著者
石川 秀忠 田辺 雅次 中村 信行 斉藤 優理絵 李 文昭 塩野 宗則 新井 高 中村 冶郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.281-286, 1986-03-28
被引用文献数
1 1

比較的軽度の歯周疾患患者150名を用い, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度の3項目について全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の比較検討を行なった。歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度とも全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の間に推計学的有意差は認められなかった。また, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量において, 歯群の平均値と, 歯群の代表歯および代表歯+の歯の間に推計学的有意差は認められなかった。以上のことにより, Ramfjordの6歯法は部分審査法の一つとして有用であり, また歯群内の他の歯が代表歯としてしようできることも明らかになった。
著者
福元 雄一郎 師田 信人 塩田 曜子 森 鉄也
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.581-588, 2014 (Released:2014-07-25)
参考文献数
25

ランゲルハンス組織球症 (LCH) は中枢神経晩期合併症をきたし得る比較的まれな疾患である. われわれは, 2005年3月∼2010年9月までの間に当科で手術を施行したLCH 14例の臨床的特徴について後方視的に検討した. 多くは有痛性の緩徐に増大する頭部腫瘤で発症し, 化学療法を施行した13例中2例で再燃した.  LCHには多発・再燃例があるため, 全身検索が必須である. また, 頭蓋病変では中枢神経晩期合併症の防止が重要である. 約半数が多臓器に発症し, 化学療法を行ったにもかかわらず2例で再燃したことからは, 外科単独治療の危険性が示唆される. LCHの治療では小児腫瘍専門医との共同診療が推奨される.
著者
佐々木 睦子
出版者
香川大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

双胎妊婦と双子の母親に,妊娠中の胎児への思いと要望についてインタビュー調査した.結果より,双胎妊娠中は,双子に関する制度や出産育児情報の提供,さらには双子をもつ母親との交流等,双胎妊娠中の心理的特徴を考慮した支援の必要性が示唆された.また,要望に沿って保健指導に活用できる,双胎妊娠・分娩の経過,異常の早期発見,多胎育児準備チェックリスト,産後のサポートに関する情報パンフレットを作成した.さらに,双胎妊婦と双子の母親の交流の場作りをめざして,地域の多胎児子育て支援団体と連携を続けている.
著者
伊藤 雄哉 山西 良典 加藤 昇平 伊藤 英則
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.341-348, 2011 (Released:2011-12-28)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

This paper relates audio features based on fluctuation of music with sensibility evaluation about music as a component technology for an automatic song select system demanded on human sensibility evaluation. When people listen to music, they select a song considering both their own feelings at the time and sensibility evaluation about the song. We consider that sensibility evaluations of songs are influenced by the features based on fluctuation about both volume and pitch of the songs. Thus, we focus on features of fluctuation that contain a dynamic idea on music, and extract thirty six features of fluctuation about both volume and pitch from each songs using Fast Fourier Transform. On the other, we prepare a subjective experiment for plural songs using Semantic Differential method, and obtain the sensibility evaluation about each song. Then, we study the relationships between extracted features and sensibility evaluation about the songs with multiple discriminant analysis. As a result, high accurate discriminant hit-rates and low discriminant error are shown, therefore we suggest that audio features based on fluctuation of songs influence sensibility evaluation about the songs. Furthermore, we confirm the especial parameters related with sensibility evaluation about music while considering canonical variates which construct discriminant spaces.
著者
中森 亨
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

沖縄県石垣島、鹿児島県奄美大島、高知県大月町で現生造礁サンゴ群集の観察と写真撮影を行い,そこに生息する造礁サンゴのリストを作成した。同じ海域において,海水を採取し,海水のpH,全炭酸,全アルカリ度と自動センサーを用いて水温と光量子フラックスを測定した。これらの化学成分の変化を元に群集の有機,無機炭素生産速度を計算した。これらの二つの生産を、水深と緯度の関数としてモデル化した。
著者
亀田 裕見
出版者
東北大学
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-36, 1993-09-30

音韻論的型の体系記述研究を目的とする読み上げ式調査による音調の結果と、実際の談話における音調は必ずしも同じではない。東京語と同じ体系をもつ静岡県清水市方言の名詞のアクセントについて、読み上げ式と談話における音調相の比較をし、そこに見られる上昇位置の相異や、弁別的特徴の破壊について考察した。その結果、当該方言の談話には特定の情意表現と結び付いた4種類の文音調、「標準調」「高起調」「頭高調」「遅れ上がり調」が存在していることが分かった。これらの文音調が担う表現性は、新たに生じた音調形式が在来の音調形式に対して結果的に強調性を持つという相互関係において相対的に付与されるものであると考えられる。
著者
Harada Ryuji
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.217-231, 2007

The purpose of this paper is to show that the various accent patterns of the Tokyo and Nagoya dialects are reduced to the interaction of two pitch determining factors: realization of phrasal intonation and realization of the accent feature in a word. The intrinsic difference of the two dialects rests in the difference of where the phrasal intonation is realized. In the Tokyo dialect, it is between the first and the second moras as in #LH. In the Nagoya dialect, it is between the second and the third moras as in #LLH. Seemingly complicated surface accent pitch patterns are due to the effects of some other factors. Those are the length of the word, the position of the accent fall, and the accent feature in the suffix. Rather than positing a set of ordered rules, constraint ranking and candidate evaluation according to the practice of the Optimality Theory gives the straightforward account to the complex language facts.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.157, pp.49-52, 2010-11

ある平日の昼休み、フタツカ薬局垂水駅前店(神戸市垂水区)の奥にあるスペースで、薬剤師と事務スタッフ4人による「スマイル会議」が始まった。 スマイル会議とは、同薬局で月1回開かれる、患者サービスの向上を目的とする会議だ。「○月○日の振り返りノートによると、受付順と投薬の順番が前後したことに対してクレームがあったようです」。
著者
近藤 江利子 小野 百合 藤井 義博
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.51-57, 2013-03-31

糖尿病患者のセルフケア行動には、病に対する感情負担がその行動に負の影響を及ぼすことが明らかにされている。しかし、食事療法に特化した感情負担とセルフケア行動の調査研究は少ない。そこで、糖尿病患者の感情のあり方と食のセルフケア行動の関連を明らかにすることを目的として、調査を行い、糖尿病の成因別に検討した。因子分析により、本研究の対象となった患者の食事観(食事の価値観)として、「ストレス解消優先型」、「生活習慣型」、「健康目的型」、「アンバランス型」と命名した4因子が抽出された。重回帰分析の結果、1型糖尿病患者においては、糖尿病特有の感情負担(PAID得点)が、食行動(EAT・EDI過食下位尺度得点)、糖尿病非特有の感情のあり方(WHO SUBI 陽性感情得点)、HbA1cに強い影響を及ぼしていた。一方、2型糖尿病患者では、食行動(EAT・EDI過食下位尺度得点)そのものが、感情のあり方(WHO SUBI 陰性感情得点)、BMIに影響を及ぼしているのが特徴的であった。また、食行動と感情負担の問題は、摂食障害の問題を中心として1型糖尿病の女性が対象になりがちであるが、2型糖尿病患者においても感情のあり方が食行動へ与える影響は大きいことが推測された。
著者
那須川 哲哉 金山 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.73, pp.109-116, 2004-07-16
参考文献数
15
被引用文献数
12 5

組織・製品などに関して好不評を示す表現,及びそれが好評を示すか不評を示すかの極性を,文書データから教師なし学習で獲得する手法を示す.ある対象に関して評価を述べる内容を記述する際には,好評もしくは不評の意見を列挙することが多く,好不評の極性を反転させる際には「けれども」「しかし」といった接続表現で明示することが多い.本手法では,この『評価表現の文脈一貫性』を利用し,「満足する」「不満だ」などの種表現の周辺文脈から評価表現の候補とその極性を抽出し,各候補の文書データ全体における分布から評価表現としての妥当性を判定する.得られた評価表現を種表現に追加する操作を再帰的に実行することで,好不評の極性付きの語彙を,少数の種表現から自動構築することが可能になる.デジタルカメラと映画に関する掲示板のデータで実験したところ,各々の分野に特徴的な評価表現を高い精度で抽出することができた.This paper presents an unsupervised learning method to acquire sentiment expressions that indicate either favorable or unfavorable opinion toward a specific subject. Our approach is based on a characteristic of sentiments that multiple sentiment expressions often appear near each other in texts with the same polarity of favorability, unless the change is explicitly indicated by a clue term such as an adversative conjunction. By taking advantage of this characteristic, our unsupervised method extracts sentiment expressions and their polarities from a corpus starting from a very small set of seed expressions and analyzing their neighboring expressions in the corpus. In our experiment on discussion board messages about digital cameras and movies, we could acquire a good set of sentiment expressions relevant to each domain.

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出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.180-191, 1964-01-30 (Released:2009-04-03)
著者
松村 勝弘 川越 恭二 井澤 裕司 平田 純一 富田 知嗣 澤邉 紀生 村山 嘉彦 荒川 宜三 豊原 紀彦 荒井 正治 八村 廣三郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

(研究・教育システム)われわれは,立命館大学において.経済・経営・理工の学部横断的な研究・教育システムづくりの一環として,ファイナンス・インスティテュートを設置し,一昨年来その研究教育システムの開発に取り組んできた。これは,現代企業に突きつけられている複雑な課題を文理総合型の新たな仕組みの中で,その解決策を発見できないかと考えたからである。このような取り組みは,学際的な研究教育の仕組み作りを必要とした。(データ・ベース)そこで,ファイナンス分野での研究・教育をすすめるために,現存のマクロ・データ,株価データ,企業財務データなどのデータを総合的に分析するための研究・教育用ソフトウェアを,バックグラウンドを異にする研究者の協力共同のもとで,開発した。と同時に,別途資金により日経クイック社の協力を得て新たなデータ・ダウンロードのためのもう一つの仕組みも完成させ,これも併用している。これらは学生初学者用ウェッブ・ページ版と中級上級用バッチ処理版およびアクセス対応版の三本立てでデータベースへのアクセスをする仕組みを完成させるとともに日経クイック版とあわせ,これらの研究・教育の両面からの利用を進めてきた。それぞれ一長一短がある。今後もこれらの改善すすめる予定である。ここで最大の問題は,環境その他日進月歩でできあがったものがすぐに陳腐化してしまうことである。そこで,科研以外の資金も活用しつつ,かつ日経クイック,大和SBをはじめとする資金力のある外部機関との共同の取り組みでこれに対応しようとしている。(教育プログラム)教育プログラムとしては,2000年度開講の『金融市場分析実習』の内容となるものを共同して研究し,これを教育に活用したが,なお改善の余地があると考え,現在さらに改善しテキストにしようとしている。その第一の内容は,証券アナリスト資格要件の一つとして,財務分析,の学習が課されており,これを含んで,実際のアナリスト業務を行うにあたっての素養としての企業分析の実習を内容とする。第二は,ファイナンシャル・エコノミクスに基づいた金融市場分析を内容とする。これについては,別途大和SBが開発したPoet-SBを活用した教育を進めてきている。これらについても一定その成果を別途冊子にまとめた。(研究プログラム)現在,まずはこれまでの研究を基礎に,前者を内容とするテキスト作りを進めている。これと並行して,日本の金融システムと企業財務戦略に関する研究を深めるという作業を行っている。成果の刊行はすでに終えたものの他,なお継続中のものもあるが,これまでの成果をさしあたり別途冊子にまとめた。
著者
岩宮 眞一郎
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.649-657, 1992-09-01
被引用文献数
29

市販のレーザ・ディスク作品、及び、別の作品の音と映像を組み合わせた素材を用いて、AVメディアを通しての情報伝達における、視覚と聴覚の相互作用に及ぼす、音と映像の調和度の影響を検討した。音と映像の重畳が、音と映像の印象を良くする、協合的な相互作用においては、音と映像の調和度が高いほど、その効果が大きい。視覚と聴覚に共通する性質(通様相性)が同方向に変化する、共鳴現象に関しては、通様相性の処理レベルに依存し、明るさのように、低次の処理による性質では、調和度とは関わりなく、共鳴現象が生ずるが、引き締まり感、きれいさのような、高次の処理を必要とする性質では、調和度が高くないと、共鳴現象が生じない。