著者
伊東 一郎 Ichiro Ito
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.767-796, 1982-03-30

This article presents a comparative-historical analysis of thewerewolf belief among the Slavic peoples. It concludes by advancingthe following hypothesis: that among the Slays there existed aritual transformation into wolves by the young warriors society andthat from the 10th century, after this ritual had disappeared, it wasrecalled via folkloric and ethnographic motifs, viz: (1) the werewolfbelief connected with the cult of magician and spread chiefly amongthe Western and Eastern Slays; (2) the folkloric motif of the"Shepherd of Wolves" occurred mainly among the Southern Slays;and (3) disguising as wolves by groups of young people during theWinter Ritual, which was a characteristic chiefly of the SouthernSlavs.
著者
細谷 博
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.83-93, 1982-03-05
著者
大舘 智志
出版者
アカデミスト株式会社
雑誌
academist journal
巻号頁・発行日
2017-02-10

キューバソレノドンは、真無盲腸目のソレノドン科に属している頭胴長30cm、体重500~800グラム程度の哺乳動物です。真無盲腸目とは聞き慣れない言葉かもしれません。この分類群の設定と有効性には論議がありましたが、我々の最新の研究発表により真無盲腸目が有効であることがほぼ確実となり、そこには、モグラ科、トガリネズミ科、ハリネズミ科とソレノドン科が含まれています。ソレノドン科には、キューバに生息している今回の話題のキューバソレノドンと東隣のイスパニョーラ島にいるハイチソレノドンの2種しか現存しませんが、第4期の地層からはソレノドン属の別の2種が両島より出土しています。ソレノドン類は2種しか現存していないだけでなく、生息数も少なく絶滅危惧種です。ソレノドン類は唾液に毒を持ち、また原始的な形態や特異な形状からから生きた化石や珍獣などと称されています。
著者
志賀 文哉
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Human Development University of Toyama (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.99-103, 2016-10-25

2011年3月の東日本大震災から既に5年以上が過ぎ,復興のプロセスとしては「集中復興期」から「復興・創生期間」へと移行している。「創生」の言葉には,高台移転や災害公営住宅建設を着実に進めることや福島県における帰還困難区域以外での避難指示解除を進めることなど,次の段階すなわち復興後の自立した地域を形作ることが含まれている。しかし,2015年3月現在においても高台移転が予定の半分も進んでおらず災害公営住宅も6割程度の見込みである状況から大きく前進することは難しいと考えられる(復興庁,2016)。移転や建設が可能なところはすでに着手するか完了しており,復興にかかる助成も大きく減らされるためである。また地域の自立が求められるなかで,被災地にとどまった若年層も仕事や新しい生活を求め,これを機に域外に流出することが懸念されるため,応急仮設住宅から出た後に地域にとどまる人は高齢者が中心になることも考えられる。震災前とは大きく異なる地域に居続ける人たちの健康状態や今後の希望とそれに対応する国や行政の支援のあり方に関心が寄せられている。本調査では,応急仮設住宅から災害公営住宅他の住居への転居が本格化する,震災後4年目~5年目に応急仮設住宅で生活している人を対象に,ストレス対処力および現在の暮らしぶりを調べ,その現状を明らかにするとともに,結果内容を行政と共有し今後の効果的な対応に活用してもらうものとした。