著者
乃村 能成
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2017-DPS-172, no.17, pp.1-6, 2017-11-22

電子メールシステムは,歴史が長く枯れた技術であることから,相互運用性が高く,組織間の基本的な連絡手段として広く用いられている.電子メールで個人情報などの秘匿すべき情報を送信する際,暗号化された添付ファイルを送信し,共通鍵のパスワードを平文で別送することがよく行われている.本稿では,これをパスワード別送添付メールと呼び,パスワード別送添付メールの問題点を指摘する.また,問題点を受信側で解決する手法を提案する.提案手法は,暗号化されたメールに対応するパスワードメールとその中に含まれるパスワード文字列を効率よく発見し,パスワード解読を自動化する.さらに,提案手法を実装し,個人の電子メールシステムに組込み,運用した結果について評価する.評価では,多くのメールについて,数回のパスワード試行で解読が可能なことを示す.
著者
靹 大輔
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.257-267, 2011-12-01

[概略] 大学での出席管理に携帯電話を用いる事例は既に複数の大学で報告されているが, 教室外から欠席している学生が出席登録を行う「代返」を防止するため, 手動による工夫が行われている場合も多い。しかし受講生数が増加するとそのような手動による処理は手集計での出席管理と同じく煩雑なものとなるため, 自動で代返を防止する仕組みがあればより効率的な出席管理が行えることは言うまでもない。そこで携帯電話に組み込まれたGPS(Global Positioning System: 全地球測位システム)機能に着目し, 学生の位置情報を取得することで代返の無い精度の高い出席確認を行う事が可能であるか, 調査を行った。本稿では2011年1月に近畿大学内の特定教室から学生に携帯電話の位置情報を送信させたデータを収集し, そのデータを基に携帯電話のGPS測位が屋内において実用的なレベルで行われているかどうかを分析し, 測位情報が不正防止の切り札となりうるかどうか検証および考察を行った。 [Abstract] In university, an opportunity when a roll call administration system using a cell-phone is used increased, but the prevention of the illegal act has many problems. If roll call administration system can use the GPS function of the cell-phone, it is thought that I can prevent injustice. Therefore I really collected data of the GPS and analyzed the precision.
著者
Takeshi NOGUCHI
出版者
The Vacuum Society of Japan
雑誌
Shinku (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.488-497, 2001-05-20 (Released:2009-10-20)
参考文献数
18
著者
小玉 亮 高下 昌裕 田口 峻 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.529-532, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
9

In this paper, we propose a novel virtual reality entertainment system using a car as a motion platform. The motion platform is usually installed in special locations such as theme park since it requires large cost and space. On the contrary, by using a car as a motion platform, it is already prevalent and it can be transported easily. We developed a prototype system based on the small-sized electric vehicle. Experiment with immersive contents showed that all users responded quite positively to the experience played on a small parking area.
著者
伊藤 幸郎
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-31, 2002-09-17 (Released:2017-04-27)
参考文献数
7

20世紀末から医学界に流行したEBMは、複雑な現実世界に決定論的因果関係を求める代わりに、着目する集団に見られる諸現象の特性を確率論的な関係として明らかにする。EBMは19世紀に起こった実証主義に端を発する方法論で、帰納論理に基づいているから、その結果はだれでも納得するエビデンスとして示される。EBMは医療の標準化に役立ち、臨床医学の予言が確率的でしかないことをわれわれに自覚させるという点で意義がある。従来の機械論的生物医学とEBMとは科学的医学の車の両輪である。しかし科学は人生の価値や意味に中立的で、確率論的な予測を提供するのみである。EBMは人生にとって価値あることのために利用すべき道具なのだ。
著者
芹沢 浩 雨宮 隆 伊藤 公紀
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.405-420, 2011 (Released:2012-09-01)
参考文献数
15

エントロピーに関しては,その増減を支配する2つの重要な法則がある.外界から隔絶された閉鎖系で成り立つ熱力学の第2法則と物質やエネルギーが絶えず出入りする開放系で成り立つエントロピー生成率最大化(MEP)の原理である.前者はエントロピー増大の法則として以前よりよく知られているが,後者は近年の非平衡熱力学,複雑系研究の成果として得られた新たな知見で,社会科学の研究者の間で,その存在を知っている人はそれほど多くない.エントロピーについて深く理解するためには双方を熟知している必要があり,前者だけではエントロピーの破壊的な側面は理解できても,創造的な側面は見落とされてしまう.本論文はあまり知られていないMEP原理に焦点を当て,それを社会科学に移植する試みである.簡単な人間社会モデルによってMEP原理の基本的な考え方を説明した後に,社会現象においてもこれが機能すると仮定し,地球上に存在する社会形態の多様性とMEP原理の関連を考察する.
著者
伊藤 則之 安永 守利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edetion) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.2004-2030, 2011-12-01

プロセッサの設計では,高い動作周波数を実現するために様々な設計手法が研究され,そして適用されている.このような高性能実現のためには,アーキテクチャ設計や論理設計だけでなく,半導体上で実現する回路設計や物理設計も重要となる.プロセッサの回路設計や物理設計では,高い動作周波数をできるだけ短い期間で実現するために,マニュアル設計と自動設計が選択的に適用される.この両者を組み合わせて適用するために,すべてが自動設計であるASIC設計とは異なり,設計手法に多様性が生まれる.本論文では,実際のプロセッサ設計に適用された設計手法をサーベイし,高性能化を実現するための回路設計及び物理設計の設計フローとCADシステムをまとめる.また,最後に,今後のプロセッサ設計における設計手法の展望について述べる.
著者
橋迫 瑞穂
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.597-619, 2014-12-30 (Released:2017-07-14)

本稿は、一九八〇年代に主として少女たちの間で流行した「占い・おまじない」が、特に学校で人間関係を築くさいに生じる軋轢に対応するための手段を与えるものであったことを、少女向けの占い雑誌『マイバースデイ』を分析することによって明らかにすることを目的とする。従来、「呪術=宗教的大衆文化」のなかでも「占い・おまじない」は、少女が自身の立ち位置や周囲との人間関係を推し量りながら自己を定位する「認識のための『地図』」としての役割を担うものとして彼女らに消費されたととらえられてきた。しかし、『マイバースデイ』を詳細に分析した結果、「占い・おまじない」は、少女たちが学校生活に適応する過程に神秘的な意味を与えることで、学校を人間関係構築のための修養の場に作り変える働きを有するものであり、さらには、彼らに緩やかな共同体を形成する場を提供する働きをも担っていたことが明らかになった。
著者
佐藤 陽子 休石 千晶 千葉 剛 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.268-274, 2017-12-25 (Released:2017-12-28)
参考文献数
19

ビタミンB6はレボドパと相互作用を起こすとされているが,その具体的な摂取量は明確になっていない.そこで,レボドパとビタミンB6の相互作用に関する論文の系統的レビューにより,レボドパの薬効に影響を与える可能性が強いビタミンB6摂取量について検討した.論文は2017年8月に2つのデータベースにて検索し,11報を採択した.その結果,ビタミンB6摂取量が50mg/日以上でレボドパの薬効が減弱する可能性が高くなると考えられた.したがって,ビタミンB6欠乏がなく,かつ,レボドパとの相互作用が回避できるビタミンB6摂取量は日本人の食事摂取基準における推奨量と上限量の範囲と同等と推定された.以上より,ビタミンB6は通常食品からの摂取では特に留意する必要はなく,多量に摂取できるサプリメントや市販薬の利用に注意すべきことが示された.
著者
Takuro Okada Masahito Nakazaki Asami Funaki Mariko Kawana Masateru Ito Hirokazu Ishizuka Junko Nagai Atsushi Tanaka Ryokan Funakoshi Tadanori Sasaki
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
Iyakuhin Johogaku (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.104-110, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
11

Objective: Although generic drugs are considered bioequivalent to the original drugs, for formulations such as adhesive agents, the sensation during use (hereinafter, “sensation”) and handling characteristics (hereinafter, “handling”) are usually not investigated during the approval process.  Therefore, we established new drug evaluation criteria for transdermal adhesive agents, which included those relevant to handling and sensation, and investigated their usefulness.Methods: This study assessed four test samples: the original loxoprofen sodium 100 mg tape (hereinafter, “LX-P 100 mg”) and three generic versions considered economically acceptable by our hospital.  The formulations were evaluated based on our criteria for generic drugs.  The handling and sensation were evaluated using a questionnaire with six parameters related to sensation and seven parameters related to handling.  The enrolled subjects comprised 20 pharmacists from our hospital.  Furthermore, a parallel evaluation using loxoprofen sodium 50 mg tape (hereinafter, “LX-P 50 mg”) was performed to explore the variance in the results of each individual criterion.Results: The evaluation revealed differences between the formulations with regard to the thickness of the adhesive agent and stability after opening the package.  Various differences were observed by evaluation of the handling and sensation.  Based on the parameters used, the differences between the various formulations of LX-P 100 mg occurred in the following criteria: tactile sensation commensurate to the degree of adhesion; superficial resemblance to other agents; ease of adhesion; and ease of package opening.  For LX-P 50 mg, the differences were found in superficial resemblance to other agents and ease of liner removal.Conclusion: Our newly established criteria for the evaluation of LX-P 100 mg revealed differences between the samples, which were used to identify products with poor handling and sensation.  Thus, this study successfully demonstrated the usefulness of the criteria for the purpose of medicine selection.
著者
Tetsuya Minegaki Shota Yuzuki Rieko Hakui Naoko Fujii Miki Hamada Miki Wakabayashi Masayuki Tsujimoto Kohshi Nishiguchi
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
Iyakuhin Johogaku (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.97-103, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
8

Objective: A simple suspension method in our previous study indicated that the amount of amlodipine recovered from a Norvasc®OD tablet was decreased by simultaneous suspension of a Magmitt®tablet containing magnesium oxide, due to the increase in pH.  However, it is still unclear whether this incompatibility arises in both brand name and generic tablets because the tablets may have different additives and mechanical properties.  In this study, we evaluated the degree of incompatibility between Magmitt®tablets and a range of amlodipine besylate tablets, including original and generic versions.Methods: Twenty-four kinds of amlodipine besylate tablets were used.  Magmitt®and amlodipine besylate tablets were suspended in warm water (55°C), and 10 min or 2 h later, the amount of amlodipine in the suspension was measured by HPLC-UV.Results: For almost all tested tablets, the recovery amount of amlodipine was significantly decreased in the presence of Magmitt®, and the amount recovered varied significantly between the types of amlodipine tablets.  However, Magmitt®tablet had little effect on the recovery of amlodipine from two specific brand tablets.Conclusions: An incompatibility between Magmitt®and most types of amlodipine besylate could be observed, although the degree of incompatibility depended on the brand of amlodipine.  These results are useful for the proper use of drugs.
著者
岩田 正隆
出版者
名古屋商科大学
雑誌
NUCB journal of economics and information science (ISSN:13466097)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.141-146, 2016-03

新制度派経済学・情報の経済学に刑事政策等の知見を取り入れ、社会的制裁の効果について行い得る研究について概観する。
著者
出口 顯
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.169, pp.7-28, 2011-11-30

スカンジナビア諸国では,不妊のカップルが子供をもつ選択肢として国際養子縁組が定着している。養子はアジア・アフリカ,南アメリカの諸国を出生国としており,国際養子は異人種間養子でもあり,親子の間に生物学的・遺伝子的絆がないのは,一目瞭然である。彼らの間では,遺伝子や血縁といった自然のつながりより,日々の生活をともにしたつながりが親子の絆として大切にされている。最近の国際養子縁組においては,養子に受け入れ国の一員としてだけでなく,出生国の文化を担った人間でもあるダブルアイデンティティをもたせようという考え方が浸透している。そのような中,国際養子が不妊になり,実子ではなく養子縁組によって家族を新たに形成するとき,養子の出生国選択の理由は何によるのか,養父母になった国際養子5例の事例を紹介し,生物学的特徴の類似性が決して重要ではないことを浮き彫りにする。
著者
本堂 毅 平田 光司 関根 勉 米村 滋人 尾内 隆之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-15)

本年度は,以下の項目を中心に研究活動を行った.① 公開シンポジウム「『科学の専門知を法廷でどう扱うか?』NSW土地環境裁判所長官プレストン判事を迎えて」 科学的不定性を前提とした社会的意思決定手法に必要な要件を明らかにするためには,海外の先行例の調査・研究は有効である.オーストラリアの科学裁判において,広く採用されている手法「コンカレント・エヴィデンス」は,科学的知識における不定性を前提とした社会的制度設計である.この手法発祥の地である,NSW州土地環境裁判所長官であるプレストン判事が来日する機会を捉え,東京霞ヶ関の弁護士会館を会場に,日本の第一線で活躍する裁判官らと共に,法学者や科学者を交えて国際シンポジウムを行った.本シンポジウムには,多くの現役裁判官,弁護士,法学者,科学らが集い,科学的不定性を前提とした意思決定手法の重要性や,手法の有用性や課題などについて意見を交換し,今後,本研究で解明すべき点が明らかになった.②環境医学の臨床と不定性調査 環境医学の最前線で活躍する臨床医らとともに,臨床研究の予備研究と臨床研究倫理委員会への申請準備を行う中で,不定性と臨床研究倫理との関係について整理を行った.③巨大技術の不定性の科学史的検証研究を行い,その成果を,科学技術社会論研究第11号において発表した(平田光司).④科学教育カリキュラム開発と実践研究 科学的不定性を伝える科学教育カリキュラム開発の実践研究を東北大学の全学教育,および大学院教育の授業において行い,その成果を全学教育テキスト「自然科学総合実験」の改訂等に反映させた.⑤科学論の諸概念と科学的不定性 科学的不定性と従来の科学論との関係について,科学技術社会論研究第11号に論文発表を行った.⑥公開研究会 ①に述べたシンポジウムを公開で行うことにより行った.