著者
田尾 龍太郎 難波 梓 山根 久代 冬廣 吉朗 渡邊 毅 羽生 剛 杉浦 明
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.237-240, 2003 (Released:2008-02-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1 5 1

ウメ(Prunus mume Sieb. et Zucc.)の大多数の栽培品種は,S-RNaseが関与する配偶体型自家不和合性を示す.ウメには,自家和合性品種も存在しており,これらの自家和合性品種は自家和合性形質の分子マーカーとして利用可能なS-RNase遺伝子(Sf-RNase遺伝子)を持つことが報告されている.本研究では,このSf-RNase遺伝子を特異的にPCR増幅するためのプライマーセットを開発した.‘剣先’からSf-RNase遺伝子の部分配列をPCRクローニングし,その塩基配列を決定した.Sf-RNase遺伝子のイントロン部位の塩基配列よりセンスプライマー(Ken2)およびアンチセンスプライマー(PM-R)を設計し,いくつかのウメ品種を用いてその有効性を検討したところ,Sf-RNase遺伝子をもつ品種でのみ増幅がみられた.今後このプライマーセットをウメの自家和合性品種の育種に利用することによって,育種にかかる時間と労力を大幅に軽減できると思われる.
著者
渡辺 光太郎 吉川 勝好
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.948-949, pp.257-260, 1967 (Released:2006-10-31)
参考文献数
12
被引用文献数
2 8

ヤマザクラPrunus jamasakura•エゾヤマザクラP. sargentii•オオシマザクラP. lannesiana var. speciosa•イトザクラP. subhirtella var. pendulaおよびソメイヨシノP. yedoensisには, いずれも自家不和合の性質があることがわかった. ソメイヨシノは自家•他家受粉とも種実を形成しない. この植物の結実は他種のサクラとの交雑の結果と見てまずあやまりがない.われわれは多年同一地域の, ほゞ同じ環境下にある16本のヤマザクラについて調査し, 開花状態や花• 葉などの諸形質に顕著な個体差のあることを認めた. 自家不和合性は, このような著しい変異を生ぜしめた一因であると考えてよかろう.
著者
Shin'ichi Shiraishi
出版者
一般社団法人 情報処理学会
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.34-45, 2013 (Released:2013-01-15)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

This paper presents two different model-based approaches that use multiple architecture description languages (ADLs) for automotive system development. One approach is based on AADL (Architecture Analysis & Design Language), and the other is a collaborative approach using multiple languages: SysML (Systems Modeling Language) and MARTE (Modeling and Analysis of Real-Time and Embedded systems). In this paper, the detailed modeling steps for both approaches are explained through a real-world automotive development example: a cruise control system. Moreover, discussion of the modeling steps offers a qualitative comparison of the two approaches, and then clarifies the characteristics of the different types of ADLs.
著者
工藤 貴也
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.525-544, 1988-07-25
被引用文献数
5 2

歯科材料により細胞増殖に影響を受けた細胞の回復の観点から細胞毒性をしらべるべく, 歯科用非貴金属合金の6組成金属元素(Co, Cr, Ni, Ti, Cu, Fe)について4種類の細胞を培養した.細胞増殖度, 浸漬液のpH値および溶出金属量をしらべると共に, SEMによる細胞形態観察もあわせて行い, 以下の結論を得た.1)Eagle MEMならびにDulbecco's modified Eagle mediumでは, 最も多量にCuの溶出が認められた(100ppm以上).ついで溶出量はCo, Ni, Fe, Crの順に少なくなり, Tiは検出できなかった.2)L-929細胞, HeLa S3細胞, HEp-2細胞, Gin-1細胞の細胞増殖度実験の結果から, Cu, Co, Niの順に細胞毒性は低減し, Cr, Fe, Tiではほとんど細胞毒性が認められなかった.3)L-929細胞, HeLa S3細胞, HEp-2細胞の細胞回復度実験の結果から, 6種類の金属とも細胞増殖度実験と同様の結果を示したが, これに反してGin-1細胞ではCoならびにNiで強い細胞毒性が認められた.4)SEM観察では, Cu, Co, Niは細胞に対して強い障害像を示した.これに反して, Cr, Fe, Tiでは細胞形態観察でもほとんど障害は認められなかった.以上の実験結果から, 細胞回復度からみたデータが歯科材料を含むバイオマテリアルの細胞毒性に関して多面的な情報提供の可能性が示唆された.
著者
福島 忠男 井上 勇介 早川 徹 岡畑 恵雄 土井 豊 武田 昭二 川口 稔 大野 純 豊田 美香
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

サケ由来DNAとポリカチオン(キトサン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリリジン、プロタミン)からDNA/ポリカチオン複合体を合成し、インジェクション型スキャフォールド材の素材としての有効性を検討した。DNA/キトサンおよびDNA/プロタミン複合体が流動性に優れていた。また、炭酸アパタイトを添加しても流動性があり、骨形成能も示したのでインジェクション型スキャフォールド材の素材として有望と考えられた。
出版者
東京法學院
巻号頁・発行日
1895
著者
池田 真利子
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

平成26年度は①H25年度までに調査したシュプレー沿岸域における開発計画のその後の展開に関する調査,②新選定調査地である旧西ベルリン市ノイケルン地区における調査を行った.まず,ベルリン市はEU域におけるドイツの経済・政治的中枢化に伴い,リスクの低い投資先として注目され,特に住宅を含む土地価格が地域的に偏在性を示しつつも上昇傾向にある.メディアシュプレ-計画はこうした開発動向に先駆けて,河岸域の開発特性をメディア関連産業の集積誘致と特色付けることにより,地域の全体的な開発を期待したものであった.しかし実態としては,旧市有地等の売却促進であり,必ずしも市民が望む開発ではなかったことが大きな市民運動の発生と区投票の開催をもたらした.また,旧東西境界域に属する同地域では,統一前後より以下2点の要因からアーティスト・市民主導による文化・創造的利用が積極的になされていった.1点目は旧東西境界域であるために,歴史的建造物や産業・工業遺産群が未修復の状態で残存していた点,2点目は第二次大戦後すぐに旧東独領に位置したため地権の所在が不明確であった点である.こうした状況下において,1990年後半以降には一時的な土地利用形態としてテンポラリーユースが利用されていったが,こうした文化創造的な場所性は観光産業振興においても積極的役割が期待され,2014年には一部地域において同計画が見直されることとなった.一方,ベルリン市インナーシティ地区の構造再編は,旧西独地域へと及びつつあり,当該年度は中でもノイケルン地区北東部ロイター街区におけるアーティスト,小売店事業主(商業,サービス業)を対象に経営形態や開設年,立地選択理由等に関する聞取り調査を行った.その結果,ロイター街区の改善過程においてアーティストは,カフェ・バーなどの集積を誘発している点において地域改善を促しているということが明らかとなった.
著者
細羽 竜也 金子 努 越智 あゆみ
出版者
県立広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は,若年層の精神科医療へのアクセスの実態を明らかにし,支援プログラムを作成することであった.大学生の精神科医療への態度を検討したところ,そのイメージは否定的であり,専門性の高さには期待が高いが,家族や友人にくらべると利用には回避的であった.また,相談支援の場で共感性が低い対応を受けると開示意欲が低下することもわかった.最後に支援プログラムを評価させたところ,支援についての自己決定が尊重れることが精神科医療へのアクセスを高めるために重要であることが示唆された.
著者
中澤 高清
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.63-77, 1982

In view of the importance of the global increase in atmospheric CO<sub>2</sub> for climatic change, extensive studies have been made on the concentration of atmospheric CO<sub>2</sub>. In this paper, the results obtained from these studies are summarized together with those of our own measurements. Methods for measurement of the atmospheric CO<sub>2</sub> concentration by infrared absorption techniques are also described.
著者
北野 康
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.59-62, 1982

It was reported that since 1850 human activities have increased the CO<sub>2</sub> content of the terrestrial atmosphere from 290 ppm to slightly more than 330 ppm. It is thought that the CO<sub>2</sub> content would reach twice the current CO<sub>2</sub> content by the year 2020 and at that time there will have been a rise in the average air temperature of about 2℃. This has produced a serious fear that a climatic change will occur and reduce some of the present granary regions to rather arid areas. Thus atmospheric CO<sub>2</sub> studies should be one of the most urgent research subjects internationally. Y. Kitano has organized the research group on "The cycle of carbon dioxide through the phases of the atmosphere, hydrosphere and biosphere" in connection with the atmospheric CO<sub>2</sub> problem, sponsored by the Ministry of Education in Japan as a Special Project Research on Environmental Sciences. It is happy to show the results obtained by some members of the research group here.
著者
古川 雅子 久保 博子 岡田 愛理 安岡 絢子 杉崎 智子 竹谷 伸行
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.36, pp.71-74, 2012-11-21

本研究の目的は、オフィス空間において省エネルギーかつ快適な温熱環境を作り出すために、実際のオフィスにて実測調査及び執務者にアンケートを実施し、執務者の温熱的快適性を検討することである。オフィス6ヶ所にて、2011年12月~2O12年3月に温湿度・風速・グローブ温度の実測調査及び、執務者に温熱環境評価アンケートを実施した。その結果、執務時間の温湿度はおよそ20~23℃、40%に制御されていた。上下温度分布は、0.1mと1.1mではおよそ2~4℃の温度差があった。快適とされている範囲においても、執務者は、寒い・不快側の申告をしていた。
著者
横畑 明 向井 徹雄 津田 覚
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.610-614, 1975-10-10
被引用文献数
2 1

工場排水試験法 JIS K 0102 に採用されている重クロム酸カリウム法を用いて酸素消費量を測定する場合の塩素イオンの影響を、塩素イオン濃度、重クロム酸カリウム濃度、汚濁物の濃度と種類及び硫酸第二水銀添加量などを因子として検討した。 その結果 COD 値は共存する塩素イオンの妨害により過大の値を示した。 妨害の程度は汚濁物の濃度及び種類により相違するが、特に汚濁物濃度の低下に伴い顕著となった。 硫酸第二水銀による塩素イオンの酸化を抑制する効果は、JIS に記載される量以上添加してもほとんど認められず、塩素イオンの酸化を完全に抑制することはできなかった。
著者
松尾 禎士
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.289-300, 1963-09-20
著者
近藤 純正
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.165-170, 2012-03-31
被引用文献数
2