著者
溝渕 翔平 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.60, pp.1-6, 2015-05-16

本研究では提案法を用いて通常歌唱音声にグロウル系歌唱の特徴を付与した際の印象を評価した.これまでの研究よりグロウル系歌唱音声特有の物理的特徴として 「1k~4kHz の帯域強調」,「基本周波数の振動」 及び,「スペクトル形状の高速な時間変動」 が確認された.従来法である 「スペクトル形状の高速な変動」 を付与したモデルは,観察された現象を表面的に模擬するために 4 個のガウス関数を組み合わせたものであり,声質の表現や発声の機構を考慮したものでは無かった.本研究では 「スペクトル形状の高速な時間変動」 を披裂喉頭蓋の形状変化と声帯音源波形の時間変化の相互作用としてモデル化することで,グロウル系歌唱音声の特徴を付与する手法をこれまでに提案した.本稿では,従来法と提案法を変換後の歌唱音声の一対比較実験により評価した.結果をサーストンの一対比較法により分析した結果,提案法がグロウル系歌唱音声の印象を付与するのに効果的であることが示唆された.
著者
森岡 正博
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.79-104, 1990-09-30

二十世紀の学問は、専門分化された縦割りの学問であった。二十一世紀には、専門分野横断的な新しいスタイルの学問が誕生しなければならない。そのような横断的学問のひとつとして、「文化位相学」を提案する。文化位相学は、「文化位相」という手法を用いることで、文化を扱うすべての学問を横断する形で形成される。
著者
森谷 利香 池田 七衣
雑誌
摂南大学看護学研究 = Setsunan University Nursing Research
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.22-30, 2014-03

本研究は多発性硬化症(Multiple Sclerosis;MS)病者の漸進的筋弛緩法(Progressive Muscle Relaxation; PMR)による疲労への影響及び、実施上の課題を考察することが目的である。4事例を対象に2週間継続してPMRを行った。PMRは16筋群を対象とし、30分のCDで行うものである。1日目、7日目、14日目に研究者が訪問し、共に実施の後、評価を行った。それ以外は、対象者が一人で実施した。結果、全員が安全かつ適切に実施できた。そして2人の主観的疲労が低下し、日誌においても疲労が軽減したという記載があった。また2人の活力が上昇し、活動量が増加したという記載があり、疲労の改善による影響と推察された。同時に不眠や痛みが改善したとの記述があった。つまり、MSの二次的疲労の原因と考えられている不眠やストレスへの介入としてPMRが有用である可能性がある。一方で身体的QOLが標準を下回る対象者が2人いた。PMRに伴う知覚異常や身体へのネガティヴな認知との関連についての検討が必要である。
著者
古川 元也
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.180, pp.129-140, 2014-02-28

室町時代後期の都市京都を考える際に、社会的組織として重要な構成要素となるのは洛中日蓮教団(宗祖日蓮を師と仰ぐ信仰集団)である。洛中の日蓮教団は鎌倉時代後期から南北朝期に日蓮門下六老祖の一人である日朗が京都への布教を開始し、その後大覚妙実、日像の布教によって教線を拡大し、後醍醐天皇による四海唱導布教の綸旨を得てからは、四条門流を中心に諸派の離合集散を繰り返しながらも宗勢を増してゆくのである。日蓮教団は天文五年に宗門にとっての一大法難ともいうべき天文法華の乱(天文法難)に遭ったとされ、最終的には帰洛を勅許されるも一時的には洛中より追放されていた。その後も教団内部における門流の対立や和合、織田信長による天正七年の安土宗論敗北など教団内の運営は安定性を欠き、通説的理解では十六世紀後半の教団の恢復は十分にはなされなかったとされている。ところで、天文法華の乱を前後して制作されている洛中洛外図の諸本には日蓮教団系寺院が描きこまれている。従来の洛中洛外図研究ではこれら寺院の存在が景観年代の確定に寄与したこともあったが、洛中洛外図の諸本が制作依頼者の意図に基づく理想的景観を盛りこんだ工房作であることを考えれば、個別の景観年代追求はさほど意味のあることでもない。また、これら日蓮教団寺院は諸本によって差異があり、描写も一様ではない。むしろ考究すべきは、洛中より追放処分を受けた教団が描き続けられなければならない理由はどのようなものなのかであり、洛中諸本山のうちの描写される本山とそれ以外の本山に差異はあるのか、そのことはどのような社会的背景を持つのかを確定する必要があろう。本稿では、成立年代とその制作背景が確定されつつある洛中洛外図の研究成果を援用しつつ、描かれた日蓮教団諸本山が意味する点について論及したい。
著者
柴嵜 雅子 シバサキ マサオコ Masako Shibasaki
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.51-64, 2010-10-31

In Switzerland right-to-die organizations have legally helped the members to end their intolerable lives thanks to the country’s criminal code that does not outlaw assistance in suicide unless it is motivated by self-interest. The voluntary termination of one’s own life after due consideration is accepted by the general public as a personal and responsible choice. This paper, focusing on the two major institutions, Exit Deutsche Schweiz and Dignitas, first outlines the unique practice and the controversies triggered; especially by Dignitas which extends the service to foreigners. Secondly, two characteristics of the groups’ procedures are explored; those who seek help in dying are strongly advised to have their family or friends involved in the process in order to avoid a lonely death; trained volunteers, not doctors, assist in the final moment. The system can be construed as a way to reclaim “one’s own death” in a highly medicalized society.
著者
臼井 亮人 中島 武三志 菅野 由弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.184-187, 2017-09-09

近年VRの技術に注目が集まる中で、クロスモーダル現象(五感が相互に作用しあうことによって起こる現象)による錯覚が重要視されている。クロスモーダル現象に関する研究は視覚に関するものが多いが、聴覚に関しても着目することでVRの臨場感の向上やメタリアリティの発展につながるのではと考え今回の研究に取り組んだ。具体的には弾力性のある仮想物体に対するインタラクションに対して感覚を得られるか調べた。
著者
戸田 光紀 杉浦 裕太 平場 吉揮 稲見 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.317-323, 2013-09-27

本研究では,絨毯などの表面に任意の絵や文字を描画できるインタラクティブなデバイスを提案する.提案するデバイスは,絨毯を指などで一定の方向になぞる際に濃淡の度合いが異なる跡ができる現象を利用し,ドット絵のように一定の間隔で絨毯をなぞることで絨毯の濃淡差により絵や文字のパターンを出して絨毯への描画を実現する.絨毯には特別な加工を施さないため,絨毯の質感を保ちつつ,何度も絵や文字を書き換えていくことが可能となる.
著者
田中 道弘 Michihiro TANAKA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.173-181, 2005-12-01

本研究では、大学生のインターネット利用と精神的健康との関連について検討した。従来の研究では、インターネットの利用時間による問題が重要視されてきたが、本研究では、インターネット上でのモラル(インターネット・モラル尺度)という新たな基準とを合わせて検討を行った。精神的健康の基準としては、病理的傾向に基づく自己愛(病理的自己愛)、時間的展望、自己肯定感の3つの尺度を用いた。 対象は、茨城県内の大学3校(国立大学2校、私立大学1校)と埼玉県内の大学1校(私立大学)の合計4校の学生、405名に調査協力を依頼し、有効回答397票を得た(男性240名、女性157名)。年齢範囲は18歳から28歳までであり、平均年齢は、20.1歳(男性20.3歳、女性19.9歳)であった。 本研究の結果、インターネットの利用時間が121分を超える大学生群では、他群と比べ"時間的展望"と"自己肯定感"の得点が概ね低いという結果が得られたものの、病理的自己愛について有意差は確認されなかった。一方、インターネット・モラルの低い大学生群は、高群よりも時間的展望、及び自己肯定感の各平均得点が低く、病理的自己愛の平均得点が高いことが示された。 これらのことから、大学生のインターネット利用と精神的健康との関連を検討する際に、インターネット・モラルは精神的健康と深く関わりがあるとともに、インターネット利用者の精神的健康に関する一つの基準となりうることが示唆された。
著者
青山 米蔵
雑誌
白鴎女子短大論集 = Hakuoh Women's Junior College journal (ISSN:03874125)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1/2, pp.144-188, 1983-10-01
著者
五十嵐 大介
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.75-102, 2009-06

During the Mamluk period, powerful figures, especially the Mamluk military aristocracy, began to convert their private property into waqfs (Islamic religious endowments) for the purpose of securing the endowers’ private sources of revenue. The growth of the so-called “self-benefiting” waqf, that is、 a waqf earmarked for the endowers themselves as the main beneficiaries of the revenue earned from the waqf, reflected such circumstances. This article attempts to show the realities behind the “self-benefiting waqf,” examining 1) the ways by which endowers could include themselves as waqf’s beneficiaries, 2) the social stratum of such endowers, 3) the size of the waqfs in question, and 4) stipulations providing for beneficiaries after the death of the endowers contained in waqf deeds.Theoretically, the three schools of Islamic law, except the Hanafi school, denied the legitimacy of the “self-benefiting waqf,” however, in reality, the practice became widespread in both Mamluk Egypt and Syria. There were three methods by which waqf endowers could include themselves as beneficiaries. The first was to expend all earnings from the waqf’s assets on the endower himself; the second was to expend the surplus from waqf earnings after expenditures on the maintenance of waqf-financed religious or educational institutions, salaries and other compensation for the staff, etc; and the third was to divide waqf earnings between the endower and his charitable activities.Among the three methods, the first was the most popular, no doubt because it was a way by which the endower could benefit most directly from his waqf. In this ease, anyone who donated his private property as waqf, which involved the abandonment of all rights of ownership over it, could, nevertheless, continue to oversee the endowed property and pay himself compensation as the waqf’s controller (nazir). It can be said that there was no change in the de facto relationship between the property and its “ex”-owner before and after the endowment was made. In short, the “self-benefiting waqf” of this type could be seen as a way of securing the actual “possession” of one’s estate against such emergency circumstances as sudden political upheavals, sudden death by natural disaster, outbreak of war, or political intrigue, situations under which the subsequent confiscation of property could have occurred at any moment.
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学
巻号頁・発行日
2018-09-28

平成30年度