著者
谷出 千代子
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間生活学部篇 (ISSN:21853363)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.109-120, 2010-12-30

「イソップ寓話」は海外の物語としては日本に最も早く入って来た物語である。その話の定かな数には多くの異論があり、今だ定まっていない。当研究では明治期から大正末期までに翻訳、再話された寓話の中で、いずれの出版物にもほぼ搭載されている「犬とその影」に限って、その表現形態から寓話としての特性である訓蒙までについて詳細に比較分析を試みた。その背景には、今日、保育教材の素材として扱われているにもかかわらず、「盗む」という用語が作品の冒頭から3回も使用され、さらに印刷を初版から4回重ねているにもかかわらず改訂版に至っていない実態について、果たして許容されている理由は何かを探求しようとしたことである。結果として、歴史的に時代を遡ると「盗む」というキーワードの表記されている作品、そうでなく「犬が肉塊を銜えて登場する」ところから始まる作品の両方ともが存在したことが判明した。また、読者は話の内容(展開)で充分に道徳律、いわゆる訓蒙を受容できるにもかかわらず、史的に著名な文人たちによって執拗に訓蒙の解説を力説し、多くのスペースを割いていることも時代の特性として検証できた。
著者
塩谷 郁夫
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.54-55, 1996-03-24
著者
篠原 秀一
出版者
日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.792-811, 1989
被引用文献数
2

銚子における漁港漁業の発展を,資源基盤,水揚漁船の集中と近代化,漁港整備の各要素から検討した.銚子における漁獲物の水揚地である銚子漁港では, 1973年から1984年まで,マイワシ,マサバ,サンマといった多獲性大衆魚を主要魚種として水揚量が増加した.この水揚量の増加は,回遊魚であるマイワシ、マサバなどを漁獲する近海旋網漁船が全国各地から銚子沖の漁場に集中し,その大量の漁獲物を銚子漁港に水揚げしてきたためである.近海旋網漁船はその近代化により大量漁獲を可能にした.とくに,漁船の大型化,新装備の導入を伴う1そうまき操業の一般化,カラースキャンニングソナーと気象衛星NOAA情報受画装置を中心とする主要装備の体系化は,近海旋網漁船の生産性を向上させた.銚子漁港の本格的整備は,特定第3種漁港に指定された1960年以後で,水揚漁船の安全と大型化を保障し,近海旋網漁船によるマサバとマイワシの水揚量増加に対応していた.
著者
藤井 昭
出版者
広島女学院大学
雑誌
広島女学院大学論集 (ISSN:03748057)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.17-33, 1983-12

A'miyaza' consists of several 'myo's. A 'myo'is a small religious association and it also means an association which possesses a certain area of farm field.A myo,because of the possession of farm field,ceased to exist or changed its form,according to the change of the farm field conditions. The historical materials tell us that there were miyazas in three villages,Tamari,Nomi,Uchibe in the eastern part of Aki district. In the 17th century,many 'myo's in this district ceased to exist,but the 'myo's of Tamaricontinued to exist. The strongest reason is that the farm field didn't increase and thefacilities for water for farming were not improved,either. In the 18th century, almost all the 'myo's in the villages which were under the great influence of 'Shinshu' ceased to exits but the 'myo's of Tamari existed on account of the little influence of 'Shinshu'. The 'myo's of Tamari continued to exist till 1883 owing to the two reasons above mentioned.
著者
Kensuke Okada Takahisa Miyatake
出版者
JAPANESE SOCIETY OF APPLIED ENTOMOLOGY AND ZOOLOGY
雑誌
Applied Entomology and Zoology (ISSN:00036862)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.411-417, 2007 (Released:2007-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

Librodor japonicus (Motschulsky) is distributed throughout the satoyama forests in Japan, and inhabits the saps of oak trees all its life. Although the beetle is a potential indicator of bio-resource abundance in the satoyama forests, the life history traits and seasonal abundance have not been studied. In this study, first, the seasonal abundance of L. japonicus was investigated using banana bait traps in Okayama City in 2002. Two peaks of abundance were found: a large peak from April to June and a small peak from August to September. The beetles oviposited on banana slices, and a successful artificial rearing method was established using only banana slices and leaf mold. The effect of temperature on the survival rate, adult size and developmental period was examined at different temperatures. The survival rate and the adult size tended to be greater at 25°C than at other temperatures. The thermal thresholds and thermal constants calculated from egg to adult development were 5.6 and 5.9°C and 1,010.9 and 1,022.0 degree-days for females and males, respectively. On the basis of these developmental parameters and the seasonal abundance of L. japonicus, the number of generations per year in Okayama, Japan, was estimated to be one.
著者
秋本 剛志
出版者
学習院大学
雑誌
哲学会誌 (ISSN:03886247)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.79-95, 2012-05
著者
碇 陽子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.513-533, 2016

本稿の目的は、アメリカを中心に展開する肥満差別の廃絶を訴えるファット・アクセプタンス 運動の実践を、哲学者ネルソン・グッドマンの世界制作論に依拠しながら、〈世界〉の制作として記述することである。 ファット・アクセプタンス運動は、公民権運動が盛り上がりを見せる時期のアメリカで1969年 に誕生した。しかし、これまで肥満差別は、人種差別やジェンダー差別などに比べ、廃絶すべき差別として捉えられてこなかった。なぜなら、体重やサイズをあらわす「ファット」カテゴリーは、「公民権法」が擁護する「人種」や「性別」などの公民権カテゴリーと比べ、「本質的」なカテゴリーではないと考えられてきたからだ。 ところが、1980年代後半から、アメリカでは肥満者の急増が社会問題化された。肥満は、病気を引き起こすリスク要因として公衆衛生の予防介入政策の対象となり、健康を自己管理し病気を 予防することは個人の「義務」となりつつある。本稿では、こうした時代を、一方で、不確実性の忌避やリスク管理を志向しながらも、他方では、未来は完全に管理できないという矛盾した事実に直面しながら生きなければならない時代と位置付けた。そして、こうした時代状況で、運動参加者が、肥満を病理化する医学的疫学的な知に対抗し、「ファット」カテゴリーが属する新たな知の体系を再構築していく実践を、対抗的な〈世界〉の制作として描写した。 描写を通じて明らかにされたのは、対抗的な二つの世界は、隔絶しているように見えて、むしろ、近接しているのではないかということである。その近さゆえに、ファット・アクセプタンス運動の人々は、二つの世界をどちらも不完全なまま部分的に通約(不)可能な存在として生きなければならない。この考察から、結論では、文化相対主義を再考し、あらゆる視点から離れた世界はないという「徹底した相対主義」から世界を理解することの意義が明らかになった。

2 2 2 2 OA 東紫哇文庫

著者
仮名垣魯文 作
出版者
辻岡屋文助
巻号頁・発行日
vol.三, 1862
著者
Ryuji Yanase Yukinori Nishigami Masatoshi Ichikawa Tohru Yoshihisa Seiji Sonobe
出版者
Japan Society of Protistology
雑誌
Journal of Protistology (ISSN:2433412X)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-6, 2018-03-05 (Released:2018-03-08)
参考文献数
24

The free-living ciliate protist Lacrymaria olor has an extendable neck, which extends up to 8 times longer than its cell body. Previous papers assessed several ultrastructural features of L. olor; however, dynamic features of the extension and contraction cycle of the neck have been unclear. As a first step to understand the mechanism of such dynamic processes, we tried to characterize the neck deformation of living L. olor using a high-speed camera and image processing. These analyses defined the four different cell states, namely, active, resting, activation and inactivation, and highlighted the features of the neck deformation of L. olor depending upon the cell states. Our analyses will make it possible to elucidate further details of the L. olor neck deformation mechanism.
著者
周 莉新 佃 守 古川 政樹 池間 陽子 澤木 修二
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.Supplement92, pp.61-63, 1997-06-27 (Released:2012-11-27)

There are more patients with vocal cord nodules in China than in Japan. The occupation of these patients consists mainly of female singers or teachers. On the basis of the etiology and pathology of Chinese traditional medicine, there are three different treatment modalities for this disease. Shikunshi-to, Toninsibutsu-to and Zoueki-to. These Chinese traditional medicine treatment modalities have been characterized by the combined use of Chinese medical herbs according to each individual patient's status.
著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所
雑誌
山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所報告 (ISSN:0386636X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-14, 2012-03

山形大学附属博物館後藤文庫が持つ、近世村山地方の郷土本『老の寐言』を国語学的に検討した。文章語体を旨として書かれながらも、聞き手を意識した箇所での断定辞ジャの使用、あるいは助辞ニの脱落や助辞イの使用が観察され、音韻面でも促音や撥音の使用といった口頭語性が諸処に発現している。さらに連接母音こと ai・oi におけるイからエヘの交替、チからツへの交替、カタ行有声化などの方言的事象も色濃く観察され、さらに同系統の江口本では、音韻現象において後藤本とは異なる現れ方をしていることが判った。 キーワード:近世村山地方郷土本, 口頭語性, 音韻表記, 村山方言資料
著者
須永 徳武 スナガ ノリタケ Noritake Sunaga
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.111-147, 2006-03-10