出版者
巻号頁・発行日
vol.第115冊 正徳6(享保1)年6月,
著者
荒井 弘和 中村 友浩 木内 敦詞 浦井 良太郎
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.865-871, 2005-11-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
1

本研究の目的は, 男子大学生を対象として, 身体活動・運動と不安・抑うつとの関係を検討することであった.大学1年生の男子1,159名を対象に, HADS日本語版, 身体活動評価表, および運動行動の変容段階尺度を使用して, 横断的調査を行った.その結果, 運動・スポーツや日常活動性は, 不安とは関連していなかったが, 抑うつとの間に有意な負の相関関係が確認された.また, 運動行動の変容段階が無関心期の者と, それ以外の変容段階の者との間において, 抑うつ得点に有意な差が認められた.しかし, 抑うつに関する結果は, 1,000名を超すサンプル数に影響されている可能性があり, 抑うつに関する結果の解釈には注意が必要である.
著者
田栗 正章
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.193-228, 2017-03-31 (Released:2017-12-05)
参考文献数
26

本稿は,2 つの部分から構成されている.第I 部では,これまでの研究において考察した,3 種類の最適化問題と解の安定性について,その概要を紹介する.具体的には,いくつかのパラメータの最尤推定値に対する安定性問題,2 次制約がある場合の相関係数最適化問題,および最適層別とその安定性の問題である.特に,これら3 種類の問題における安定性については,多少の補足的な検討を行う.第II 部では,我が国の統計教育における現在の諸課題を指摘し,今後の統計教育の目指すべき方向についての検討を行う.また,それらの諸課題への対応策や,いくつかの提案も行う.

45 0 0 0 OA 側頭骨の外傷

著者
小池 正人
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.570-572, 2000-12-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
5
著者
山崎 福太郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b>はじめに</b><br>中世末から現代にかけて三味線を携えて地方を巡業し,興行を催して喜捨を受け生活していた瞽女(ごぜ)と呼ばれる女性視覚障害者が全国各地に存在していた.特に新潟県の瞽女は明治20年代に500人ほど存在し(ジェラルド・グローマー,2014),その後,昭和30年代まで活動を続けていたが,社会の変化に対応する形で現在はその姿を確認することはできない(鈴木,2009).瞽女は師匠から三味線や唄を口承伝承で習うため幼少期に入門し,一人の師匠を中心とした集団を形成して,その集団単位で巡業に出掛けていた.その瞽女集団の複数の存在が新潟県内で確認され,記録されている(鈴木,1972;斎藤,1975など).瞽女の存在については歴史資料の記述や聞き取り調査による報告など記載的な研究のみであり,瞽女集団の形成や巡業範囲などの空間的・時間的変化を検討した研究はほとんどない.そこで本研究では,新潟県内に展開した瞽女の出身分布と巡業範囲,設定時代ごとの各集団の変化について,分布・巡業範囲の特徴,集団と出身分布の位置関係から分析することで,瞽女集団の特徴を地理学的に考察した.<br><b><br>結果と考察<br>集団の形成とその出身分布</b>&nbsp;<br>新潟県内において既存資料から確認できた瞽女集団8組468名の出身分布を分析した.その中でも長岡組と高田組は大きく,出身者も広範囲の分布が確認された.他組の出身者も大規模組の分布範囲と重複する形で各平野内に展開していた.小規模組と大規模であった長岡・高田組を比較すると組織形態や修行年数,弟子の取り方等の類似性が確認できたことから,長岡組と高田組が各平野において影響力を有し,小規模組は大規模組の組織制度等を模倣し,取り入れていたと考えられる.<br><b>時代における集団人数&nbsp;</b><br>瞽女の生存者数は明治後期にピークを迎え,その後,昭和戦後に向かって減少していく特徴がすべての組で見られる.減少の理由は瞽女を生産向上の民間信仰対象として受け入れていた養蚕業の衰退,娯楽・情報の普及等に伴うものとされる(鈴木,1974)ことから,全国の収繭量の推移とラジオ普及率の推移を確認した.収繭量は明治から増加傾向であったが,1931年から1947年の期間で減少している.ラジオ普及率は大正から1944年にかけて高くなっていた.このことから,瞽女の減少は巡業先の受け皿となっていた養蚕農家の衰退とラジオの普及による農村部における娯楽の多様化が進んだことと対応していた可能性が高いと指摘できる.<br><b>巡業範囲の空間分布</b>&nbsp;<br>長岡組と高田組の巡業範囲は米山山地を境に東西に分けられていたが,東頸城地域においては重複が見られた.東頸城地域の重複は既存研究でも指摘されるが,分析の結果,街道に沿って約30kmの入会地の存在が確認できた.この原因としてはおそらく山間地において瞽女を受け入れた住民が寛容であり,かつ積極的に瞽女が持つ情報や芸能を受け取ろうとしていたために巡業の共有地が形成されたと考えられる.&nbsp;<br><b><br>まとめ</b><br>新潟県の瞽女集団は峠を越えて県外巡業に出ていた報告があるため,山地は物理的に越えられない障害ではなかった.県内では山地を越えて,他集団の分布・巡業範囲に入ってしまわないよう勢力範囲の境界を遵守した結果を反映しており,その特徴は出身分布にも見られる.新潟県における瞽女集団は互いの存在を意識した上で組織展開していたことが改めて示された.
著者
武田 栄輝 佐藤 理夫
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.123, 2009 (Released:2009-09-25)

バイオマスの利活用は、バイオマス・ニッポン総合戦略の閣議決定により、各地域で注目を浴びている。福島県では、家畜排せつ物の利活用を県内バイオマス利活用推進の重点施策の一つとして進めており、平成21年4月30日現在で同県内7市町村のバイオマスタウン構想書が公表され、いづれにも堆肥化とその利用推進が掲げられている。しかし、畜産廃棄物を取り扱うことから、堆肥化施設では環境負荷の悪臭の主要因となるアンモニアガス発生に留意しなければならない。そこで既にバイオマスタウン構想書を公表している同県大玉村堆肥センターの堆肥化施設の各工程における発酵温度や含水率、アンモニアガス等の測定を行い、アンモニアガス発生量の検証を行った。
著者
林道春
出版者

6巻。神道。林羅山著。全国各地の主要な神社153社について、祭神・由来・霊験などを考証したもの。上2巻に22社、中2巻に諸社の有名社、下2巻に霊異方術の事を記す。『旧事記』『古事記』『日本書紀』『延喜式』等の典籍を始め、諸書の記述を拾い、古老の言を聞き、本格的な神社研究となっており、後世に与えた影響も大きい。著者には本書の記述を簡略にした『神社考詳節』がある。根岸武香「冑山文庫」の印記あり。(岡雅彦)
著者
斉藤 佐和子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
聴能言語学研究 (ISSN:09128204)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-10, 2002-04-25 (Released:2009-11-18)
参考文献数
32

ダウン症は特異な言語障害をもつとされ,言語のさまざまな側面の研究が積み重ねられてきた.しかしいまだ不明の点も多く,研究途上である.ここ10数年の国内外の研究を概観し,まとめた.その結果,以下の知見が得られた.(1)言語獲得以前のコミュニケーション能力については,反応の弱さがあるものの,さまざまなタイプのコミュニケーションを行っており,逸脱や大幅な遅れはなかった.(2)構音の誤りは,浮動性が目立ち,口腔器官の器質的障害や舌運動の拙劣さ,筋緊張の低下など運動能力のみでは説明ができず,なんらかの中枢性の障害が予想された.(3)言語表出は,精神年齢に比し発達が遅れた.しかも語彙と構文で異なった発達を示し,語彙の発達が先行した.健常児の発達過程との比較,他の発達障害児との比較では,研究により異なった結果を示した.(4)言語発達の個人差が目立ち,理解,表出の発達のバランスを考えてもさまざまなサブグループが存在する可能性が考えられた.(5)サイン指導が言語理解・表出を発達させるために効果的であることが立証された.しかし日本におけるダウン症児者の言語理解,表出発達に関しての研究はいまだ少なく,これからの課題である.

1 0 0 0 OA 康富記 36巻

著者
[中原]康富 [著]
巻号頁・発行日
vol.[32], 1000
著者
石島 隆
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.117-122, 2004

ビジネスのために企業内で生成・加工・利用されたり, 企業間で授受される情報 (これを「ビジネス情報」と定義) の証拠力を確保・向上するためには, 情報の原本性保証とその生成・加工・利用・伝達プロセスの信頼性保証とともに, その情報の目的適合性を保証する仕組みが必要である。<BR>情報の目的適合性保証のうち, 情報が持つ意味について, その出し手と受け手の共通認識を形成する仕組みとして, XML (eXtensible Markup Language) をベースとした情報の記述の標準化を挙げることができる。<BR>一方, 情報の原本性保証に関する組織内のマネジメントシステムの標準化としては, レコードマネジメント (ISO15489) を挙げることができる。<BR>本稿では, これらの標準化とそれを用いた制度化が, ビジネス情報の生成・加工・利用・伝達プロセスにおいて果たす役割と効果について考察した。
著者
楢﨑 久美子
出版者
広島女学院大学人間生活学部
雑誌
広島女学院大学人間生活学部紀要
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-15, 2016

This paper is a study to grasp the actual situation and solve problems for students aiming to acquirehome economics teacher's license. First, I conducted a questionnaire survey on curriculum and extracurricularsupport for students who wish to obtain a teacher's license belonging to Hiroshima JogakuinUniversity. They are satisfied with the current curriculum. However, they are anxious about their own management of classes. In particular, it became clear that to write a lesson composition plan, to teacha practical lesson, and to want to know specific teaching methods. Based on that, I let students practice simulated lessons, practicing cooking and clothing making. Also, I set up opportunities to hear seniorstudent's story. Then, we conducted a questionnaire survey on the effect. As a result, I found that not only acquiring knowledge and skills, but also they can increase their aggressiveness by themselvesmanaging lessons and participating as students. Also, I could confirm the effect that they can extend the observational ability to learn proper behavior by seeing others' actions. It is not that there is no such occasion in regular classes. However, the primary purpose of regular classes is to acquire knowledge and skills. In this research, it was shown that by increasing the experience to learn from each other, it can be expected that the ability to teach students as teachers and to enhance the ability to manage classes can be expected.
著者
相田 達哉 喜多村 正仁
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.155-158, 2017 (Released:2017-11-30)

本研究では、セグメント構造に着目した学術論文の包括的自動要約において、オントロジーを用いて要約の精度を向上させる新たな手法を検討する。形態素の表層的情報を中心とした解析を行う従来の自動要約手法では、語彙の意味や語彙間の意味的関係を把握できない。オントロジーを用いてそれらを把握すれば、より的確な重要文選択が可能になると期待できる。具体的には、各セグメントにオントロジー的特徴を付加し、セグメントに適した重要文選択精度の向上を図る。また、語彙間の意味的繋がりを考慮し、各セグメントから抽出する文を補正することで要約全体の質の向上を図る。
著者
石島 隆
出版者
Society for Standardization Studies
雑誌
標準化研究 (ISSN:13481320)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-35, 2004

ビジネスのために生成・加工・利用・伝達される情報(これを「ビジネス情報」と呼ぶ。)の証拠力を確保・向上するためには,[1]情報の原本性保証,[2]情報の生成・加工・利用・伝達プロセスの信頼性保証とともに,[3]その情報がもつ意味について,作成者と利用者が共通認識を形成する仕組みが必要である。<BR>本稿では,まず,ビジネス情報の証拠力の概念について検討し,ビジネス情報の証拠力確保・向上策の全体像と具体例を概観する。その上で,情報の意味付けの観点からビジネス情報の標準化を取り上げる。<BR>ビジネス情報の標準化の仕組みとしては,最近,XML(eXtensible Markup Language)をベースとした情報の記述の標準化が注目されているが,その標準化と実務への適用が,情報の生成・加工・利用・伝達プロセスにおいて果たす役割と効果について考察した。
著者
森島 信 松谷 宏紀
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.12, pp.949-963, 2017-12-01

ドキュメント指向型データベースは,ユーザがスキーマレスにドキュメントを保存し,それに対する探索クエリを実行できるデータベースである.その利用用途として,高い拡張性や豊富な機能が要求されるウェブアプリケーションやオンラインゲームが挙げられる.ドキュメント指向型データベースの主な機能の一つは,ドキュメントに対する文字列探索であり,その計算量はドキュメント数に比例して増加するため,多くのドキュメントを扱う場合,計算量が非常に大きくなる.この計算量を削減するため,ドキュメント指向型データベースでは,データベースインデックスが使われている.しかし,インデックスは全てのクエリに適用できるわけではなく,例えば,正規表現探索等のクエリに適用するのは困難である.これらのインデックスを適用できないクエリをGPUを用いて高速化するために,本論文では,DDBキャッシュ(Document-oriented DataBaseキャッシュ)というGPUでの文字列探索処理に適した構造のキャッシュを提案する.GPUとDDBキャッシュを用いることで,ドキュメント指向型データベースの文字列探索処理をインデックスを使わずに高速化できる.更に,ハッシュ機構を用いてDDBキャッシュを分割し,複数台のGPUに分散する手法を提案し,GPUを用いた手法の水平拡張も可能にする.評価では,代表的なドキュメント指向型データベースであるMongoDBを対象にDDBキャッシュを実装し,性能を評価した.その結果,インデックスの適用できない正規表現探索クエリにおいて,GPUを用いた提案手法はMongoDBを大幅に上回るスループットを達成した.また,GPUの数を1台から3台に増やしたことで,2.7倍のスループットの向上を達成し,GPU数を増やすことで水平拡張ができることを示した.