著者
高橋 幸利 松平 敬史 笠井 良修
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.8, pp.1591-1597, 2017-08-10 (Released:2018-08-10)
参考文献数
10

ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)ワクチン(子宮頸がんワクチン)接種後に,日常生活が困難な状況に陥った症例が1万人あたり2名程度ある.そのような症例の中で中枢神経系関連症状を呈した32例の髄液を検討し,①Th2シフトを示唆するIL(interleukin)-4,IL-13,CD4+ T cells増加,②IL-17増加(発症後12~24カ月),③IL-8,MCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)増加,④GluN2B,GluN1に対する自己抗体増加等が明らかとなった.
著者
吉井 美穂 八塚 美樹 安田 智美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_125-1_129, 2009-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
7

近年,入院患者におけるペットボトル飲料の利用は増加しており,直接口を付けて飲むいわゆる口飲みが多く行われている。そのため,細菌が混入する確率は高く,免疫力が低下している患者にとっては問題であると考えられる。今回,入院患者のペットボトル保有状況と保存方法の実態を把握し,それに基づいた細菌学的調査を行うことを目的に研究を行なった。結果,飲用頻度は多いものから茶,スポーツ飲料,ミネラルウォーターの順であり,保存方法としては常温保存と冷所保存ともにほぼ同数であった。また,実際に被験者によって口飲みされた飲料水を用いて検証したところ,スポーツ飲料水からは室温,冷所ともにほとんど菌の増殖は認められなかった。茶飲料水では室温保存において時間の経過とともに細菌の増殖が認められ,24時間以降,細菌増殖が著しく測定不能となった。一方,冷所保存では24時間まで平均46CFU/mlと一定菌数を維持していたもののそれ以降抑制されていった。また,ミネラルウォーターにおいても室温保存において経時的な細菌増殖が認められ,冷所保存でも10時間までは細菌増殖が認められたが,それ以降菌数の減少を認めた。 今回の結果より,スポーツ飲料水からは,保存方法の違いに関係なく細菌増殖が抑制されていることが明らかとなった。しかし,茶およびミネラルウォーターの一度口をつけたペットボトル飲料水からは菌が検出され,保存方法によっては飲料水基準を満たさず,衛生学的に問題であることが示唆された。
著者
東郷 俊宏
出版者
鈴鹿医療科学大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本課題の目的は、昭和15年前後に中国南京維新政府が推進していた国民暦(新東亜暦)編纂事業と、日本の東方文化研究所および京都帝国大学理学部宇宙物理学科のメンバーが主体となって推進していた東洋暦術調査との関連性を史料の上から明らかにすることにある。京都大学人文科学研究所には、昭和15年9月に南京において開催された国民暦編纂会議に、当時東方文化研究所の天文暦学研究室主任教授の地位にあった能田忠亮が招聘されたことを示す招聘状のほか、同会議の議事録や会議開催前後に掲載された新聞記事、また新東亜暦編纂事業に関わっていたと思われるメンバー(荒木俊馬、藪内清、高木公三郎、森川光郎)と能田の間に交わされた書簡、紫金山天文台修復作業の経過を示す書類などがあり、本課題ではこれらの資料の整理を行ってきた。その結果、新東亜暦は大東亜共栄圏共通の暦として採用されることはなかったものの、東方文化研究所の東洋暦術調査の研究成果をもとにその編纂事業が行われていたこと、また新東亜暦の問題が起こる以前より、森川光郎、高木公三郎など、京都帝国大学理学部宇宙物理学科のOB等が南京紫金山天文台修復作業に関わっており、その延長線上に昭和15年の会議が開催されていること、また京大宇宙物理学科卒のメンバーの間でも新東亜暦編纂の意義に対する考え方は微妙に異なっていることなどがわかった。本年度は最終年度に相当するため、現在人文科学研究所に残る上述の史料を翻刻し、資料集として報告書を作成する。
著者
山田 創一
出版者
山梨学院大学
雑誌
山梨学院大学法学論集 (ISSN:03876160)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.47-144, 1998-06-16
著者
刀川眞
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.27(2006-IS-095), pp.59-62, 2006-03-16

サマータイム制の導入による情報システムへの影響について事前に検討すべきであるという問題提起を受け、研究会が中心となり予備的検討を行った。具体的には、サマータイムの開始と終了に応じて情報システムが認識するタイマを変更する場合と変更しない場合とに分け、航空機運行システムの影響や食品衛生法との関係など、幾つかの想定事象を抽出した。結論として、情報システムへの影響は多岐に渡ると考えられ、対応策を提示するには現場で生じる具体的事象をより多く収集しなければならないが、サマータイム制導入の動きは、それほど高まっているとは言いがたい。このため現時点で十分な情報を入手することは困難なため、社会的にサマータイム導入の機運が高まってきた時点で、再度、検討の継続を判断するものとした。
著者
水野 幸一 仲島 麻里可 足利 光平 中野 恵美 松田 史郎 宮﨑 秀和 佐々木 俊雄 原田 智雄 明石 嘉浩
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.972-979, 2013-08-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
13

近年,高齢化に伴い日本人の動脈硬化性疾患が増加してきたが,一方で発症年齢の若年化が問題となっている.特に急性心筋梗塞では,若年期での発症機序や冠危険因子の関与などは現時点で見解が一致していない.当院で2006年2月開院以後2011年1月までの5年間で急性心筋梗塞に対して緊急経皮的冠動脈インターベンション(percut­ aneous coronary intervention;PCI)を施行した218症例中の35歳以下の5症例の臨床的背景,冠危険因子,冠動脈病変背景および臨床経過を今回検討したので報告する.5例とも男性,喫煙者で,4例が夜間から早朝の土木作業や運転などの不規則勤労者であった.4例がBMI 25.0以上の肥満であり,冠危険因子では4例が高血圧,5例ともに脂質異常症があり,1例のみ糖尿病,家族歴があった.臨床的には5例ともに来院時Killip分類Ⅰ,冠動脈1枝病変で,緊急PCIを施行して早期に再灌流が得られ合併症なく退院した.その後5例とも再狭窄を生じず,心血管イベントの再発も認めていない.以上の共通点は,対極的な86歳以上の緊急PCI施行症例と比較することにより一層鮮明になった.今回経験した5症例は,当院の急性心筋梗塞で緊急PCIを施行した症例の3%未満と低頻度であったが,臨床的背景,冠危険因子などで多くの共通点が認められた.臨床経過では,5例とも短期的には予後良好であったが,長期的予後まで考慮すれば生活習慣の改善を中心に,冠危険因子のより厳格な管理が重要と考えられた.
著者
TSUJI Keita
出版者
© Academic Research Journals
雑誌
International Journal of Academic Library and Information Science (ISSN:23607858)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.86-100, 2018-06

Open Access (OA) books available through the Directory of Open Access Books (DOAB) are investigated and the number of titles, the distribution of subjects, languages, publishers, publication years, licensing patterns, etc., are clarified. Their chronological changes are also shown. The sample comprised 10,866 OA books, which were available through the DOAB as of February 24, 2018. The results show that OA books are increasing in number at an accelerating rate. As for distribution of subjects, Social Sciences (“H” in the Library of Congress Classification [LCC] codes), Science (“Q” in LCC) and World History and History of Europe, Asia, Africa, Australia, New Zealand, etc. (“D” in LCC) are the most popular. As for languages, English, French, and German are the most popular. As for publishers, Frontiers Media SA, Presses universitaires de Rennes, and ANU Press are the most popular. Many books are newly published ones, but older books, published in or before 1999, also began to be available recently. As for the licensing patterns, “CC by-nc-nd” and “CC by” are the most popular. Considering these tendencies, libraries should begin to utilize OA books.
著者
常樂 晃 林 独志 島居 徹 内田 克紀 赤座 英之 近藤 福次
出版者
医学書院
雑誌
臨床泌尿器科 (ISSN:03852393)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.909-911, 1999-10-20

患者は,25歳,男性。精神的に困窮したため発作的に爆竹を尿道に挿入し爆発させた。尿閉となり近医を受診し,治療目的で当科に紹介され,入院となった。MRIでは尿道構造が消失していた。尿道へのカテーテルの挿入はできなかったため,膀胱瘻を造設した。保存的に治療したところ,排尿障害を残さず自然治癒した。爆竹による尿道損傷の報告はなく,自験例が1例目であった。
著者
門間 哲雄 荻原 正通 池内 幸一
出版者
医学書院
雑誌
臨床泌尿器科 (ISSN:03852393)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.141-143, 1998-02-20

症例は42歳,男性。24年前に尿道口からボールペンの先端部を友人から挿入されたまま放置していた。最近になり,亀頭部の疼痛と腫脹それに伴う排尿困難が出現したため当院を受診した。単純撮影にて尿道に石灰化を認め,尿道異物の診断にて緊急入院となった。膀胱瘻を造設し抗生剤にて局所炎症所見を軽快させた後に外尿道口切開を施行し,結石化した異物を除去した。最近の本邦の報告において,調べ得た限りでは本症例は最も長期間の尿道異物であった。
著者
小澤 義博
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.72-76, 2014-07-20 (Released:2015-01-07)
参考文献数
7

African swine fever (ASF) outbreaks which originated from Africa were chronologically reviewed with emphasis on how they were spread to Europe and the other continents. In 2007, ASF suddenly appeared in the countries in the east end of the Black Sea including Russia. As the disease has been well established in Russia, the strategies for ASF should be planned to fight against its risks from two continents, Africa and Russia (Eurasia). It will be extremely difficult to prevent the entry of ASF-infected wildlife from the countries that share land borders. Special attention should be paid to the fact that more than 50% of the swine population of the world is located in China. Feasibility studies should be performed to separate them from infected boars and feral swine by reinforcing barriers such as the Great Wall of China by adding wire walls and new electro-devices.
著者
寺島 裕貴 古川 茂人
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

聴神経フィルタ特性を理解するための計算モデルとして、自然音の教師なし学習モデルが提案されてきた。本研究では、より自然な音として自然環境下における音の変調を考慮に入れると、教師なし学習よりも音響課題に最適化された深層ニューラルネットワークがより良いモデルであることを示す。
著者
飯田 宏樹
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.709-718, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
34

麻酔科医は喫煙患者では周術期管理に苦慮することを経験してきた.喫煙は呼吸・循環機能を含め全身に影響を与えることは広く知られているが,周術期禁煙の意義は十分には理解されていない.周術期においては,喫煙者は非喫煙者に比べ,死亡,肺炎,予期せぬ気管挿管,人工呼吸,心停止,心筋梗塞,脳卒中等の死亡率・術後合併症のリスクが高くなることが示されている.最近では術前の禁煙期間が1週間長くなると,術後合併症が19%減少することが報告されているので,できるだけ早く術前禁煙を達成させることが大切である.ここでは周術期禁煙の意義を示すとともに,手術直前まで喫煙している患者に対する麻酔管理をいかに行うべきかも含めて提示する.