著者
福島 統
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.555-563, 2023-12-25 (Released:2024-02-08)
参考文献数
31

国内では, 大学設置基準が2022年9月に改正された. COVID-19パンデミックを乗り越えてきた大学の経験を活かし, 現行のルールでは認められていない教育方法, 単位認定を「特例制度」として実施できる道が開かれている. 「特例制度」という社会実験の成果を今後の大学設置基準の改定に活かしていく必要がある. 海外では, このパンデミックを通じ, 医学生は守られるべき学習者かそれともエッセンシャルワーカーかという議論や, 今回のパンデミックのように医学教育の順次性が中断された時, 進級, 卒業, 臨床研修への移行にあたり, 教育時間ではなく学習者がどのような能力を獲得しているかに重点を置いたCompetency-based, Time-variable (CBTV) Educationなどの議論が行われている.
著者
坂本 将基 高柳 暁斗 安東 大輔
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.1-16, 2024 (Released:2024-02-06)
参考文献数
28

This study investigated the characteristics of visual behavior in skilled kendoists while judging the validity of strikes. A total of 19 expert and 19 novice kendoists were asked to judge the validity of strikes for men (head armor), do (side trunk covered by a stomach and chest protector), or kote (lower forearm covered by a gauntlet). Simultaneously, the participants' eye movements were recorded at 30 Hz, and the location at which their gaze was directed was identified. Additionally, the pupil area was calculated for each frame. Both expert and novice kendoists focused on the striker's shinai (bamboo sword) during the phase from 900 ms to 600 ms before striking, and on the site struck during the phase from the moment of striking to 300 ms after striking. However, during the phase from 600 ms before the strike to just before the strike, the experts tended to switch their gaze from the strikefur's shinai to the striking site earlier than the novices. Furthermore, the pupil areas of the experts were correlated with their years of experience in judging the validity of a strike to the men. The gaze behavior specific to expert kendoists, such as observing the striking area during the phase just before striking while exhibiting intense scrutiny, may be related to their superior ability to judge the validity of strikes.
著者
竹内 孝輔 国本 亮
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.106-110, 2024 (Released:2024-02-01)
参考文献数
21

医薬品研究開発には多額の費用と10年以上の期間を要する。創薬研究の成功確率向上および効率化を図るため、データおよびAI利活用の取り組みが注目されている。第一三共創薬化学研究所では、データサイエンス専門チームを作り創薬化学にデータサイエンスを融合させるとともに、2つの研究領域のシナジーを生むための循環型の人材育成策を実施した。本施策によって20%の研究業務効率化を達成し、さらに生産性向上に向けた前向きな変化を確認することができた。
著者
山之城チルドレス 智子
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.111-117, 2023-12-31 (Released:2024-01-25)
参考文献数
14

2023年G7開催後,オープンサイエンスについて議論が高まっている。日本でも研究のオープンアクセス(OA)化を求めるポリシーが検討され,研究を迅速に発見・アクセスでき,再利用可能な形式やフォーマットで提供することへの需要が高まっている。この動きの中で2022年に筑波大学の発案でスタートしたJapan Institutional Gateway(JIG)は,大学の規模に関係なく,どの機関でもオープンサイエンスを実践することができる新しい学術出版形態のオプションとなっている。最大の特徴は人文社会科学分野の日本語論文を2か国語でOA出版することが可能な点であり,一定の条件を満たせば,国際的な論文データベースに論文が収載される。言語や分野に縛られず研究成果を発表できるだけでなく,オープンサイエンスを実践してその効果を個々の研究者が体験できるモデルとなっている。
著者
石田 明日香 高柳 昌芳 保科 架風 岩山 幸治
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-126, 2023 (Released:2024-01-11)
参考文献数
16

現在, バスケットボールの選手評価に使われる指標には, 評価値の信頼性に関する情報を得ることや選手同士の相乗効果に関する評価が難しいという問題がある. これに対し本論文では, チームメイトや対戦相手など同時に出場している選手の能力や, チームメイトとの相乗効果を考慮に入れたモデルをベイズ推定することでそれらの問題を解決する選手評価が可能になることを示した. また, 選手の攻撃・守備能力などの事後分布を解析的に導出することで, 選手の能力評価値やそれらのアフィン変換で得られる指標のベイズ信用区間を構築し, 能力値の推定の不確実性についても評価できることを示した. これは, マルコフ連鎖モンテカルロ法を利用するよりも計算コストを抑えることが可能である. また, アメリカ National Basketball Association (NBA) のデータを利用し, 既存手法との比較検証を実施し, 提案手法は既存手法よりも妥当な選手評価を提供することを確認した.
著者
加藤 美治 橋山 智訓 田野 俊一
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.61-84, 2023-03-25 (Released:2023-03-25)
参考文献数
67

超VUCAな時代において日本は、社会課題の解決や新規事業、新製品創出を目指すために、多くの人の考え方や異種分野の知識を連携する必要がある。これらP2Mにおける戦略型プログラムのミッション達成には、組織を超えて創造性や自発的な行動を促すP2Mのコミュニティが有効とされている。そしてP2Mのコミュニティを活性化させるためには、異種分野の参加者が時間・空間を超えて共通ミッションを達成するためのプラットフォームの構築が求められている。しかしP2MのコミュニティにおけるICTの利用は、コミュニケーションの支援に留まっている。本研究ではP2Mのコミュニティの価値基盤を起点とし各論文、書籍を調査し、Webで利用するプラットフォームの必要要件とそれを実施する方法を明らかにした。異種分野の参加者のモチベーション向上、議論の可視化、人や情報のマッチングを行う新たな手法の開発が重要な要件となる。これら必要要件からP2Mにおける実践コミュニティを支援するWebプラットフォームの詳細機能を考察した。さらにWebプラットフォームのユーザーインターフェースを提案した。機能については評価用システムで先行評価を実施し有効であることを確認した。
著者
池田 哲臣
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.125, no.10, pp.645-648, 2005 (Released:2007-02-02)
参考文献数
4

本記事に「抄録」はありません。

1 0 0 0 OA DNARの法的課題

著者
加藤 愼
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.71-74, 2015-08-01 (Released:2015-10-16)

DNARについては,法整備も法解釈も不確定である。しかし,こうした法的検討の前提として,何よりもDNARという概念が法律関係者にきちんと理解されていない。そればかりでなく医療者の間ですら定義や内容が共有されているとは言い難い。こうした法律を整備するための前提となるべき定義付けが確立されていないことが法的課題の出発点である。 本稿では,DNARを「救命の可能性のない疾病末期の患者に,本人または家族の要望により,心肺蘇生術を行わないこと,あるいはそのことを関係する医療者に指示すること」と定義し,これについて現行の法制度,法解釈に照らした場合,どのような法的課題があるかを概括的に考察する。
著者
樋渡 涓二 藤村 安志 鈴木 清興 三井 信雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.12, no.11, pp.502-508, 1958-11-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
12

NHK技術研究所で試作し, 放送に使用中のウォーキー・ルッキーについて, 研究経過・性能と回路構成, 興味ある回路の解説に分けて記述した.トランジスタ化により真空管方式では得られない高い安定度と信頼度が実現され, こんごTV 送像装置のトランジスタ化に対し有力な確信を得た.