著者
家根谷 泰史
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.151, pp.p67-90, 1982-02
著者
平沢 弥一郎 臼井 永男 Yaichiro Hirasawa Nagao Usui
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of the University of the Air (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.91-113, 1988-03-30

詩篇は王冠をちりばめた宝石のように,その一つ一つが小さくて純,そして自由な光を放っている.旧約中最も愛読される.これは旧約と新約との橋渡しをし,ルーテルはこれを抱いて逃げさり,カルビンはその死床において第6篇を口ずさんだという. 詩篇が多くの入に親しまれるのは,詩であるがためである.理屈でなく,心の底から感じたまま流れ出たものである.だからまた人の心の奥深いところに入り込んでくる.詩経,古今集にもその例を見る.詩はまた飛躍する.たとえば旧約時代に人は復活を信じていなかったと言われるが,16:1Oには確かに復活を思わせる表現がなされている.また73:25,26は,自分の地上生活はだんだんみじめになるばかりで,神を信じた功徳はないが,それでも「神はわが厳なり!」と歌っている. 詩篇には,〓〓〓〓(tehillim)という表題がついている.この語は「ハッレルー・ヤーハ」(ヤハをほめたたえよ)では動詞の形で出てくる〓〓〓という語源から作られた名詞で,「讃美の歌」を意味する.詩篇全体にこの名称がつけられたのは,詩篇150篇がユダヤ教団の讃美歌集として認められた頃であっただろう.より古い時代には「祈り」〓〓〓〓(tephillah)という名称がよく見られるが,この名称はことに詩篇の中に多い歎きを訴える歌を指す場合に用いられる. 「讃美の歌」と「歎きの歌」,この二つが詩篇の中心であると言えよう. 著者らは,この二つの歌の中に「人の体」に関する用語がどのように歌われているかに着目し,その用語を日本聖書協会訳から全部拾い上げ,それらが旧約聖書の中で,どのような箇所で,またどのような意味で用いられているかを調べ,かつその一つ一つのヘブライ原語,New English Bible, Luther それに関根正雄訳に当たって比較することを試みた. さて拾い上げた用語は40種類におよび,その延べ回数は650回という膨大な数に上ることがわかった.次に示す用語は回数の多い順で( )内はその使用回数である. 手(131),目(77),口(71),足(48),顔(42),耳(37),舌(34),頭(27),唇(26),血(19),身(16),骨(16),肉(15),角(13),腕(12),歯(7),胸(6),ふところ(6),胎(6),のど(4),腰(4),毛(3),まぶた(3),鼻(3),あご(3),ひざ(3),からだ(3),首(2),指(2),ほお,ひとみ,ひげ,肩,腹,内臓,背,くびす,脂肪,髄,きば(夫々1回). 聖書は「手」の動作をもって種々の表象としている.手を上げることは神に対する祈り,また民への祝福であった.また「目」については,ヘブライ原語〓〓〓(eēnayim)は854回も使われており,この語の頻出度が高いことは人間生活において目がいかに重要な役割をもっていたかを示す.人類の堕落が「目」をとおしてはじまったものであり,そしてその目を神にむけなければならないという聖詩人の叫びは,詩篇において絶頂に達している. また,聖書が言語の器官である「口」を,「言語」の意味において用いていることは,抽象概念を具体的なものを用いて表現するヘブル人の特徴を示す好例として興味がある.沈黙は口に手を当てること(ヨブ40:4),大胆に語る自由は「口を開く」(エペ6:19)と表現された. 詩篇の中に「手」「目」「口」の頻度が高いのは,聖詩人たちは,両手を高くさしのべ,目を上に見はり,そしでのどが張り裂けんばかりに,神を讃美し,また歎きを赤裸々に訴えたのであろう.そしてその生き生きとしたかれらの祈る姿がありありと浮かんで来るようである.
著者
中村 一基
出版者
岩手大学
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09172874)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.175-184, 1993

研究ノート(1)では,日本人の言語感覚について,言語と沈黙という対峠関係を突き抜けるように,沈黙の言語があり,またその向こうに,失語という言語主体から遊離した言語の問題あることを,沈黙の意味性の把握を中心に考案した。その結果,日本人の言語感覚には,言語に対する二律背反的な感覚があり,その根底に言霊信仰がいまも生き続けていることを論じた。本稿では,「忌み言葉と差別語」をとりあげ,言語のタブー化という事態の背景に,日本人の「穢れ」の感覚と言霊の観念が色濃く影をおとしていることを考察した。
著者
夏石 番矢
出版者
聖徳大学
雑誌
聖徳大学総合研究所論叢 (ISSN:13422960)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.183-195, 1995-11-20
著者
服部 英二
出版者
麗澤大学
雑誌
言語と文明 : 論集
巻号頁・発行日
vol.2, pp.164-166, 2004-03-15
著者
ダフィー 美佐
出版者
奈良女子大学
雑誌
英語学英米文学論集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.79-93, 2007
著者
中前 茂之 高野 伸栄 大川戸 貴浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_39-I_52, 2014 (Released:2015-02-28)
参考文献数
19

平成に入ってから長く続いた少雪傾向が一変し,近年は豪雪が頻出する傾向がみられ,財政の厳しい市町村にとっては豪雪への対応は財政上軽い負担ではない.除雪事業の特徴として,あらかじめ降雪の量を決定して予算を立てることが不可能である上,一旦豪雪が発生した場合は市町村は除雪費を否応なく確保しなければならず,限られた市町村財政では賄いきれない恐れがある.しかしながら,国によるいくつかの支援措置はあるものの,国と地方の負担・分担のルールも明確に定まっていない.そこで,本稿では,これまでは直轄国道や道府県管理道路について除雪費推計手法として提案してきた除雪単価逓減則を市町村道にも適用することを検討するとともに,市町村の豪雪時における財源確保の状況や想定する負担限度を明らかにし,その際の課題を整理検討する.
著者
宮谷 尚実
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.193-199, 2015

In dieser Studie wird der Begriff "Schweigen" in der Abhandlung uber den Ursprung der Sprache (1772) von Johann Gottfried Herder analysiert. Drei Arten des Schweigens sind zu finden: 1) passives Schweigen zum Zuhoren, 2) aktives Schweigen zum Denken und 3) Gedankenstrich als Zeichen des Schweigens. Letzteres kommt zwar an einer entscheidenden Stelle in der Ursprungsschrift vor, wurde aber in den japanischen Ubersetzungen nicht adaquat ubersetzt. Eine Neuubersetzung, in der nicht nur die Stimme, sondern auch das Schweigen Herdes wiedergeben wird, ist deshalb notwendig.
著者
小黒 昌文
出版者
京都大学フランス語学フランス文学研究会
雑誌
仏文研究 : Études de Langue et Littérature Françaises (ISSN:03851869)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.41-60, 2017-10-31

「仏文研究」は、第36号(2005年発行)より、研究論文に対して査読制度を導入いたしました。編集委員会は、査読結果をもとに検討を重ねたうえで掲載の可否を判断しております。今号では、橋本論文、渡辺論文、廣岡論文、松原論文、岩永論文(『カフカを通してベケットを読む -1946年の短編群におけるエクリチュールの実践』)、横田論文が査読を経て掲載されています。今年度の第33回総回において、ナント大学名誉教授のジャン=リュック・ステンメッツ先生による「ボードレール、ランボー: 近代性の誤解」と題される特別講演が行われました。ですが編集の事情により、特別講演に関する論文掲載はございません。
著者
井上 雄吉
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.542-553, 2007-09-18 (Released:2007-10-09)
参考文献数
40
被引用文献数
2 or 0

半側空間無視(USN)に対する1 Hz反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の効果や,局所脳血流量(rCBF)の変化を調べてUSNの回復過程に関わる脳内機構について検討した.対象は,右大脳半球の血管障害22 例(脳梗塞19 例,脳出血3 例)で,発症からrTMS開始までが70~220 日(平均128.3 日)であった.rTMSは,左頭頂後部(P5)を運動閾値の90%の強度で,1 Hz,500発刺激を隔日で計7セッション施行した(2 例で2 クール施行).評価は,Behavioural inattention test(BIT)や視覚的探索課題-反応時間,Xe-CT(cold法)などを用いて行った.結果では,抹消試験や模写試験,視覚探索反応時間は,rTMS施行1 週~2 週後から改善を認め,その効果は終了2 週後も持続していた.rCBFでは,rTMS施行後に右小脳半球で有意の増加を認めた.以上より,健側半球への低頻度rTMSはUSNに対して有効と思われ,USNの回復には小脳を含む脳内機構の改善が重要と考えられた.
著者
金谷 信子
出版者
広島市立大学国際学部
雑誌
広島国際研究 = Hiroshima Journal of International Studies (ISSN:13413546)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.43-60, 2017-11-30

This paper examines the differences in behaviors between nonprofit providers and for-profit providers of Long-Term Care Services (LTCS) for the elderly in Japan by analyzing whether providers compromise on quality and engage in strategies to maximize profits. The quasi-market was introduced to improve the efficiency of the former public welfare service, which was limited to serving the public and nonprofit organizations. However, there is considerable doubt about LTCS's ability to balance the market mechanism with the fairness or equality of public services.Therefore, I examine the possibility of service quality compromises and the tendency toward strategic behaviors, e.g., the selection of users and service locations, economies of scale, and economies of scope. The results indicate the service quality of nonprofit providers may be better than that of for-profit providers. For-profit providers also seem to select profitable users and service locations and seek the scale and scope of economies more positively than nonprofit providers.
著者
中辻 裕司
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.972-974, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
10

多発性硬化症(MS)患者の約3割で血中セマフォリンSema4Aが著明高値を示す.Sema4A高値群にはインターフェロン(IFN)-β療法が有効でないばあいが多く,逆に障害の進行が助長されるばあいもある.疾患モデル動物EAEで検証実験をおこなうと,EAEはIFN-β治療で軽症化するがSema4A投与によりIFN-βの治療効果が打ち消され,むしろ増悪傾向を示した.機序としてSema4AがIFN-β治療下でもTh1,Th17分化を促進すること,およびT細胞の内皮への接着を促進することが一因である.まずSema4Aを測定し,高値MS患者には第一選択薬としてIFN-β以外の治療を考慮することが望ましい.
著者
川原 有加
出版者
日本国際情報学会
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.3-14, 2010-11-03 (Released:2014-12-30)
参考文献数
14

This paper focuses on color descriptions in The Lord of the Rings. This fantasy fiction is a story of dangerous journey in which Frodo and Sam endeavor to throw away the evil ring into the crater of the mountain. All the time, they fight against enemies under the control of the Dark Lord Sauron. The battles, for Frodo and Sam, include both internal and external conflicts. Tolkien experienced World War I and II, therefore, some of which are reflected in many battles of the story. He tried to picture the tragic wars with the symbolical use of colors and to clarify what evil is.