝 信原 克哉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】投球障害肩の治療・予防を考える上で,投球動作中の肩関節に加わる力学的ストレスを3次元的に求め,それに関連する運動学的・動力学的因子を検討することが重要である。これまで投球動作中の肩関節に加わる圧縮力については検討されているが,それ以外の前後方向・上下方向への力学的ストレスついてもそれらに関連する因子を検討する必要がある。本研究の目的は,投球動作中の肩関節に加わる圧縮力,前後方向および上下方向の力学的ストレスに影響を与える運動学的・動力学的因子について明らかにすることである。【方法】対象は次の条件を満たす中学・高校生の野球投手81名とした(年齢15.0±1.4歳,身長172.0±9.8 cm,体重63.2±9.8 kg,右63名・左18名)。1)投球動作の測定時に疼痛がない,2)肩・肘関節の手術経験がない,3)測定より6カ月以内に肩・肘関節の疼痛や障害のために投球動作を禁止された期間がない。投球動作の測定にはモーションキャプチャ・システムを用いた。解剖学的骨特徴点の皮膚上に36個の赤外光反射マーカーを貼付し,投球マウンド周辺に設置した7台の高速CCDカメラ(ProReflex MCU-500+,Qualisys Inc., Sweden)と2台のハイスピードビデオカメラ(HSV500C<sup>3</sup>,nac Image Technology,Japan)を用いて測定を行った。運動学的・動力学的パラメータを算出するために,胸部,上腕及び前腕座標系を設定し,胸部に対する上腕座標系の回転,上腕に対する前腕座標系の回転をオイラー角で示し,それぞれを肩関節,肘関節角度とした。また,水平面上での両肩峰を結ぶベクトルV<sub>s</sub>,両上前腸骨棘を結ぶベクトルV<sub>p</sub>それぞれとマウンドプレートとの成す角度を肩甲帯回旋角度,骨盤回旋角度とした。さらにV<sub>s</sub>とV<sub>p</sub>との成す角度を体幹回旋角度とした。肩関節,肘関節に加わる関節間力ならびにトルクはニュートン・オイラー法を用いて推定した。統計学的解析には,SPSS 12.0J(エス・ピー・エス・エス社,日本)を使用し,ステップワイズ法による重回帰分析を行った。投球動作時の肩関節に加わる最大圧縮力,最大前方関節間力および最大上方関節間力を従属変数とした。独立変数はトップ・ポジション(TOP),非投球側足部接地(FP),肩関節最大外旋位(MER),ボール・リリース(BR)時の肩関節および肘関節の関節角度,肩甲帯回旋角度,骨盤回旋角度,体幹回旋角度,肩関節および肘関節へ加わるトルクの最大値とした。【結果】最大肩関節圧縮力を従属変数とした場合,p<0.01でありR<sup>2</sup>=0.67であった。標準偏回帰係数はBRでの肩関節水平内転角度が0.60,BRでの体幹回旋角度が-0.51,MERでの骨盤回旋角度が-0.40,最大肩関節外旋トルクが-0.33,最大肘関節外反トルクが0.31,TOPでの肩関節水平内転角度が-0.23,最大肩関節内転トルクが-0.22,BRでの肘関節屈曲角度が-0.20,FPでの体幹回旋角度が0.17であった。肩関節最大前方関節間力を従属変数とした場合,p<0.01でありR<sup>2</sup>=0.63であった。標準偏回帰係数はFPでの肩関節水平内転角度が-0.84,最大肩関節水平内転トルクが0.41,FPでの肘屈曲角度が0.25,最大肩関節外旋トルクが-0.18,最大肩関節内転トルクが-0.16であった。肩関節最大上方関節間力を従属変数とした場合,p<0.01であり,R<sup>2</sup>=0.69であった。標準偏回帰係数は最大肩関節外転トルクが0.59,FPでの肩関節内転角度が0.55,FPでの肩関節外旋角度が-0.51,TOPでの肩関節内転角度が-0.36,BRでの肩関節内転角度が0.32,FPでの肘関節屈曲角度が0.32,FPでの骨盤回旋角度が-0.20,最大肩関節外旋トルクが-0.19,BRでの肩関節外旋角度が0.14であった。【考察】投球動作時に加わる力学的ストレスに影響する因子は,そのストレスの加わる方向により異なることが示された。肩関節の圧縮力にはBRでの肩関節水平内転やBRでの体幹回旋角度,肩関節最大前方関節間力にはFPでの肩関節水平外転や最大肩関節水平内転トルク,肩関節上方関節間力には,最大肩関節外転トルクやFPでの肩関節内転角度が影響を与える因子であった。また,それぞれの肩関節に加わるストレスに影響する因子として,FPでの肩・肘関節の関節角度が挙げられることから,この時点での投球動作に着目することは肩関節に加わる力学的ストレスを軽減させるために重要であることが定量的に確認された。【理学療法学研究としての意義】本研究の結果は,投球障害肩の疼痛部位や病態に応じた理学療法の一助となると考える。また,投球動作を詳細に分析することで,今後起こりうる投球障害肩を予測し,予防するためにも有用である。
著者
成原 慧
雑誌
α-Synodos
巻号頁・発行日
vol.208, 2016-11-15
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],

2 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[47],
著者
道津 光生 野村 浩貴 太田 雅隆 岩倉 祐二
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.216-222, 1999-03-15
参考文献数
24
被引用文献数
5 11

北海道南西部の盃沿岸は海底地形が複雑で, マウンド状に盛り上がった場所にホソメコンブ群落が形成されていた。盃沿岸の水温・塩分, 栄養塩, 光, 波浪の季節変化を近傍の磯焼け域である泊沿岸と比較した。その結果, 波浪のみに両沿岸に差が認められた。盃は泊に比べて波浪が強く, 特に冬季に強くなることが明らかになった。盃のマウンド上のキタムラサキウニの密度は秋&acd;冬にかけて波浪が強くなるとともに減少し, 冬&acd;春にはほとんど生息しない状態となった。一方, マウンド周辺のコンブ群落外のウニの密度は年間を通してほぼ一定の値で推移した。波浪の強さの変化に関連したウニの季節的移動により, 冬&acd;春にかけてマウンド上のウニの密度が減少し, コンブの新規加入群に対するウニの摂食圧が減少することによってコンブが繁殖するのではないかと推定した。
著者
山本 泰
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.262-281,363*, 1993-12-30
被引用文献数
1

一九九二年四月のロサンゼルス事件は、現代アメリカのマイノリティ問題の深刻さを改めて浮き彫りにした.この事件が黒人青年を暴行した警察官に対する無罪判決に端を発している以上、これは差別に対するマイノリティの大衆的抗議である.しかし、その背景についていえば、この事件は、 (1) 現代のマイノリティ問題の焦点は人種 (黒人) 問題ではなく、大規模な《都市アンダークラス》の問題であること、 (2) 都市貧困層=黒人ではもはやなく、そこには、きわめて多様な人種・民族が含まれること、 (3) 都市最下層の貧困は、六〇年代の公民権運動以来、少しも改善されていないこと、を劇的な形で示したのである.このような複合的な抑圧・葛藤関係はどのような構造のなかで、いかにして生み出されるのか、本論では、人種や民族に中立であるはずの自由主義的多元主義体制のもとにある現代のアメリカに、何故、人種や民族間の葛藤・反目がかくも顕在的にあらわれるのかを考察する.人種や民族の線に沿った集団形成やエスニシティの主張は下層の人々が上位者の資源独占に対抗する社会戦略であるが、この戦略は逆に、ルール指向・個人主義・手段主義といった基準になじまないが故に、中産階級が下層に対しておこなう差別に識別標識と正当化根拠を与えてしまうことになる.階層間葛藤は、自由主義的多元主義体制を仲立ちに人種間葛藤へと転態されるのである.
著者
松島 文子 飯塚 舜介
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.528-534, 2001-07-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
44
被引用文献数
5 7

We measured the aluminum contents in foods and pharmaceuticals, and the aluminum concentrations in urine by atomic absorption spectrophotometry with polarized Zeeman background correction to obtain the daily intake and excretion of aluminum. The daily urinary excretions of aluminum in healthy females were obtained after consuming sea algae, hizikia fusiforme, which has a high aluminum contents. Daily aluminum excretion did not increase after taking hizikia fusiforme. On the other hand, high aluminum excretions were observed after taking an analgesic/antipyretic with a high aluminum contents, compared with the usual daily aluminum excretion (p<0.001), and compared with after taking an analgesic/antipyretic with no aluminum (p<0.0001). We found that the daily urinary excretion of aluminum was not related to the total consumption of aluminum, but depended on the binding state of aluminum consumed.
著者
大野 秀夫
出版者
創文社
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.40, pp.135-152,en8, 1990

Here, in this essay, it will be suggested that the "Genossenschaft" and its theory in England was one of important themes for Maitland, particularly late in his life. It seems to me that Maitland's studies in history of corporation in England consist of three parts; (1) township and borough, (2) trust and corporation, (3) state and corporation. It is too ample and too difficult to trace and examine his studies on corporation in whole, as his other studies. Then, here, we will outline his theory of corporation, especially in relation to trust and corporation. Through our discussion, we will perceive its importance, its "the greatest exploit of English jurisprudence", its function as supplement of incorporation. Lastly, as a result of development of trust in modern England, it might be pointed out that England had and is to have a unique theory of state, as contrasted with the Continent.
著者
飯田 晴美
出版者
群馬県立県民健康科学大学
雑誌
群馬県立県民健康科学大学紀要 (ISSN:18810691)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-34, 2006-03

目的:在宅酸素療法中の慢性呼吸不全患者が体験するスピリチュアルペインを明らかにし,その特徴を考察する.方法:在宅酸素療法中の慢性呼吸不全患者9名を対象に半構成的面接を施行した.次に,回答内容を文字化して逐語記録に書き起こし,その要約をデータとして内容分析を行い,カテゴリ化した.結果:在宅酸素療法中の慢性呼吸不全患者が体験するスピリチュアルペインが,【闘病経過の見通しのなさと不測の事態が起こり得る不安による自己信頼感の喪失】【消極的な未来予測による希望や生きがいの喪失】【疾病や治療に伴う社会的役割喪失・他者依存・自尊心低下による自己の存在価値と生きる意味の虚無】【酸素療法による自由喪失感と生活行動遂行上の自立性の低下に伴う身体コントロール感の欠如】【自己に生じた疾病・治療に伴う苦難の意味や理由の追求】【生に対する主体性の実感困難】【死の実感と死に対する不安・恐怖】【苦しみの生からの逃避念慮と生き続けなければならない苦悶】の8カテゴリで表わされることを明らかにした.また,【消極的な未来予測による希望や生きがいの喪失】【酸素療法による自由喪失感と生活行動遂行上の自立性の低下に伴う身体コントロール感の欠如】【生に対する主体性の実感困難】【苦しみの生からの逃避念慮と生き続けなければならない苦悶】が,在宅酸素療法中の慢性呼吸不全患者において特徴的なスピリチュアルペインであることを示唆した.結論:本研究結果は,在宅酸素療法中の慢性呼吸不全患者が体験するスピリチュアルペインの詳細を示し,これに対するスピリチュアルケアの必要性を示唆した.