著者
松澤 孝明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.701-709, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)
参考文献数
8

博士課程在籍者(一部,修士を含む)を対象とした「移転可能スキル」についての意識調査(約500人が回答)を分析したところ,専門分野7:非専門分野3で専門分野を重視する者が半数を超えた。非専門分野の能力を12種類に分け,自分に「足りない能力」と「博士課程等で身に付けたい能力」は何か質問したところ,語学力を筆頭に,プレゼンテーションやコミュニケーションなど意思疎通・伝達能力,研究計画書・プロポーザル作成能力,プロジェクト管理能力を挙げた回答が多かった。しかし,「倫理」と答えた回答は最低数であった。この結果から博士人材の「倫理」に対する関心は,他の移転可能スキルに比べて低いと考えられる。「科学活動の質の保証」が求められる今日,研究倫理教育の制度的な普及だけでなく,博士人材の意識の向上が求められている。
著者
水野 翔彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-1, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)

今月号の特集は「拡散する『図書館』」です。図書館の建物,所蔵資料,職員を指して「図書館の三要素」とすることは広く知られています。しかし,一方で巡回文庫,家庭文庫,移動図書館,緑陰図書館といった,必ずしも三要素すべてを前提としない取り組みも古くから実践されてきています。図書館を取り巻く社会や制度・政策の変化,情報技術の発展,利用者の生活や研究スタイルの変化など,変わりゆく環境の中で,どのように図書館を運営し,利用者へサービスを届けるのか。三要素すべてを前提としない「図書館」を実践する取り組みは現在もなお進化し続けています。企画の検討開始時には,移動図書館や分館など主に空間的な意味での「拡散」という観点で検討をしていましたが,エンベディッド・ライブラリアンやヒューマンライブラリーなど様々な事例を検討する中で,「図書館」という概念自体が伝統的な図書館の手から離れ,自発的に変化しつつある状況が見えてきました。本特集では,社会の中で自発的に広がり変容する「図書館」の姿を「拡散」という語であらわし,「どのように,また誰によって『図書館』は実践されうるのか」という観点の特集としました。総論では,議論のための前提として,慶應義塾大学の松本直樹先生に図書館の基本的機能や要素に関わる新たな状況について,国内外の制度上の動向とサービスの観点から整理していただきました。つづいて,十文字学園女子大学の石川敬史先生には,公立図書館による移動図書館や各種の「はたらく自動車」に関する豊富な事例から「移動する活動」の特質と可能性について論じていただきました。京都ノートルダム女子大学の鎌田均先生には北米の図書館界で活躍するエンベディッド・ライブラリアンを題材として,その背景となっている図書館環境の変化や既存の図書館サービスへの影響について述べていただきました。最後に明治大学の横田雅弘先生からは,人間が図書館資料として扱われ利用者へ貸し出されるヒューマンライブラリーの事例からその意味と効果について,またヒューマンライブラリーでの経験から「人と歴史の記憶装置」としての図書館について論じていただきました。図書館の最前線,あるいはその外側で起こりつつある様々な「図書館」の事例を通じて,読者のみなさまの考える図書館像について見つめなおすきっかけとしていただければと思います。(会誌編集担当委員:水野翔彦(主査),久松薫子,古橋英枝,長屋俊)
著者
広江 一正 富塚 常夫
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.27-31, 1965-05-30 (Released:2008-05-15)
参考文献数
21
被引用文献数
1 or 0

ホルスタイン種雄子牛6頭について,生後5ヵ月から17カ月までの間,電気刺激射精法によって毎週1回精液採取を行ない,精液一般性状検査並びに精漿成分含量の測定を行なった,その結果は次の如くであった。1.春機発動期(puberty)は生後8.5カ月であった。2.精液量が2.5ml以上になったのは生後12カ月,精子濃度が1ml中4億以上になったのは13カ月,総精子数が10億以上になったのも同じく13カ月であった。また精子生存指数が50以上になったのは11カ月であった。3.pHは生後6カ月まではアルカリ性(8.0以上)を示したが,その後次第に中性となり,10カ月以降は6.8以下となった。4.精漿中に果糖がはじめて認められたのは生後5.3カ月であった。5. 果糖および総窒素が500mg/100ml以上に,またカルシウムが19.5mg/100ml以上になったのは生後9カ月であった。酸溶性総リンが35.0mg/100mlになったのは13カ月,アスコルビン酸が6.5mg/100m,l以上になったのは14カ月であった。6. 塩素はpHと同じ傾向を示し,8カ月までは多量に存在したがその後次第に減少し,270mg/100ml以下となったのは11カ月であった。7.ナトリウムとカリウムは生後6カ月から17カ月までの間,特に増減を示さず,ほぼ同じ量を示した。8.以上の結果から綜含して,ホルスタイン種雄牛の性成熟期は生後13~14カ月と認められる。

5 5 0 0 OA 日本大辞書

著者
山田美妙 (武太郎) 編
出版者
日本大辞書発行所
巻号頁・発行日
1893
著者
松本 亮介 栗林 健太郎 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J101-B, no.1, pp.16-30, 2018-01-01

Webサービスのハードウェアコストや運用管理コストを低減するために採用される高集積マルチテナントアーキテクチャは,複数のユーザを同居させる特性上,ユーザ単位でセキュリティを担保するために,適切な権限分離を行う必要がある.そして,ホストに配置されるWebコンテンツを事業者が管理できないことを前提に,コンテンツに依存することなく基盤技術でセキュリティと性能を両立させるアーキテクチャが必要である.これまでに,実用上十分なセキュリティを担保しつつハードウェアの性能とリソース効率を最大化するための手法が数多く提案されてきた.また,マルチテナントアーキテクチャでは,ホスト間で権限分離だけでなく適切なリソース分離が行われる必要がある.リソース分離が不十分な場合,収容するホスト数が増えるにつれ,管理者により高負荷の原因となっているホストを特定し対処する作業の必要が生じ,運用管理コストが逆に増大してしまう.そのような運用上の問題の生じないリソース分離が可能なマルチテナントアーキテクチャの必要性も高まっている.更に,高集積マルチテナントアーキテクチャ採用時に,セキュリティを担保し,リソース分離を適切に行いながら,付随して生じる運用・保守に関するコストを低減させるためには,いかに運用技術を改善していくかが重要である.本論文では,Webサーバの高集積マルチテナントアーキテクチャにおいて,Webコンテンツをサービス事業者が管理できないことを前提に,高い性能とリソース効率を維持しつつハードウェアや運用管理コストを低減させるためのアーキテクチャについて,これまでの研究を概観するとともに,著者らによる最新の研究成果について紹介する.
著者
大園 隼彦 片岡 朋子 高橋 菜奈子 田口 忠祐 林 豊 南山 泰之
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.719-729, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)
参考文献数
15

日本国内において,機関リポジトリに登録されたコンテンツのメタデータは,junii2を標準的なメタデータスキーマとして,国立情報学研究所(NII)の学術機関リポジトリデータベース(IRDB)を介して広く流通している。近年の学術情報流通をめぐる国際的な状況の変化や技術的な発展に対応し,日本の学術成果の円滑な国際的流通を図るため,オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)では,junii2に代わる次世代のメタデータスキーマとして,2017年10月に「JPCOARスキーマ ver1.0」を公表した。本稿では,策定過程での議論も含め,新しいメタデータスキーマの考え方と概要を紹介する。
著者
奥山乕章 編
出版者
牧野吉兵衛
巻号頁・発行日
1881
著者
村上勘兵衛 編
出版者
村上勘兵衛
巻号頁・発行日
1876
著者
庵 功雄
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.25-39, 2012 (Released:2017-02-17)
参考文献数
16

本稿では,学会誌『日本語教育』にこれまで発表された論文のうち,「日本語」分野(「日本語」のみ,または,「日本語+教育」のみ)に属する論文798本をいくつかの観点から分析した。その結果,最も多い分野は「文法」であり,「習得」がそれに続くこと,研究分野によっては過去に盛んに発表されたものの,近年論文の数が大きく減っているものがあることなどがわかった。さらに,この分析結果を踏まえ,投稿者,査読者の双方に向けて,今後の本誌の発展のために必要だと考えられるいくつかの点についての私見を述べた。
著者
Kosuke Kiyohara Tomohiko Sakai Chika Nishiyama Tatsuya Nishiuchi Yasuyuki Hayashi Taku Iwami Tetsuhisa Kitamura
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
(Released:2017-10-28)
参考文献数
25

Background: Japanese rice cake (“mochi”) is a major cause of food-choking accidents in Japan. However, the epidemiology of out-of-hospital cardiac arrests (OHCAs) due to suffocation caused by rice cakes is poorly understood.Methods: OHCA data from 2005 to 2012 were obtained from the population-based OHCA registry in Osaka Prefecture. Patients aged ≥20 years who experienced OHCA caused by suffocation that occurred before the arrival of emergency-medical-service (EMS) personnel were included. Patient characteristics, prehospital interventions, and outcomes were compared based on the cause of suffocation (rice cake and non-rice-cake). The primary outcome was 1-month survival after OHCA.Results: In total, 46 911 adult OHCAs were observed during the study period. Of the OHCAs, 7.0% (3,294/46,911) were due to suffocation, with choking due to rice cake as the cause in 9.5% of cases (314/3,294), and of these, 24.5% (77/314) occurred during the first 3 days of the New Year. In crude analysis, 1-month survival was 17.2% (54/314) in those with suffocation caused by rice cake and 13.4% (400/2,980) in those with suffocation due to other causes. In the multivariable analysis for all-cause suffocation, younger age, arrest witnessed by bystanders, and earlier EMS response time were significantly related to better 1-month survival.Conclusion: Approximately 10% of OHCAs due to suffocation were caused by rice-cake choking, and 25% of these occurred during the first 3 days of the New Year. Further efforts for establishing preventive measures as well as improving the early recognition of choking and encouraging bystanders to call EMS sooner are needed.