著者
田村 哲樹 TAMURA Tetsuki
出版者
名古屋大学大学院法学研究科
雑誌
名古屋大学法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.280, pp.85-108, 2018-12-25

本稿は、科学研究費補助金15K03273、および部分的に16H03539の成果である。
著者
細貝 亮
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.225-242, 2010-07-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
25

Some of recent media studies pointed out the increasing of media effect in politics and public opinion. In what meaning, why and how has the media effect increased? The aim of this paper is to demonstrate the time-varying effect of media coverage on the cabinet approval rate by analyzing aggregate time-series data. I examine two hypotheses about factors that increased the media effect on the cabinet support rate in Japan. Hypotheses I; the growth of floating voter, what is called on "mutouha", who are sensitive to political information made the media effect increase. Hypotheses II; Prime Minister Junichiro Koizumi who used media for getting support of electorate make the media effect increase, what we call "the Koizumi effect". In examining the relation between the media coverage and the change of the cabinet support rate, I introduced "the sentence-final modality" model as the new method of the contents analysis. The method is used for specifying positive/negative information about prime minister or cabinet in editorials of newspapers and converting its information into positive/negative score. In addition, I adopt the recursive regression method for analyzing time-varying effect of media. I can acquire three findings. First, the positive/negative evaluations in media coverage make a clear effect on the cabinet support rate. Second, the media effect has been significant after 1993 when floating voter grew rapidly. Third, "the Koizumi effect" is not able to confirm in this analysis.
著者
北中 千史
出版者
国立がんセンター
雑誌
特定領域研究(C)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

神経芽腫は自然退縮がしばしば見られる癌としてよく知られているが、そのメカニズムについてはほとんどわかっていない。神経芽腫の自然退縮のプロセスにアポトーシスとは異なったプログラム細胞死の関与が示唆されていること、Rasの発現が神経芽腫の予後良好因子であることなどに加え、最近の我々の研究からRasがヒトがん細胞に細胞特異的に非アポトーシス性プログラム細胞死を誘導することが明らかになってきた。これらの事実から我々は神経芽腫におけるRas蛋白質の高発現がアポトーシスとは異なったプログラム細胞死を誘導し、その結果腫瘍の自然退縮が起きているのではないかと考えた。この点を確認するためにまず神経芽腫の腫瘍サンプルを用いた免疫染色を行ったところ、自然退縮を起こしやすい神経芽腫のサブグループにおいてRasの高発現部位に一致してアポトーシスとは異なる細胞変性が高頻度に起きていることを認めた。また、in vitroにおいても、腫瘍サンプルで認められた所見に一致して、Rasの発現が神経芽腫細胞にアポトーシスとは異なった細胞死を誘導することを確認した。これらの結果はRasにより誘導される非アポトーシス性プログラム細胞死が神経芽腫の自然退縮に寄与している可能性を強く示唆している。
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.33-42, 2018-03-30

For many Japanese, it seems to be difficult to assume that growing success of Nollywood would be in relation with some “SFX” techniques for mysterious teleport and magical transforming, which resonate so much with the audiences in local contexts. This article examines recent 31 Yoruba Nollywood movies which were selected randomly from the online guide of the AM Yoruba. 22 contents out of the 31 include mysterious or magical scenes and 6 are peculiarly involved with “money rituals”. 9 are without any magical setting and more than half of them focus on domestic problems which are familiar with Japanese audiences. But many contents with magical scenes, too, raise issues for family relationships. The article explores common features and differences between the two kinds of contents and suggests that those movies which contain mysterious settings would dramatize ordinary issues with very localized idioms although they reflect harsh situation or crisis of everyday life.
著者
榎本 俊樹 小柳 喬
出版者
石川県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

フグ卵巣は塩漬け・糠漬けすることで毒性が低下した。また、これらのサンプルからTTX及びその類縁体である5,6,11-trideoxytetrotodoxin(TDTTX)が検出された。TTX及びTDTTXは糠漬けに伴い減少することから、TTXは分解されることで毒量が減少することが示唆された。フグ卵巣の糠漬けの菌叢について検討したところ、主要な乳酸菌は、Tetragenococcus muriaticusと同定された。さらに、Bacillus属及びClostridium属の細菌も主要な菌叢であった。これらの細菌のTTX分解への関与については、今後の研究課題として残された。
著者
白波瀬 達也
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.25-49, 2007-06-09 (Released:2017-07-18)
被引用文献数
2

本稿は野宿者が集住する最下層地域、釜ヶ崎において顕著にみられるキリスト教の「ホームレス伝道」とその受容状況について考察する。日雇労働者の街として知られる釜ヶ崎は、1960年代後半から1990年代初頭にかけて、労働運動が大きな影響力をもっており、キリスト教の直接的な伝道が困難な状況にあった。1990年代中頃に釜ヶ崎は大量の野宿者を生むようになるが、それに伴って労働運動の規制力が弛緩し、1990年代後半にホームレス伝道が急増するようになった。現在、10の教会/団体が食事の提供を伴った「伝道集会」を開催するようになり、多くの野宿者が参加しているが、実際に洗礼を受け、特定の教会にコミットメントをもつようになる者は極めて少ない。宗教と社会階層の関係に着目したこれまでの研究では、社会移動の激しい最下層の人々は特定の宗教シンボルとの関係がランダムあるいは希薄だとする議論が一般的であったが、本稿はこの理論的前提を具体的なフィールドデータから検証し、最下層の人々に特徴的な信仰と所属の様態を把握する。
著者
河野 公一 織田 行雄 渡辺 美鈴 土手 友太郎 臼田 寛
出版者
大阪医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997 (Released:1997-04-01)

研究総括体内に吸収されたフッ物はそのほとんどが腎臓から排泄されるため、高濃度のフッ素暴露のみならず長期にわたる低濃度のフッ素暴露でも腎障害をきたすことが動物試験により確認された。健常者では尿中フッ素量は生体へのフッ素の負荷量をよく反映し、一般環境からの摂取やフッ化物作業者における暴露の指標として広く用いられている。地域住民を対象とした検診結果および動物試験に、より尿中へのフッ素の排泄は腎でのクリアランスに依存しており、もし腎機能の低下がある場合、例えば慢性腎炎や腎不全の患者のみならず健康な個体でも中高齢化とともにフッ素の排泄障害と体内への蓄積が示唆されることが確認された。腎フッ素クリアランス値はクレアチニンクリアランス値に比べて40歳台までは比較的穏やかな減少傾向にとどまるが50歳台以降では急激な低下を認めた。さらに動物を用いたフッ化ナトリウム負荷試験ではフッ素クリアランスが低下し血中フッ素濃度が高く維持されること成績を得た。体内に吸収されたフッ素はその大半が24時間以内に排泄されるが、この排泄率は腎機能の低下とともに減少し、もし腎フッ素クリアランス値が20%低下すればフッ素の24時間における排泄率も20%減少することが確認された。わが国でも増加しつつある腎透析患者では血中フッ素濃度が高く維持され、アルミニウムなどの他の元素とともに骨や脳の病変とのかかわりから問題とされてきた。最近では透析液の脱イオン化などによりこれらの疑問は解消されたとする報告がみられる。しかし本研究の成績より、現在一般に使用されている透析膜自体の性格などから血中フッ素は十分に除去しえず、これらの問題は解消されたとする根拠が得られなかった。近年、わが国の産業界では作業者の中高齢化が急速に進みつつある。このような状況においてフッ物などの有害物を長期にわたって取り扱う作業者が今後さらに増加することが予想される。したがってこれら作業者の健康管理の基準はそれぞれの作業環境において個々の作業者の加齢による腎機能の低下などの生理的状態を考慮した上で評価することが強く望まれる。
著者
岡本 源太
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.43-54, 2007-03-31 (Released:2017-05-22)

Dans La chambre claire, Roland Barthes essaie de theoriser sur le ≪realisme photographique≫ (le mot ≪realisme≫ etant a entendre au sens philosophique, et non artistique), autrement dit sur le lien de la Photographic a la realite. Ce lien n'est pas seulement denie (la Photographic n'a pas de realite, mais de l'arbitraire), mais aussi surinterprete (la realite de la Photographic ne consiste que dans la vraisemblance), pour autant que la Photographic est produite et regardee a travers differentes mediations. Or ce deni aussi bien que cette surinterpretation ne font que meconnaltre le realisme photographique tel qu'il est concu par Barthes. Car, selon lui, la Photographic se met en rapport avec la realite par l'intermediaire de la verite de l'image, et la verite, qui se trouve dans la ressemblance, le lignage et l'air, est inseparable des souvenirs et des passions du sujet qui voit une photo. Avec cette theorie du realisme photographique, Barthes tente de sortir de la conception qui oppose l'image au reel, alors que la meme conception marque largement la societe moderne. Si cette conception est toujours dans l'air, comme le fait remarquer d'ailleurs Jacques Ranciere, le realisme photographique de Roland Barthes n'en parait pas moins actuel.
著者
木村 一基
出版者
東洋大学国際哲学研究センター
雑誌
国際哲学研究 = Journal of International Philosophy (ISSN:21868581)
巻号頁・発行日
vol.別冊10, pp.9-22, 2018-03

本稿は2018 年1 月20 日(土)に開催した「情報、身体、ネットワーク―21 世紀の情報理解に向けて―」第3 回研究会における木村一基氏の講演録である。
著者
野口 卓也 京極 真
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.54-63, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
28

本研究の目的は,ポジティブ作業に根ざした実践のプログラム(POBP)を開発し,適用方法を検討することであった.研究方法は2段階の手順を踏み,手順1で作業に根ざした実践に精通する作業療法士3名で学習教材を作成し,手順2でPOBPを精神障害者6名に実施した.効果指標はポジティブ作業評価15項目版(APO-15),ポジティブ作業の等化評価(EAPO),一般性セルフ・エフィカシー尺度を用い,解析はベイズ推定による一般化線形混合モデルで行った結果,手順1で学習教材が33種類作成され,手順2でAPO-15のエンゲージメント,EAPOのポジティブ作業の2因子で効果を認めた.POBPは精神障害者の幸福の促進に寄与する可能性があると示された.
著者
佐々木 周作 大竹 文雄
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.110-120, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
54

本稿では,これまでに,医療・健康分野でどのような行動経済学研究の成果が蓄積されてきたかを整理する.本分野の研究は,患者を対象に,以下二つの分類で進められてきた.一つは,患者の意思決定上の行動経済学的な特性が積極的な医療・健康行動を取りやすくしたり,逆に,阻害したりしていることを明らかにする実証・実験研究である.具体的には,リスク回避的な人ほど積極的な医療・健康行動を取りやすいこと,一方で,時間割引率の大きい人・現在バイアスの強い人ほど取りにくいことがさまざまな医療・健康分野で観察されている.もう一つは,患者の行動経済学的な特性を逆に利用して,積極的な医療・健康行動を促進しようとする,ナッジの介入研究であり,実際に,ナッジが患者の行動変容を促すことが,多くの研究で報告されている.さらに,近年の研究動向として,医療者を対象にした行動経済学研究を紹介するとともに,長期的かつ安定的に効果を発揮するナッジの開発の必要性について議論する.