著者
小川 晃一 小柳 芳雄 伊藤 公一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J84-B, no.5, pp.902-911, 2001-05-01

本論文では,人体腹部に近接した150 MHz帯ノーマルモードヘリカルアンテナについて,有能電力に基づいた放射効率を新たに定義することによって,インピーダンス不整合及びアンテナ自身の抵抗による電力損失を考慮した取扱いをし,アンテナの長さやアンテナと人体の距離によって生じるアンテナの実用状態における実効的な放射効率の変化を解析的に求めた.更に,各部の損失電力を求めることによって放射効率低下をもたらしている要因分析を行い,効率低下のメカニズムを明らかにするとともに,その結果に基づいて人体近接時の放射効率改善の可能性について検討した.その結果,人体近傍における放射効率は-20 dB以下になること,その主要な要因はインピーダンス不整合損失であること,人体近接時に常に共役整合の状態を保つことによって10 dB以上の放射効率の改善が可能であることを示した.更にこれらのことを実験的に確認した.
著者
菅野 正嗣 西田 竹志 宮原 秀夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:03736091)
巻号頁・発行日
vol.J70-A, no.2, pp.278-288, 1987-02-25

地上回線と衛星回線とが結合された,大規模な地上/衛星系通信ネットワークシステムを設計するにあたって,従来様々な手法が提案されてきたが,これらの手法では対象とするネットワークの大きさや,設計時における制約条件が非常に限られていた.そのため,得られた解が現実性に乏しいという欠点を持っていた.そこで本論文では,制約条件としてネットワーク性能基準の他に,実際に構築する際に生ずる様々な制約条件をも考慮して,構築費用が最小となるネットワークシステム形態を発見的手法によって得るためのアルゴリズムを提案した.更に,このアルゴリズムによって実際にネットワークシステムを設計し,アルゴリズムの妥当性を示した.また,得られたネットワークシステムにおいて,トラヒック量が増加したり,地上局や地上回線などのネットワーク構成要素の費用が低下した場合,どのようにネットワーク形態を変更すべきかを示した.
著者
矢野 正基 大賀 隆裕 大西 正輝
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J102-D, no.2, pp.34-52, 2019-02-01

深層学習の分野はAlexNetの登場により画像識別精度が大幅に向上して以来,毎日のようにarXivに新たな手法が提案されるなど発展のスピードは著しい.しかし深層学習は学習に膨大な計算時間を必要とし,更なる精度向上のためには多くのハイパパラメータやData Augmentationなどを調整しなければならない.本論文では深層学習を用いた画像識別タスクにおける識別精度を向上させるためのテクニックとしてData Augmentation,学習率スケジューリング,アンサンブル手法に注目し,サーベイを行うとともに網羅的な検証実験を行うことで,できるだけ多くの知見を読者と共有することを目的としている.最後に特に精度向上に貢献したものを選択し,複合実験を行うことで定量的に評価を行い,今後の展望を述べる.
著者
Yoshinao ISOBE Hisabumi HATSUGAI Akira TANAKA Yutaka OIWA Takanori AMBE Akimasa OKADA Satoru KITAMURA Yamato FUKUTA Takashi KUNIFUJI
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.E102-A, no.2, pp.325-335, 2019-02-01

This paper presents a formal approach for generating train timetables in a mesoscopic level that is more concrete than the macroscopic level, where each station is simply expressed in a black-box, and more abstract than the microscopic level, where the infrastructure in each station-area is expressed in detail. The accuracy of generated timetable and the computational effort for the generation is a trade-off. In this paper, we design a formal mesoscopic modeling language by analyzing real railways, for example Tazawako-line as the first step of this work. Then, we define the constraint formulae for generating train timetables with the help of SMT (Satisfiability Module Theories)-Solver, and explain our tool RW-Solver that is an implementation of the constraint formulae. Finally, we demonstrate how RW-Solver with the help of SMT-Solver can be used for generating timetables in a case study of Tazawako-line.
著者
Shinichi MOGAMI Yoshiki MITSUI Norihiro TAKAMUNE Daichi KITAMURA Hiroshi SARUWATARI Yu TAKAHASHI Kazunobu KONDO Hiroaki NAKAJIMA Hirokazu KAMEOKA
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.E102-A, no.2, pp.458-463, 2019-02-01

In this letter, we propose a new blind source separation method, independent low-rank matrix analysis based on generalized Kullback-Leibler divergence. This method assumes a time-frequency-varying complex Poisson distribution as the source generative model, which yields convex optimization in the spectrogram estimation. The experimental evaluation confirms the proposed method's efficacy.
著者
大内 一成 小林 大祐 中洲 俊信 青木 義満
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.941-951, 2017-12-01

近年,スポーツ界ではICTを活用したトレーニング,戦術分析の導入が進んでおり,画像認識技術を用いた試みも行われているが,ラグビーでは試合に出場する選手の数が1チーム15人と多く,接触/密集プレーが頻繁に発生するため,画像による分析は技術的にハードルが高く,これまで積極的に取り組まれていない.筆者らは,特徴量設計方式によるボール検出/追跡と,ディープラーニング方式による選手検出/追跡を行うハイブリッド型映像解析により,一つのカメラ映像からボール/選手の移動軌跡を精度良く二次元フィールド上にマッピングする技術を開発した.また,ディープラーニングによる自動的なプレー分類を行い,これまで人手で行われていた主要プレーのタグ付け作業の自動化を検討した.本技術は,ラグビーに限らず様々なスポーツへの活用が可能である.
著者
竹上 健 後藤 敏行 大山 玄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J86-D2, no.2, pp.252-261, 2003-02-01

赤外線眼球運動観測装置などで観測された,頭部とカメラの相対位置が変化しない眼球画像において,瞳孔像を高精度に検出する手法について提案する.眼球の形状を球,瞳孔の輪郭を円とみなすと,瞳孔は眼球の動きに伴って見えの形状が楕円となる.この楕円形状をした瞳孔像の検出精度を高めることで安定した視線方向検出が可能となる.楕円を検出するには様々な手法が提案されており,その一つとしてハフ変換がある.ハフ変換は雑音や隠蔽などの影響を受けにくいという特徴を有しているが,一般の楕円検出では,決定すべきパラメータの自由度は5次元となるために,演算量やメモリ要求量が問題となる.一方,瞳孔は眼球中心を基準として回転するために,観測される瞳孔像は一般の楕円形状とならずに,眼球中心からの位置と方向に依存する.本論文では,この拘束条件を利用して,高精度に瞳孔を検出するための眼球モデルをベースとしたアルゴリズムについて述べる.そのアルゴリズムでは,システム全体の処理効率を考慮して,まず複数の観測画像からエッジに基づく楕円フィットによる瞳孔の初期検出を行い,それらの結果に基づいて眼球モデルのパラメータを推定する.その後,その眼球パラメータに基づいてハフ変換を行うことにより,瞳孔輪郭を高精度に再検出する.実験の結果,瞳孔輪郭検出の精度と安定性が向上しており,提案手法が有効であることが確認できた.
著者
伴野 明 岸野 文郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J75-D2, no.5, pp.861-872, 1992-05-25

顔の向きや視線の検出を将来のインタフェースの基本機能と位置付け,これらを画像処理を用いて検出するアルゴリズムを開発した.この手法では,利用者の頭部の自由な動きを許容し,また,注視点検出に必要なパラメータ(眼球中心位置)を推計により求める際,利用者に提示する指標数を少なくして使いやすくすることをねらいとしている.まず,顔の3点と瞳孔の空間位置をステレオ画像計測により求める.次に,利用者が指標を注視しているときのこれら特徴点の位置情報を用いて,眼球中心を推計し,これと瞳孔を結ぶ線を視線と近似して求める.本アルゴリズムの検出精度に影響する要因としては,ステレオ画像計測の精度,固視微動,および推計時の指標提示方法などが考えられる.そこで,これらをパラメータとして,眼球中心推計精度,注視点検出精度を計算機シミュレーションにより求めた.眼球中心の推計では,指標パターンの寸法と指標の提示回数が精度に大きく影響する.眼を大きく回転させる5点程度の指標パターンを用いると,精度の良い推計ができる.特徴点の位置計測誤差と注視点検出精度との関係についても求め,モデル実験の結果と比較した.
著者
竹上 健 後藤 敏行 大山 玄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J84-D2, no.8, pp.1580-1588, 2001-08-01

赤外線眼球運動観測装置などで観測した頭部とカメラの相対位置が変化しない眼球画像を対象として,被験者に特定の指標を固視させるキャリブレーションを回避し,入力の時系列画像だけを用いて自動的にキャリブレーションを進める簡便かつ高精度な視線方向検出法を提案する.カメラとの相対位置が変化しない眼球画像には,瞳孔の中心座標と扁平率という視線方向を推定するための二つのキューがある.本手法は,絶対方向の推定が可能であるが検出精度や安定性に問題がある扁平率の情報を複数の画像フレームにわたって観測することにより,眼球の回転半径や回転中心などの眼球パラメータを校正することで,安定な視線方向検出を可能にするものである.実際の眼球画像を用いて評価実験を行った結果,偏平率に基づく視線方向の推定と比較して高精度な計測が可能になり,本手法の有効性を確認した.
著者
Yuichi KAWAMOTO Hiroki NISHIYAMA Nei KATO Naoko YOSHIMURA Shinichi YAMAMOTO
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E97-D, no.10, pp.2568-2575, 2014-10-01

The recent development of communication devices and wireless network technologies continues to advance the new era of the Internet and telecommunications. The various “things”, which include not only communication devices but also every other physical object on the planet, are also going to be connected to the Internet, and controlled through wireless networks. This concept, which is referred to as the “Internet of Things (IoT)”, has attracted much attention from many researchers in recent years. The concept of IoT can be associated with multiple research areas such as body area networks, Device-to-Device (D2D) communications networks, home area networks, Unmanned Aerial Vehicle (UAV) networks, satellite networks, and so forth. Also, there are various kinds of applications created by using IoT technologies. Thus, the concept of the IoT is expected to be integrated into our society and support our daily life in the near future. In this paper, we introduce different classifications of IoT with examples of utilizing IoT technologies. In addition, as an example of a practical system using IoT, a tsunami detection system (which is composed of a satellite, sensor terminals, and an active monitoring system for real-time simultaneous utilization of the devices) is introduced. Furthermore, the requirements of the next generation systems with the IoT are delineated in the paper.
著者
井手 秀徳 栗田 多喜夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.8, pp.1110-1119, 2018-08-01

ReLU活性化関数は,その微分が消失しないことから,最急降下法に基づくパラメータの学習が効果的に行えることが知られており,Convolutional Neural Network (CNN)でも良く利用されている.しかし,学習が進むとReLUの出力が必要以上に大きくなってしまう傾向がある.ある層のあるニューロンの活性化関数の出力が大きくなると,それ以降の層に対してバイアスとして働き,Networkに悪影響を与えることが知られている.このことから,活性化関数の出力は平均0に近づけると汎化性能が向上することがわかっている.有名なものでは,L1正則化などの重みに対する正則化やBatch Normalization,ELUなどの活性化関数が知られている.本研究では,それらの代わりにReLU活性化関数の入力に対するスパース正則化を用いる手法を提案する.活性化関数の入力に対するスパース正則化は,学習の過程でReLU活性化関数の入力を0に近づける効果をもつ.これにより,ReLU活性化関数の欠点をある程度抑制することができ,特徴表現をスパースにすることができる.
著者
福井 範行 武 啓二郎 岡村 敦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J101-B, no.12, pp.1083-1092, 2018-12-01

第5世代移動通信システムでもDual Connectivityが想定され,セカンダリ基地局はビームフォーミングを適用することが考えられる.端末がセカンダリ基地局を切り替えるとき,切替先セカンダリ基地局が端末で特定した1ビームのみを用いて接続動作を行うと,端末移動のため,接続確立に失敗する可能性が高くなる.そこで特定ビームに加え,その隣接ビームも同時使用して接続動作を行うビーム制御を提案する.提案の複数ビーム利用接続確立方式により,特定ビームのみを用いる場合に比べ,端末移動速度30 km/hのときにセカンダリ基地局の切替失敗率を63%以上改善できることを簡易モデル解析とシミュレーションで示している.
著者
Sonu JHA Subhadeep BANIK Takanori ISOBE Toshihiro OHIGASHI Santanu SARKAR
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.E101-A, no.11, pp.1869-1879, 2018-11-01

In this paper we present proofs for the new biases in RC4 which were experimentally found and listed out (without theoretical justifications and proofs) in a paper by Vanhoef et al. in USENIX 2015. Their purpose was to exploit the vulnerabilities of RC4 in TLS using the set of new biases found by them. We also show (and prove) new results on couple of very strong biases residing in the joint distribution of three consecutive output bytes of the RC4 stream cipher. These biases provides completely new distinguisher for RC4 taking roughly O(224) samples to distinguish streams of RC4 from a uniformly random stream. We also provide a list of new results with proofs relating to some conditional biases in the keystreams of the RC4 stream cipher.
著者
硴崎 賢一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J75-D1, no.4, pp.241-250, 1992-04-25

本論文では,コンパイラの最適化手法をインタプリタに適合させ,処理速度とメモリ効率を向上させたPROLOGインタプリタの構築法について述べる.このインタプリタでは,インデキシング,レジスタ割当ての最適化,環境生成の抑制などの最適化手法を取り入れることによって性能の向上を図っている.例えば,インデキシングは,述語を動的と静的の2種類に分類し,この分類に基づいて行う方式を提案している.また,組込み述語の特性を利用することによって,複合項の構造複写を抑制し,処理速度とメモリ効率を大幅に向上させることができる最適化方式を提案している.この方式は,インタプリタだけでなくコンパイラにも導入できるため,PROLOG処理系の一般的な手法として広く利用できるという特長がある.試作した処理系では,RISCワークステーション上で従来のインタプリタの4倍程度の40 K LIPSの処理速度が得られると共に,メモリ効率が大幅に向上することを確認した.
著者
上田 祐彰 大内 大輔 高橋 健一 宮原 哲浩
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J86-D1, no.9, pp.691-701, 2003-09-01

大学を対象とした時間割作成問題への遺伝的アルゴリズム(GA)の適用について考察する.本論文で対象とする問題は,授業の時間割表への配置と各授業で使用する教室の割当ての双方を扱い,実施可能かつ教員の要望を充足した時間割表の導出が目的である.実施可能な時間割表を効率的に探索する手法として,授業の時間割表への配置を扱う遺伝子操作と教室の割当てに関する遺伝子操作を分割して実施する手法(分割GA)が提案されているが,様々な規模,複雑さをもった問題に対して分割GAが有効であるか否かは検証されていない.本論文では,分割GA,単純GAを応用した手法(SGA),授業の時間割表への配置を決定した後に教室の割当てを行う手法(逐次GA),教室の割当てを行う代わりに授業配置に対して適切な教室の割当てが行えるか否かを検査する手法(SGA2),焼なまし法を応用した手法(SA),及びタブサーチを応用した手法(TS)の6手法を実装し,比較実験を行った.時間割作成問題生成プログラムによって生成された問題と現実の時間割作成問題とを用いた実験の結果,ほとんどの問題に対してSGA2が良好な結果を導出できることが示された.また,授業の開講率が高い問題に対しては分割GA,問題の規模が大きく複雑性の高くない問題に対しては逐次GA,規模が小さく制約条件の多い問題に対してはSAが適していることも示された.
著者
佐藤 誠 平田 幸広 河原田 弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J74-D2, no.7, pp.887-894, 1991-07-25

計算機上での3次元形状モデリングを効率よく行うためのヒューマンインタフェースを実現するには,実際の3次元物体と同じように形状モデルを直接に操作できるような環境を構成することが必要である.このような環境を仮想作業空間と呼ぶ.人間が手を用いて物体を操作する場合,視覚や触覚・力覚などの感覚を無意識のうちに用いている.仮想作業空間を構成するためには,これらの感覚情報を人間に対して統合的に与えることが重要である.そしてこれらはすべて計算機処理により人工的に生成する必要がある.以上のことに基づき,本論文では,仮想作業空間を構成するために必要な入出力装置として,空間インタフェース装置SPIDARを新たに提案する.この装置は,指先の位置情報を得ることができると共に,指先に力覚情報を与えることができる.このSPIDARを用いて3次元形状の生成・加工のための仮想作業空間を構成する.そして,この仮想作業空間での3次元形状の直接操作性に対する力覚情報の効果を調べる実験を行い,その有効性を確認する.
著者
鈴木 誠 長山 智則 大原 壮太郎 森川 博之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.952-960, 2017-12-01

実用化に向け行き詰まりを見せていたマルチホップ無線センサネットワークが,同時送信フラッディング(CTF)のもたらした強烈なインパクトにより,全く新たな技術に生まれ変わろうとしている.筆者らは,CTFが提案された当初からその重要性を認識し,全ての通信をCTFで行うセンシング基盤Chocoの開発を進めてきた.また,実フィールドにおけるCTFの有用性を明らかにするため,社会的要請の強い橋梁モニタリングシステムをChocoを利用して開発し,実橋梁において10台〜70台といった規模で実証をも進めてきた.本論文では,CTFが無線センサネットワークにもたらした変化について論じるとともに,CTF利用型センシング基盤Choco,及びChocoを用いた構造モニタリングシステムの開発について述べる.また,実証実験から得られた「シンクノードも含めノードの移動に頑健なため設置が簡易である」「中継ノードを増やせば繋がるため無線に対する深い知識がなくても構築できる」といったCTFの運用時における特性についても示す.
著者
熊谷 匠純 菊地 拓翔 澤 信吾 加藤 菜美絵 関 良明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.10, pp.1438-1442, 2018-10-01

情報システムのユーザ認証に用いるパスワード等を学生間で共有する事例が散見される.大学生にはISMSによる内部統制が効きにくいことが原因と考えられる.本論文では,質問紙調査により,友人関係が情報セキュリティ行動に与える影響を調査する.
著者
畑島 隆 谷本 茂明 金井 敦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.10, pp.1414-1426, 2018-10-01

インターネットが社会基盤として重要になるにつれ情報セキュリティ対策の重要性が増し,内容も複雑化・高度化している.しかし,これら対策が複雑化し過ぎた場合,却って利用者のセキュリティ意識を低下させる恐れがある.米国国立標準技術研究所(NIST)からもSecurity Fatigue(情報セキュリティ疲れ)が提唱され,情報セキュリティ対策の実施によって生じる疲れが述べられている.一般に,情報セキュリティ疲れは全てのICT利用者に発生し得るものであり,この疲れに陥ることでセキュリティ対策の効果が抑止されることが課題である.本論文では,情報セキュリティ疲労対策の核となる情報セキュリティ疲労度測定を質問紙調査により実施する手法を提案する.具体的には,一般的な燃え尽き症候群(バーンアウト)の測定手法を援用した質問紙作成と大学生に対する調査実施により,「回避願望」,「消耗感」,「当事者意識」の下位尺度による13項目の質問からなる情報セキュリティ疲労度調査法を具現化した.更に,評価として新たに作成した質問紙調査により消耗感について男女別の尺度得点の平均値に1%水準で有意な差が見られることを示した.
著者
山根 克 谷江 博昭 中村 仁彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J90-D, no.8, pp.1938-1947, 2007-08-01

本論文では,再帰反射性のテープをメッシュ状に組み合わせたものを複数のカメラから観測した画像を用いて,三次元形状データを再構成する方法を提案する.メッシュの各交点をマーカとみなすと,従来の球状マーカと比べて計測点数を10倍以上に増やすことが可能となる.受動光学式モーションキャプチャではマーカの密度が高くなると三次元再構成が困難になるが,本研究ではマーカ間の結合情報を利用することにより三次元再構成のための計算を高速化し,誤認識を減らす.実験により,メッシュマーカを使うと計測点数が約400個あるときにも15 fpsでのリアルタイム計測が可能であることを示す.この技術により,人間の運動中の身体や衣服の形状変化が計測できるようになる.また,マーカが突起物とならないため運動に対する拘束がなく,転倒時における安全性も高い.