著者
渡辺 守邦
出版者
実践女子大学
雑誌
實踐國文學 (ISSN:03899756)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.1-18, 2010-10-15
著者
粟沢 尚志 Takashi Awasawa 千葉経済大学 CHIBA KEIZAI UNIVERSITY
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.41-56,

本稿は、マイケル・ポーターの展開したポジショニング理論を福祉国家に応用し、福祉国家を取り巻く外部からの脅威と政府の能力を相互比較した上で、福祉国家がとるべくポジションの選択(つまり戦略)を考察している。通常、政府は外的脅威に立ち向かうべきと考えられている。しかし政府は決して万能ではないから、脅威を最も受けないポジションを選ぶことも戦略となる。そして、戦略を策定する源となるのが福祉国家のどの部門を重視するかいう選択と地域主権の確立である。ただし、知の集積や共有化が進む中期的ポジショニングを考えると、政府がその優位性を継続させるのは容易ではない。
著者
藤原 究
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.39-41, 2018 (Released:2018-03-30)
参考文献数
7
著者
井上 瑞穂 高橋 亜由美 久保 加織
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成26年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.107, 2014 (Released:2014-10-02)

【目的】近年、生活スタイルの変化に伴って調理の簡便化が求められ、冷凍食品や総菜などが数多く販売されている。お弁当用の冷凍食品も多く、なかには自然解凍を提案する商品もあるが、解凍法による成分の違いは明らかになっていない。一方、野菜はビタミンや無機質、食物繊維の供給源として重要な食品であるが、栄養素のなかでもビタミンCは、調理中の損失が大きいことが報告されている。本研究では代表的な野菜の一つであるホウレンソウに含まれるビタミンC量の加熱と冷凍、および解凍による変化を調べた。【方法】試料には、生鮮野菜として2013年11月に岐阜県産、2013年12月と2014年4月に滋賀県産のホウレンソウを、市販冷凍食品として「ほうれん草3種のおかず」(N社製)をそれぞれ大津市内のスーパーマーケットから購入して用いた。ホウレンソウはゆでた後、醤油を添加して冷凍庫内で2週間冷凍した。解凍は電子レンジ解凍、あるいは20℃で5時間の自然解凍とした。ビタミンCはHPLCによって定量した。【結果】ホウレンソウ中の総ビタミンC量は、試料間でのばらつきが大きく、収穫時期、個体や部位による含有量の違いが大きくみられた。ホウレンソウをゆでると加熱による酸化、分解、水への溶出により総ビタミンC量は大きく減少し、醤油を添加するとさらに減少したが、冷凍による変化はあまりみられなかった。生鮮野菜から調製した冷凍品も、購入した冷凍食品もともに自然解凍よりも電子レンジ解凍の方がビタミンCの残存率が高い傾向が認められた。これは、電子レンジ解凍では内部温度の上昇により酸化酵素が失活するためと考えられ、解凍には電子レンジを用いる方が望ましいと判断した。
著者
堀野 定雄
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.Supplement1, pp.S254-S255, 2017-06-01 (Released:2017-09-07)
著者
三浦,耕吉郎
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.20, 2014-12-10

日本の原子力政策の渦中で産声をあげ,東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故以降も,その多義性と曖昧性を武器に「原発の安全神話」や「放射線安全論」を人びとの心のなかに浸透させていく役割を担ってきた「風評被害」という言葉。本稿では,「風評被害」という名づけの行為に着目しつつ,現代日本社会におけるこの語にまつわる複数の異なる用法を批判的に分析し,その政治的社会的効果を明らかにする。第1には,「風評被害」という用語が,(1)生産者側の被害のみに焦点をあて,消費者側の被害や理性的なリスク回避行動をみえなくさせている点,及び(2)安全基準をめぐるポリティクスの存在やそのプロセスをみえなくさせている点である。第2には,「放射能より風評被害の方が怖い」という表現に象徴される,健康被害よりも経済的被害を重視する転倒が原子力損害賠償紛争審査会の方針にも見出され,本来の「(原発事故による)直接的な被害」が「風評被害」と名づけられることによって,放射線被曝による健康被害の過小評価や,事故による加害責任の他者への転嫁がなされている点。第3には,「汚染や被害の強調は福島県への差別を助長する」という風評被害による差別への批判が,反対に,甲状腺がんの多発という事実を隠蔽することによって甲状腺がんの患者への差別を引き起こしている,という構造的差別の存在を指摘する。
著者
湯川 進太郎 泊 真児
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.15-28, 1999

<p>本研究は,性犯罪を促進する要因として,そうした行為を合理化する誤った信念・態度(性犯罪神話)に注目し,性犯罪神話を形成する要因として,性的メディア(ポルノグラフィ)との接触,友人・先輩との性的な情報交換,パーソナリティなどが一体どのように結びついているのかを,一般の大学生を対象に検討した.その際,性犯罪神話が実際の性犯罪行為の可能性(許容性)へどのようにつながるのかについても併せて検討した.そこで本研究ではまず,因果モデルとして, 個人内要因(性経験・交際相手・一般的性欲・パーソナリティ),性的メディア接触,友人・先輩との性的情報交換,性犯罪神話,性犯罪行為可能性という因果の流れを想定した.そして,男子大学生165名を対象に質問紙調査によって上記の変数群を測定し,重回帰分析を用いたパス解析を行った.その結果,性経験があることや一般的性欲が高いことが性的メディア(ポルノグラフィ)との接触を促し,それが身近で類似した他者である友人・先輩との性的な情報交換を介して,性犯罪を合理化する誤った信念・態度である性犯罪神話(暴力的性の女性側の容認,女性の性的欲求に関する誤認)の形成へとつながり,その結果として女性に対する犯罪的な性暴力の可能性(許容性)へと結びつくことが示された.</p>
著者
五島 寧
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.93-104, 1993-06-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
44
被引用文献数
1

本論文は, 李氏朝鮮王朝時代からの既存の都城であった「京城」(現: ソウル) が日本帝国の植民地統治下において, 物理的あるいは空間的にどのように変容したのかという点を, 街路整備の観点から明らかにすることを目的としている。植民地時代の朝鮮半島の都市建設については, 全体を総括した既存研究が存在するが, 具体的な整備の展開について平面図上での検討は省略されているため, 本研究では街路整備の面的展開を明らかにし, 土地利用の変化から街路の機能の変化を考察した。結果として, 既存大街路の, 形態に担保された機能の積極的活用と展開, 及び事業費低減の取り組みの中での既存細街路の消極的利用を示した。
著者
Themistoklis Katsimichas Tomohito Ohtani Daisuke Motooka Yasumasa Tsukamoto Hidetaka Kioka Kei Nakamoto Shozo Konishi Misato Chimura Kaoruko Sengoku Hiroshi Miyawaki Taiki Sakaguchi Ryu Okumura Konstantinos Theofilis Tetsuya Iida Kiyoshi Takeda Shota Nakamura Yasushi Sakata
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-17-1285, (Released:2018-03-30)
参考文献数
36
被引用文献数
39

Background:Research suggests that heart failure with reduced ejection fraction (HFrEF) is a state of systemic inflammation that may be triggered by microbial products passing into the bloodstream through a compromised intestinal barrier. However, whether the intestinal microbiota exhibits dysbiosis in HFrEF patients is largely unknown.Methods and Results:Twenty eight non-ischemic HFrEF patients and 19 healthy controls were assessed by 16S rRNA analysis of bacterial DNA extracted from stool samples. After processing of sequencing data, bacteria were taxonomically classified, diversity indices were used to examine microbial ecology, and relative abundances of common core genera were compared between groups. Furthermore, we predicted gene carriage for bacterial metabolic pathways and inferred microbial interaction networks on multiple taxonomic levels.Bacterial communities of both groups were dominated by the Firmicutes and Bacteroidetes phyla. The most abundant genus in both groups wasBacteroides. Although α diversity did not differ between groups, ordination by β diversity metrics revealed a separation of the groups across components of variation.StreptococcusandVeillonellawere enriched in the common core microbiota of patients, whileSMB53was depleted. Gene families in amino acid, carbohydrate, vitamin, and xenobiotic metabolism showed significant differences between groups. Interaction networks revealed a higher degree of correlations between bacteria in patients.Conclusions:Non-ischemic HFrEF patients exhibited multidimensional differences in intestinal microbial communities compared with healthy subjects.

9 0 0 0 OA 調剤術講本

著者
小林九一 編
出版者
小林九一
巻号頁・発行日
1892
著者
板口 典弘 山田 千晴
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

本研究は,空書行動が漢字構成課題に及ぼす効果を検討した。空書が科学的に&ldquo;発見&rdquo;されてから30年が経ったが,そのメカニズムは未だ解明されていない。そこで本研究では空書が認知処理に与える効果を再検討した。実験では,従来用いられてきた空書許可条件,不許可条件に加え,無関係な指運動を行う統制条件を設定した。実験1では,漢字構成パーツを同時に提示し,刺激提示時間を1秒,3秒,10秒とした。実験2では,漢字構成パーツを継時的に2秒ずつ提示した。実験3では,佐々木・渡辺(1983)と同じ刺激・提示方法・回答時間を設定し実験をおこなった。実験の結果,いずれの実験においても,空書許可条件が他の条件よりも正答数と反応時間において有意に上回ることはなかった。本実験結果は,少なくとも現代の若年者においては,空書行動が漢字構成課題に対して促進的な効果を及ぼさないことを示唆した。
著者
渡辺 勝敏 森 誠一 名越 誠 田 祥麟 清水 義孝
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.157-162, 1992-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

日本の伊勢湾周辺に局在するネコギギCoreobagrus ichikawaiは, 韓国に分布するウサギギギC. brevicorpusとの核型の相違が報告されているが, 過去にはその形態的類似性から, 独立した種としての有効性が疑われることがあった.櫛田川と田切川 (員弁川水系) 産のネコギギ32個体, および南江 (洛東江水系) 産のウサギギギ35個体について, 計数および計量的な合計18形質を比較した.その結果, 臀鰭軟条数, 鰓耙数, 体高比, 眼径比, および頭部と各鰭の大きさや形など, 多くの形質で有意な差異が認められた.さらに, 胸鰭棘前縁の鋸歯の形状や固定標本の色彩にも差異が認められた.また, 体長約50mmを越えた個体については, 両者を識別する際に相体成長をほとんど無視できることがわかった.一方, Jayaram (1966) が記載したC. okadaiは, C. ichikawaiのシノニムと判断された.
著者
北原 恵 香川 檀 小勝 禮子 金 惠信 平田 由美 ジェニスン レベッカ 児島 薫 坂上 香 水野 僚子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

このプロジェクトでは周縁化されてきた女性アーティストに焦点を絞り、ジェンダーの視点から、戦時中の女性画家の移動や、移民として国外に出た女性美術家について、包括的な調査研究を行った。研究は次の3本の柱から成る。①戦争・植民地体験と女性アーティストの実証的調査(長谷川春子、赤松俊子、谷口富美枝ら)、②東アジア圏の美術をめぐるネットワーク的移動の解明(朝鮮美術展・台湾美術展・満州国美術展など)、③現代美術における女性美術家の調査。これらの研究の成果は、「アジアをつなぐ 境界を生きる女たち 1984-2012」展や「官展に見る近代美術」展などにも生かされた。