著者
木村蒹葭堂 著
出版者
前川善兵衛
巻号頁・発行日
vol.[1], 1800

2 0 0 0 OA 科学的教養

著者
小泉丹 著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1948
著者
五十里 洋行 後藤 仁志 小林 祐司 藤原 聖史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_853-I_858, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1

大規模な津波が海岸堤防を越流する際には裏法肩近傍において顕著な圧力低下が生じ,それによって被覆ブロックが離脱・流出することが知られている.本現象の再現計算においては,激流中を運動するブロックを追跡する必要があり,これまでに十分に再現可能な三次元数値モデルは存在しなかった.そこで,本研究では,移動物体の追跡の容易な粒子法を用いた数値モデルの開発を行う.本数値モデルでは,極端な負圧の発生によるtensile instabilityに対応するために圧力ノイズの低減を目的とした高精度スキームを導入するが,それに若干の修正を加えることで計算時間を5~6割程度に短縮した.本数値モデルの適用により,堤防裏法面に設置された被覆ブロックが堤越流の作用によって回転しながら離脱・流出する過程が良好に再現された.
著者
平野 智紀 安斎 勇樹 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.43034, (Released:2019-10-16)
参考文献数
25

本研究では,美術教育において広がりを持っている対話型鑑賞ワークショップについて,これを鑑賞者の知識構築の過程として捉え,ナビゲイター(ファシリテーター)による情報提供がどのように知識構築に寄与するのかについて検討した.鑑賞会への参与観察およびファシリテーションを担当した14名の学生ナビゲイターへのインタビューから,鑑賞における情報提供は「考えるための情報」と「確認のための情報」に分類された.プロトコル分析から,「考えるための情報」は,作品の表現内容と組み合わせて知識構築を促すために提供され,「確認のための情報」は議論の押さえとして,それぞれ提供タイミングが図られていることが明らかになった.
著者
高橋 翠
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.100, 2011

顔の魅力に対する進化的アプローチでは、ヒトは自身の繁殖に有利となる異性個体を見抜く適応上の課題として、望ましさに寄与する特性のシグナルを敏感に察知し、魅力という形で検出していく心的機能を備えていると仮定される。しかしながら、これまで「女らしい」印象を与える女性顔が常に高い魅力評価を受ける一方、男性顔における「男らしさ」は、健康や身体的強靭さといった配偶者として望ましい特性のシグナルであるにも関わらず、必ずしも魅力的と評価されないという。本研究では、「男らしい」印象を与えるような男性顔は、それが無表情時に知覚者に怒りが認知されることで覚知される脅威性が魅力評価を抑制していることを示した高橋(2010)の知見を拡張し、表情と視線方向の異なる条件における「男らしさ」と魅力の関係について検討を加えた。その結果、比較的笑顔や逸視といった脅威性が覚知されにくい条件においては、「男らしさ」が魅力評価に反映されるようになる可能性が示唆された。
著者
Takayuki Miyazaki Yasuhiko Minamide
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.422-430, 2019 (Released:2019-06-15)
参考文献数
22
被引用文献数
5

Lookahead is an extension of regular expressions that has been adopted in many implementations and is widely used. Lookahead represents what is allowed as the rest of input. Morihata developed a conversion from regular expressions with lookahead (REwLA) to deterministic finite automata by extending Thompson's construction. In this paper, we develop a conversion from REwLA to deterministic finite automata by extending derivatives of regular expressions. First, we formalize the semantics of REwLA. An REwLA has information about the rest of the input, so the definition of the semantics of REwLA is not languages but structures different from those of regular expressions. Thus, we introduce languages with lookahead as sets of pairs of strings with several operations and define the semantics of REwLA as languages with lookahead. Next, we define two kinds of left quotient for languages with lookahead and give corresponding derivatives. Then, we show that the types of expressions obtained by repeatedly applying derivatives are finite under some equivalence relation and give a conversion to deterministic finite automata. We also show that the semantics of REwLA is a finite union of sets of the form A × B, where A and B are regular languages.
著者
隅田 孝
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.68, pp.301-313, 2019-09-25

日本社会が成熟社会へと変化する中、日本の消費者は物質的な豊かさを享受することができた一方で、果たして精神的な豊かさを享受することができたのだろうか。このような疑問が1980年代及び1990 年代のポストモダンのあり方を模索する日本の成熟社会論において問われた。 日本の成熟社会において消費の意味は変化し、多様化している。そして消費者はモノの有用性に見いだされる価値だけでなく、消費のプロセスをも消費対象としている。インターネットの出現によって情報化社会がより一層加速され、消費者は一方的に提供されるだけの側から、消費のプロセスを消費する存在へと変貌を遂げている。 日本の消費者もまた消費のプロセスを消費する消費者へと変化を遂げ、いわゆるブランド・コミュニティを形成する消費者行動が定着してきている。ブランド・コミュニティはモノと消費者の関係、消費者同士の関係を新たに創造する。このブランド・コミュニティによる消費が消費のプロセスを顕在化させ、モノの消費だけでなく消費のプロセスを消費することを可能にしている。日本の成熟社会における消費者行動は、これまでのように消費対象としてのモノを消費することにとどまるのではなく消費者同士が醸成する消費に至るプロセスを消費するための行動となってきていることを明示する。
著者
岩垣 博巳
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.613-620, 2007-11-01 (Released:2008-05-23)
参考文献数
7

担癌悪液質モデルマウスを用いて、脳内モノアミン神経活動、末梢ヒスタミン代謝、消化管セロトニン代謝について解析した。非担癌マウスに比し、悪液質マウスの脳内モノアミン代謝は、ドーパミンについては低下、セロトニン、ヒスタミンについては有意に増加し、それぞれ、運動量の低下、うつ的傾向、食欲不振に関与していることが示唆される。また、癌悪液質マウスでは、非肥満細胞におけるヒスチジン脱炭酸酵素が強く誘導されており、この結果、招来される末梢組織におけるヒスタミン代謝の亢進は、癌悪液質状態における交感神経の過緊張とともに、細胞性免疫の抑制を助長するものと考えられる。悪液質マウスの消化管において好クロム親和性細胞数の増加、並びに、セロトニン合成酵素活性の増加に伴うセロトニン含量の有意の増加が認められ、このことが求心性腹部迷走神経を活性化させ、癌悪液質にみられる嘔吐・悪心という臨床症状を引き起こすものと推定される。
著者
板寺 英一 市川 徳和 山川 晴吾 橋詰 博行 井上 一
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.383-385, 2000-09-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
8

We studied the MRI findings of a frozen shoulder in three different phases. Forty-one frozen shoulders were available for this study. The mean age of the patients was 58 years (range,43 to 77 years). The mean range of elevation of the shoulders was 118 degrees (range,80 to 140 degrees). There were 10 shoulders in the acute phase (less than 2 months),16 in the subacute plase (2 to 3 months),15 in the chronic phase (4 to 12 months). Oblique coronal, oblique sagittal, and axial sequences were made with the fast spin-echo technique using a 0.5-tesla MR Vectra unit. On T2-weighted images, high signal intensities (HIS) in the glenohumeral joint (GHJ), the subacromial bursa (SAB) and the bicipital groove (BG) were analyzed, and then the contraction of the axillary pouch was evaluated.HIS at the GHJ was moderate in 40%, slight in 20% and none in 40% of the shoulders in the acute phase; in 0%, in 63% and in 37%, respectively, in the subacute phase; and in 7%, in 40% and in 53%, respectively, in the chronic phase. HIS at the SAB was moderate in 0%, slight in 30% and none in 70% of the shoulders in the acute phase; in 0%, in 25% and in 75%, respectively, in the subacute phase; and in 0%, in 27% and in 73%, respectively, in the chronic phase. HIS at the BG was moderate in 30%, slight in 60% and none in 10% of the shoulders in the acute phase; in 25%, in 19% and in 56%, respectively, in the subacute phase; and in 13%, in 40% and in 47%, respectively, in the chronic phase. Contraction of the axillary pouch was observed in 20% of the shoulders in the acute phase,69%in the subacute phase, and 73% in the chronic phase.In conclusion, there were increased amounts of fluid at the GHJ and BG in the acu, t eb upt haosnely a small amount at the SAB. Shoulder stiffness may be caused by contraction of the GHJ capsule which develops as the intraarticular synovitis resolves.
著者
小原 久治
出版者
富山大学日本海経済研究所
雑誌
研究年報, 富山大学日本海経済研究所 (ISSN:03851958)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.39-99, 1993-03

この小論の目的は,地場産業・産地とその産地中小企業の活動が地域経済といかなる経済的連関を持ち,地場産業・産地の再生や振興,ひいては地域経済の発展にいかなる役割を果たしているかについて明らかにしようとすることである。その場合,産業組織論や中小企業論の分析方法を地場産業・産地の現状分析と政策分析に適用して方法論的叙述を試みるとともに,代表的な地場産業・産地への実地踏査に基づく具体的事例を示すことによって明らかにしようとした。
著者
諏訪 春雄
雑誌
調査研究報告 (ISSN:09196536)
巻号頁・発行日
no.37, pp.22-36, 1992-03-01

上田秋成の名作『雨月物語』「蛇性の婬」の女主人公真名児は蛇の身でありながら、人間の男性に恋し、姿を変え、形を変えて付きまとうが、最後には紀伊国の道成寺の法海和尚の法力によって退治されてしまう。そこには蛇を忌避して、蛇と人間との恋愛など許されるはずもないとする仏教的な畜生観が反映している。このような蛇を忌避する思想はこの作の典拠となった中国明代の白話小説にもはっきりとあらわれており、秋成はその思想に共鳴して、自作に取り入れている。しかし、中国の江南地方には紀元三世紀のころまで呉、越の国が栄えており、ことに越の人々は蛇を祖神としてあがめていた。臼蛇と人間の若者との恋を主題とする白蛇伝や同じく蛇と人間との愛をあっかった蛇郎伝説などは、この越の人々によって生み出され、かれらによって中国全土にひろめられていった。それらの伝承の世界には知識人の手になる白話小説などには見られない蛇に対する崇拝の情がある。この江南の蛇信仰は呉、越の人々の日本移住とともに日本へも伝えられた可能性が強い。縄文から弥生にかけての時代に行われていた蛇巫は現在も江南の地に存在するし、中国の蛇郎伝説は日本の蛇婿入りの昔話となり、「蛇性の婬」に結晶した白蛇伝もかなり早い時期に中国から輸入され、昔話の世界で日本的に変容していたとみることができる。