著者
中村 剛
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-12, 2018-05-31 (Released:2018-06-28)
参考文献数
38
被引用文献数
9

尊厳と人権は社会福祉の原理であり理念である.しかし,その意味は不明確である.そのため,本稿では尊厳と人権の意味を明らかにした.これらの言葉は,西欧で生まれた概念であり考え方である.よって,まず,それぞれの言葉の概念史や語源を確認した.その上で,尊厳については,聖の次元に思考を拓くことで,その意味の解明を試みた.一方,人権については,「human」の側面と「right」の側面とに分けることで,その意味の解明を試みた.考察の結果として明らかにした意味は次のとおりである.尊厳とは,“聖なるもの”の経験の中で実感する「かけがえのなさ」,「他者の存在の大切さ」,「他者への責任=倫理」といった,世俗の価値とは質的に違う価値のことである.そして,人権とは,「人間らしく生き暮らしたい」という叫び・要求が,正義そして道徳や自然法のような規範を通して,一定の正当性をもった叫び・要求として認知されたものである.
著者
野田 聖子 山田 麻子 中岡 加奈絵 五関‐曽根 正江
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.101-108, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
36

アルカリホスファターゼ (ALP) はリン酸モノエステルを加水分解する酵素であり, 小腸に局在する小腸型ALPは脂質代謝との関係が示唆されているが, その生理機能は未だ不明な点が多い。本研究では, ヒト結腸癌由来細胞で, 培養後に小腸上皮様細胞に分化するCaco-2細胞を用いて, ビタミンK2の1種であるメナキノン-4 (MK-4) がALP発現へ及ぼす影響について検討を行った。コンフルエント後14日間培養し, Caco-2細胞にMK-4を添加 (MK-4濃度: 0, 1, 10 μM) した結果, MK-4濃度が1または10 μMのALP活性が0 μMと比べて, 有意に高値を示した。さらに, ヒト小腸型ALP遺伝子のmRNA発現量も, MK-4濃度1 μMで0 μMと比較し有意に高値を示した。本研究において, ヒト小腸上皮様細胞でのMK-4による小腸型ALP発現の増強作用について初めて示すことができた。今回の結果は, 小腸型ALP発現調節を介したビタミンK2の新たな生理機能の解明につながることが期待された。
著者
永井 正太郎 福本 梨乃 山下 久仁子 岡田 明
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.469-478, 2018-11-25 (Released:2018-11-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Touchscreens are common in personal devices as well as in public devices such as ATMs and vending machines, because they are customizable and require less mental and physical load. However, touchscreens are subject to human error and visual overload, because a touchscreen interface doesn’t have haptic clues. Furthermore, the elderly may tend to be more affected by these issues. We conducted the experiment by measuring finger movement and finger contact force while using a touchscreen, to ascertain suitable feedback from haptic clue for both the elderly(62-75 years old) and younger people(20-30years old) . The findings were as follows: The amount of finger movement and finger contact force of elderly participants were significantly more than that of the younger participants (p < 0.01). Increased finger movement was due to tremors and decreased dexterity caused by aging. Increased finger contact force was due to two reasons: first, a response to less haptic feedback than what elderly participants are accustomed to experience, such as in the operation of a mechanical button; second, an attempt to prevent an error in movement due to their tremor. In addition to the physiological measurements, interviews of the participants revealed that the reason for their differences in using ICT devices is not a lack of experience, but physiological issues, such as tremors, decreased sensation in aging. The study further confirmed that touchscreen designs should include larger buttons and text display and a haptic experience that is attuned to strong finger contact force to promote greater usability for elderly users.
著者
関谷 勇司 中村 遼 岡田 和也 堀場 勝広
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J98-B, no.4, pp.333-344, 2015-04-01

現在のネットワークを取り巻く状況は,クラウドやビッグデータの普及,並びにスマートフォンやIoTといったデバイスの増加により,次の世代への変革を迎えようとしている.それにともない,これらの技術を支えるインフラである,ネットワークに求められる機能や性能も,従来の要求とは異なったものとなる.そのため,新たな要求に応えることのできるネットワークアーキテクチャが必要とされる.そこで本論文では,この新たなネットワークアーキテクチャの構築とその可能性について述べる.本論文にて提案する新たなネットワークアーキテクチャは,SDNとNFVを用いて構築される.まず,SDNとNFVに関して,その概念と技術並びに現状を解説し,最新の動向について述べる.また,Interop Tokyoにて行われた実証実験を通じて得られた,SDNとNFVの課題について述べ,その解決法について議論する.最後に,新たなネットワークアーキテクチャを構築するための技術課題と展望についてまとめる.
著者
漆畑 里美
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.74-83, 2009-12-05 (Released:2016-08-25)
参考文献数
36

本研究は日本の看護における「個別性のある看護」の概念的意味を明らかにし,展開と実態について考察することを目的に行った.医中誌Webを用いて日本語の「個別性のある看護」に関する30文献を選出しRodgersの概念分析法を用いて分析した.その結果,属性として【指導】【関わり】【支援 ・援助】の3カテゴリー,先行要件として{患者の状況}である【日常生活行動】【能力】【感情】,{状況を生み出している背景}である【自己認識】【生活】【パーソナリティ】【病歴】【経験 ・ 体験】【家族】,{現行の看護ケア}である【看護ケアの場】【実践】【看護姿勢】の計12カテゴリー,帰結として【進歩】【好転】【試み】【悪影響】の4カテゴリーが得られた.以上から「個別性のある看護」は「対象者の状態を望ましい方向へ移行するために,対象の置かれている状況およびその背景を把握し,それをもとに既存の看護を組み合わせる,調節 ・ 変更 ・ 改善することで創造される看護」と定義され,展開には適切な患者把握能力とケアの調整能力が必要であることが示唆された.
著者
川上 和人 江田 真毅
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.7-23, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
158
被引用文献数
1

鳥類の起源を巡る論争は,シソチョウArchaeopteryxの発見以来長期にわたって続けられてきている.鳥類は現生動物ではワニ目に最も近縁であることは古くから認められてきていたが,その直接の祖先としては翼竜類やワニ目,槽歯類,鳥盤類恐竜,獣脚類恐竜など様々な分類群が提案されてきている.獣脚類恐竜は叉骨,掌骨や肩,後肢の骨学的特徴,気嚢など鳥と多くの特徴を共有しており,鳥類に最も近縁と考えられてきている.最近では羽毛恐竜の発見や化石に含まれるアミノ酸配列の分子生物学的な系統解析の結果,発生学的に証明された指骨の相同性,などの証拠もそろい,鳥類の起源は獣脚類のコエルロサウルス類のマニラプトル類に起源を持つと考えることについて一定の合意に至っている.一般に恐竜は白亜紀末に絶滅したと言われてきているが,鳥類は系統学的には恐竜の一部であり,古生物学の世界では恐竜は絶滅していないという考え方が主流となってきている.このため最近では,鳥類は鳥類型恐竜,鳥類以外の従来の恐竜は非鳥類型恐竜と呼ばれる. 羽毛恐竜の発見は,最近の古生物学の中でも特に注目されている話題の一つである.マニラプトル類を含むコエルロサウルス類では,正羽を持つ無飛翔性羽毛恐竜が多数発見されており,鳥類との系統関係を補強する証拠の一つとなっている.また,フィラメント状の原羽毛は鳥類の直接の祖先とは異なる系統の鳥盤類恐竜からも見つかっており,最近では多くの恐竜が羽毛を持っていた可能性が指摘されている.また,オルニトミモサウルス類のオルニトミムスOrnithomimus edmontonicusは無飛翔性だが翼を持っていたことが示されている.二足歩行,気嚢,叉骨,羽毛,翼などは飛行と強い関係のある現生鳥類の特徴だが,これらは祖先的な無飛翔性の恐竜が飛翔と無関係に獲得していた前適応的な形質であると言える.これに対して,竜骨突起が発達した胸骨や尾端骨で形成された尾,歯のない嘴などは,鳥類が飛翔性とともに獲得してきた特徴である. 鳥類と恐竜の関係が明らかになることで,現生鳥類の研究から得られた成果が恐竜研究に活用され,また恐竜研究による成果が現生鳥類の理解に貢献してきた.今後,鳥類学と恐竜学が協働することにより,両者の研究がさらに発展することが期待される.
著者
眞弓 和也 住澤 寛史 木村 理一郎 竹山 浩史 中谷 隼 平尾 雅彦
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第4回日本LCA学会研究発表会(会場:北九州国際会議場)
巻号頁・発行日
pp.130, 2008 (Released:2009-02-05)

環境負荷低減を目的としたレジ袋削減運動が行われており、小売業者によるマイバッグ推進運動が例として挙げられるが、マイバッグの利用条件によっては環境負荷が高くなる場合がありうる。本研究では消費者及び小売業者を対象とした環境配慮行動支援のために、レジ袋とマイバッグ各々一枚あたりのライフサイクルでのCO2排出量を評価し、繰り返し利用回数やレジ袋辞退率、配布枚数等の各主体にとって管理可能な条件とCO2排出量との関係を提示した。
著者
橋本 初子
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.p671-696, 1979-09

個人情報保護のため削除部分あり今日、神社に伝来している古文書のなかに、「御奉行所候也」という書止め文言の文書がある。この文書は、様式的には御教書であり、公刊の史料集では、すでに御教書として扱われてきている。しかし、これらの文書はたんなる御教書ではなく、実際には院宣・綸旨として機能していた。本来、院宣は院司奉書、綸旨は蔵人奉書という形式が、いずれも原則であるが、本稿に紹介する「御奉行所候也」の院宣・綸旨は、かかる普通の院宣・綸旨をさらに下位の庁務主典代や蔵人所出納がもう一度奉じて、宛所に伝達するという二段構えの奉書形式である。本来の院宣・綸旨は、官職を帯し、政治機構内に位置しなければもらえなかった。そして官職についていないが、上皇 (天皇) の命令が伝達されねばならない時、本来の院宣・綸旨とは別形態の「御奉行所候也」の形式によって、院宣・綸旨が伝達された。本稿では、従来の古文書学では扱われなかった、この別形態の院宣・綸旨の実態について考察するものである。
著者
Yaping Liang Xiaojia Xu Mingjuan Yin Yan Zhang Lingfeng Huang Ruoling Chen Jindong Ni
出版者
The Japan Endocrine Society
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.51-63, 2019 (Released:2019-01-28)
参考文献数
52
被引用文献数
75

We conducted a systematic review and meta-analysis to evaluate the effect of Berberine on glucose in patients with type 2 diabetes mellitus and identify potential factors may modifying the hypoglycemic effect. We searched PubMed, Embase, the Cochrane Library, China National Knowledge Infrastructure, and Wanfang Database to identify randomized controlled trials that investigated the effect of Berberine. We calculated weighted mean differences (WMD) and 95% confidence interval (CI) for fasting plasma glucose (FPG), postprandial plasma glucose (PPG) and glycated haemoglobin (HbA1c) levels. Twenty-eight studies were identified for analysis, with a total of 2,313 type 2 diabetes mellitus (T2DM) patients. The pool data showed that Berberine treatment was associated with a better reduction on FPG (WMD = –0.54 mmol/L, 95% CI: –0.77 to –0.30), PPG (WMD = –0.94 mmol/L, 95% CI: –1.27 to –0.61), and HbA1c (WMD = –0.54 mmol/L, 95% CI: –0.93 to –0.15) than control groups. Subgroup-analyses indicated that effects of Berberine on blood glucose became unremarkable as the treatment lasted more than 90 days, the daily dosage more than 2 g/d and patients aged more than 60 years. The efficiency of Berberine combined with hypoglycaemics is better than either Berberine or hypoglycaemic alone. The dosage and treatment duration of Berberine and patients’ age may modify the effect.
著者
浦部 美佐子 石川 俊之 片野 泉 石田 裕子 野崎 健太郎 吉冨 友恭
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.1-18, 2018-01-31 (Released:2019-01-31)
参考文献数
19
被引用文献数
1

水質指標生物の教育効果を調べるため,7つの大学で学生アンケートを実施した。高校までに指標生物による水質調査を行ったことのある学生は1~2割程度であった。指標生物は,現行課程では中学理科第二分野,旧課程(~2011)では高校基礎生物の教科書で扱われることが多かったが,調査を行ったことのある学生の7~8割は小学校で履修しており、テキストとしては自治体等が作成した副読本の役割が大きいと考えられた。水質指標生物の学習によって水質に対する正しい科学的理解を得た学生は少なく,その原因として小学校では履修学年が早すぎることと,指標生物に内在する論理的不備の問題が考えられた。「川の水を綺麗にするために有効なこと」を選択する問いでは,美化体験の有無によって選択内容はあまり変化しなかった。指標生物の学習体験の有無では、調査年により「無りん洗剤を使う」「水草を植える」「EM菌を撒く」の項目が増加し,その中には疑似科学であるものも含まれていた。以上の結果から,指標生物の学習は自然に親しみ,環境への興味を喚起するには有効であるが,水質の科学的な理解にはほとんど結びついていないことが明らかになった。以上を踏まえ,学校教育において指標生物を利用する場合に改善すべき点として,(1)水生動物相を水質と関連付ける場合,化学的水質検査も同時に実施する必要がある;(2)水質指標生物は小学校ではなく、中学または高校で教えるべきである;(3)学校教育において指標生物を教える場合、水質以外の環境要因も考慮することが必要である;(4)小学校では、水生生物は生物多様性と地域環境を理解するための教材とするべきである;の4点を挙げた。
著者
橋爪 和夫
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.9-23, 1993-08-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
43

The general purpose of this research was to study the signification of the shout on Kendo. The focus of this study was to explore a historical formative stage and philological formative process of the shout. This investigation was carried on a condition that the shout is not essential according to The Conception of Kendo and the teaching which the shout should be voiceless in the extremity.The shout of the age at civil wars was one of the weapons. In the Edo period the existence of the shout was decided by the dogma of each Kenjutsuryuha (Kendo school). In the Meiji period the shout became to admit as one of the practice methods assuming the unconscious KAKEGOE, and in this time both modern style and understanding of KAKEGOE were formatted. To get a lot of effects on voiceless condition more than on shout, modern Kendo has a recognition about the KAKEGOE that the more skill player, the more little shout after going through an unconscious and natural shout.In the practice and the match handling a BOKUTO, the spot of the boby for DATOTSU (strike) might be named (KOSYO) before striking. In and after the 1750's, according to use SHINAI and BOGU (a protector), the original form of DATOTSUBUIKOSYO occurred. Modern style of DATOTSUBUIKOSYO can be confirmed by a bibliography of the early Meiji period. In the later Meiji Period DATOTSUBUIKOSYO was located as a necessary shout at the minimum. It is indicated by the existence of DATOTSUBUIKOSYO that Kendo is on longer a tool of an actual warfare but a movement culture.KAKEGOE and DATOTSUBUIKOSYO are coming to this day with advancing in their philological functions both phylogenetically and ontogenetically. The shout which is related to high spirits is closely connected with YUKO (valid) DATOTSU (a point). KAKEGOE may include a function that a player demonstrates one's high spirits to a third person by it. DATOTSUBUIKOSYO may also involve the possibility that it contains a potentiality of a lie. These functions of the shouts are contrary to The Conception of Kendo.Both DATOTSUBUIKOSYO by a player and YUKODATOTSU Announcement by the Chief Referee at YUKODATOTSU are the highest language level. The correspondence with a mind of player seems to DATOTSUBUIKOSYO back and forth. It may be possible for the excellent player to format DATOTSUBUIKOSYO in the speech area neverthless he or she does not shout (DATOTSUBUIKOSYO).A study on the level of a detachment may be a next theme.
著者
白石 正 丘 龍祥 仲川 義人
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.108-112, 1998-04-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
12

注射部位の皮膚消毒には80vol%消毒用エタノール (ETOH), 70vol%イソプロパノール (IPA), 80vol%メタノール変性アルコール (NEO) が使用されている.これらの同等性の如何を検討する目的で, それぞれの試験液 (未希釈液) と1.5倍, 2倍, 3倍希釈液の各種臨床分離株に対する殺菌効果および医療従事者 (n=10) を対象とした皮膚の除菌効果を検討した.その結果, 3種の未希釈液および1.5倍希釈液は各種細菌を15秒で殺菌したが, 2倍希釈液では30秒の接触でETOHに比しIPA, NEOがより高い殺菌効果を示した.皮膚の除菌率ではETOHの未希釈液は99.0±1.3%となり, 2倍希釈液85.0±18.6%および3倍希釈液61.3±30.58%との間に有意差が認められた.NEOにおいても未希釈液98.9±1.6%と2倍希釈液95.2±5.3%および3倍希釈液68.4±35.7%との間で有意差が認められた.しかし, IPAでは未希釈液の除菌率97.7±4.0%と3倍希釈液の除菌率77.3±29.1%の間にのみ有意差が認められた.これらより, 基礎的検討において各消毒剤の未希釈液および1.5倍希釈液は高い殺菌効果を有していたが, 臨床的検討ではIPAがETOHおよびNEOに比し, 高い殺菌効果を示したことから, 総合的に見た殺菌力ではIPA>NEO>ETOHであることが認められた.