著者
川嶋 寛昭
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.739-747, 1987-03-01
被引用文献数
1

Pinhole collimator使用Tc-99m-E-HIDA胆道シンチグラフィーを用いて基礎的研究を行った結果,本法は優れた画像分解能を示し,健常人にて鮮明な拡大胆道像をえた.そこで胆石症術後症例88例の胆道から十二指腸への胆汁の排出率を放射能活性の減衰率から算出したところ,胆嚢結石群では64.1%,胆嚢から胆管へ逸脱したと考えられる胆管結石群では50.4%,胆管で生成された原発性胆管結石群では18.4%とこの順に低下し,さらに原発性胆管結石群では,cholecystokininにも反応しがたい変化の存在が想定された.また胆道末端部からの放射能活性の減衰は術中胆道内圧値と逆相関し,加齢により低下した.
著者
勝呂 尚 浅野 正岳 浅野 正岳
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

歯髄細胞は数種類の異なる細胞から構成されていることが知られている。 しかしながら, その活性は低く, 長期にわたる継代培養は困難である。そこで本研究では, 歯髄細胞の性質をより詳細に検索するためにヒト歯髄由来細胞の樹立と解析を行った。 本申請期間では, 9種類のクローン細胞を樹立し, 樹立したクローン細胞間の遺伝子発現の違いをDifferential Displayにより検索し, 8種類の遺伝子を検出した
著者
城戸崎 和佐 仲 隆介 松本 裕司
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

外部と内部の明快な境界を持たず環境として連続する概念としてのに着目して、オフィスデザインに外部環境を直接的・概念的に取り入れるための基礎的な調査と実践を行い、オフィスデザイン上の要点とその効果を明らかにした。
著者
高木 省治郎 須田 啓一 小松 則夫 大田 雅嗣 加納 康彦 北川 誠一 坪山 明寛 雨宮 洋一 元吉 和夫 武藤 良知 坂本 忍 高久 史麿 三浦 恭定
出版者
The Japanese Society of Hematology
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.2274-2280, 1986

Five patients with malignant lymphoma in whom primary chemotherapy had failed were treated with high-dose chemotherapy using AAABC regimen, total body irradiation, and transplantation of cryopreserved autologous marrow. Complete remission was achieved in all five patients. In these patients, the recurrence of malignant lymphoma did not occur during the follow up time of 2 to 59 months after autologous bone marrow transplantation. Three of them are alive in continuous remission for 33, 49, and 59 months, respectively. In one of these three patients, acute lymphoblastic leukemia developed 44 months after bone marrow transplantation. However, successful chemotherapy resulted in a complete remission of leukemia, he is alive in remission. The remaining two patients died of pneumonia and respiratory failure 72 days and 82 days after bone marrow transplantation, respectively. Our results show that intensive chemoradiotherapy and autologous-marrow transplantation can produce a prolonged remission in patients with malignant lymphoma in whom conventional chemotherapy has failed.
著者
乾 賢一 矢野 育子 増田 智先
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

研究代表者等はこれまでに、生体肝移植患者において、シクロスポリンやタクロリムスの標的分子であるカルシニューリンの酵素活性が、これら薬物の免疫抑制効果の指標となり得ることを明らかにしてきた。本研究では、臨床応用可能な迅速かつ高感度な新規カルシニューリン活性測定法の開発を目指して、ELISA法を用いた測定系について検討した。現在までに、カルシニューリンの特異的基質であるリン酸化RIIペプチドに対する抗リン酸化ペプチド抗体の作成に成功し、さらに抗体の特異性が確認された。続いて、抗リン酸化RIIペプチド抗体をプレートに固相化し、FLAG付リン酸化RIIペプチドを標準物質として、サンドイッチELISA測定系を確立した。FLAG付リン酸化RIIペプチドの定量性は、0.125-4ng/mLの範囲であった。本法は、カルシニューリンによるリン酸化RIIペプチドの脱リン酸化反応(ステップ1)と、FLAG付リン酸化RIIペプチドによる反応終了液中に含まれるリン酸化RIIペプチドの定量(ステップ2)を行うことを特徴とし、反応前後のリン酸化RIIペプチドの物質収支からカルシニューリンの脱リン酸化活性が算出できる。本年度は、リン酸化RIIペプチド定量のための条件検討を実施した。まず、ステップ1の停止液のステップ2に対する影響を調べた結果、常用の5%トリクロロ酢酸/0.lMリン酸二水素カリウム溶液を用いた場合、FLAG付リン酸化RIIペプチド(4ng/mL)の検出が不可能であった。そこで次に、5mM EGTA(カルシニューリンの阻害剤)をステップ1の停止液として用いた場合、ステップ2には影響せず、FLAG付リン酸化RIIペプチドの検出が可能であることが示された。今後、開発したnon-RI ELISA測定系の臨床応用に向けて、カルシニューリン活性測定の最適化及び全自動化を目指す予定である。
著者
田島 裕 フェンティマン R.G. ミラー C.J. ダイヤモンド A.L. ライダー B.A.K. バークス ペータ 長谷部 由起子 長谷部 恭男 平出 慶道 FENTIMAN R.G MILLER C.J DIAMOND A.L RIDER B.A.K BIRKS Peter ミラー J.C. アダムソン ハーミッシュ デンティス T.C. ゴフ ロード スクリブナ アンソニー
出版者
筑波大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

平成6年4月から3年間にわたる日英間の共同比較法研究の全体を総括し、今後の継続的な研究協力の在り方を検討した。研究者ネットワーク作りに重点を置いて研究活動を行ったが、その目的のために、本年度も田島(研究代表者)がバ-ミンガム大学で研究会(24回)を開催した。バ-ミンガム大学では、英国大学における日本法研究の在り方を問題とし、憲法、民商法、企業法、独占禁止法、訴訟手続法、刑法など12の主要テーマについて、具体的な検討をした。これは昨年度に続く二度目の経験であり、非常に大きな反響を呼んだ。研究会の基礎となるプレゼンテーションをレクチャー.レジュメの形でまとめ、最終報告書に添付した。この研究成果は、田島(研究代表者)の責任で、Western and Asian Legal Traditionsと題する著書(添付書類参照)として近く公刊される。予定どおり平成8年9月にケンブリッジ大学において学会を開催し、本格的な比較法研究を行った。その結果は、Anglo-Japanese Journal of Comparative Lawと題する著書として近く刊行されることになっている。また、予定どおり、平成8年4月に、高等法院裁判官フィリップス卿およびウッド教授(ロンドン大学)を招聘し、企業法学シンポジウム(法的紛争の処理)を開催した。約200名の法律家(学者、裁判官、実務家)が参加し、とくに国際企業取引をめぐる法的紛争の処理に当たりイギリス法を準拠法とすることの問題点を論じた。フィリップス裁判官は、筑波大学などでも陪審制と黙秘権の問題について特別講義を行った。また、マスティル卿(貴族院裁判官)も予定どおり8月に来日され、安田記念講義およびブリティッシュ・カウンシル特別講義を開いた。民事司法改革をテーマとしたが、この講義には約300名の法律家が参加した。平成8年8月に公表されたばかりのウルフ報告書に基づくもので、別途開いた専門家セミナー(国際商事仲裁協会)において、三ケ月章東京大学名誉教授を中心として日本の民事訴訟改正とパラレルに検討する機会をもった。この講義は安田火災記念財団から単行本『英国における紛争処理の動向』(平成8年8月)として既に公刊された。平成8年11月、長谷部(東京大学)、長谷部(成蹊大学)はロンドン大学およびバ-ミンガム大学を訪問し、憲法および訴訟法の領域における共同研究を行った。そして、9月のケンブリッジ大学の学会には、平出(中央大学)と田島(筑波大学)が出席した。その学会で特に焦点を当てたのは会社法および金融法・銀行法の領域である。正式の学会とは別に、この共同研究が今後も継続されるようにするため、研究参加者の間で具体的な検討を数日に渡って熱心に行った。その結果、平成9年10月に東京で学会を開催し、その折りに新たな共同研究の基礎づくりをすることになった。その主要研究テーマは、会社法と金融法・銀行法の他、司法制度と国際法・国内法の融合の問題とする。来日が既に確定しているのは、ライダー教授(ケンブリッジ大学)、ア-デン裁判官(高等法院;現在は、法律委員会の委員長と兼任)夫妻、およびヘイトン教授(ロンドン大学)である。なお、オックスフォード大学のバ-クス教授(オールソールズ・カレッジ)は、まだ来日していないが、平成10年に来日を約束している。その機会に日英学会の創設を本格的に検討することになると思われる。なお、研究協力者以外にも数多くの学者、実務家の協力を得たことも付記しておきたい。上記の三ケ月教授のセミナーはその一例である。平成9年4月にはジョン・ボールドウイン教授(バ-ミンガム大学)が来日されるが、これもわれわれの研究活動につながるものである。3年に渡る共同研究を通じて、日本法に関心のある非常に若いイギリス人研究者を数多く(約100名)育てることができたことも協調しておきたい。現在、そのうち2人のイギリス人大学生が日本を訪問し、研究を続けている。最後に、当該研究は、将来も継続されるべきものであり、今回の3年の研究を通じて問題を別に添付した『研究報告書』の中で説明した。それも読んでいただきたい。
著者
三村 寛一 三村 寛一 奥田 豊子 朝井 均 鉄口 宗広 安部 惠子 三村 達也 塩野祐也 檀上弘晃 上田真也 辻本健彦 織田恵輔 北野雄大
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

ライフコーダを用いて児童の1 週間の行動記録と運動量を測定し、児童の適正運動量は運動強度6 以上の出現率が10%以上あることが望ましいことを明らかにした。また、体力の低い非活発な児童を対象にライフコーダおよびインターネットを活用して、1 ヶ月間の半監視型運動療法を実施し、その効果は低学年ほど大きく、高学年になるにつれて小さくなることが明らかになり、特に休日における運動実践や学校生活における体育の重要性が示唆された。
著者
長田 富香 渡辺 好子 鈴木 ミサ子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.430-430, 1963-09-25

第29回東京女子医科大学学会総会 昭和38年10月6日(日曜日) 東京女子医科大学本部講堂
著者
佐々木 伸一 渡邊 欣雄 池上 良正 黄 強 志賀 市子 河合 洋尚 曹 建南
出版者
京都外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、1990年代以降中国各地において顕著に見られる宗教復興の諸状況について人類学的なフィールド調査を行い、そこで得られた民族誌的資料をもとに、宗教を「象徴資本」として活用する国家や地方エリートの政策的側面と、それに対する宗教、とりわけ民俗宗教の職能者や信者たちとの複雑多岐にわたる相互作用によって構築される側面に焦点をあてつつ分析を行った。その結果、中国における宗教実践構築の諸相、及び宗教の象徴資本化の歴史性や政治性を明らかにした。
著者
重森 猛 金子 剛志 緒方 淳 藤本 雅清 有木 康雄 塚田 清志 濱口 伸 清瀬 基
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.618, pp.33-40, 2003-01-23
参考文献数
14
被引用文献数
6

本研究では、野球のラジオ実況中継音声に対して大語彙連続音声認識を行い、キーワードを抽出してハイライトシーンを検出することを目的としている。音声認織部をより頑健にするために、音響モデルでは、MLLR+MAP適応による教師あり、教師なし適応を行っている。この音響モデルの2段階適応を用いることにより、アナウンサーの話者性に適応することができ、ベースラインに比べ単語正解精度で約28%の改善が得られた。言語モデルでは、言語モデルの融合、選手名のクラス化、発音辞書の修正を行い、ベースラインに比べ単語正解精度で約13%の改善が得られた。それぞれの適応を統合することにより、単語正解精度で約38%の改善が得られた。
著者
松原 好次 塩谷 亨
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

<研究成果の具体的内容>1 ハワイ語再活性化運動の核とも言うべきクラ・カイアプニ(ハワイ語を教育言語とする小・中・高校)におけるイマージョン教育の進展状況(カリキュラム及び教材の開発、学校数の増加など)を明らかにした。同時に、ハワイ語イマージョン教育の抱える課題(高学年の理数系科目担当者及びハワイ語教材の不足など)も明らかにした。2 ハーラウ・フラ(ハワイ伝統舞踊「フラ」の道場)が伝統文化及びハワイ語の保持・継承に果たす役割を明らかにした。特に、alohaの精神など伝統文化に対する尊敬の念を育成することによってハワイ人としての誇りを涵養できるという意味で、ハワイ語再活性化にとって不可欠な存在である点が明らかにされた。3 テレビ・ラジオ・新聞だけでなく、インターネット上で人気の高いコミュニティサイトにおけるハワイ語使用状況を調査することによって、ハワイ語再活性化に果たす新旧メディアの役割を明らかにした。<研究成果の意義・重要性>少数言語としてのハワイ語を再活性化するためには、学校教育以外にもさまざまな場が保障されなくてはしけないことを探ることによって、わが国において近年浮上してきたアイヌ語や琉球語の再活性化、あるいは外国籍児童生徒のための母語保障に関する新たな視点を提供することができた。特に、公教育における少数言語再活性化支援の具体例を提示しただけでなく、イマージョン教育を受けて卒業した若者が、獲得したハワイ語を家庭や職場等で活用していくための施策について明らかにした点は本研究の特筆すべき意義であろう。
著者
池田 大輔 安東 奈穂子 田中 省作
出版者
ディジタル図書館編集委員会
雑誌
ディジタル図書館 (ISSN:13407287)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-8, 2005-03-08

電子図書館サービスの多くは、従来からある図書館サービスを電子的に行うことにより、図書館員が行う作業の効率化や資料への効率的なアクセスを実現するものであり、新たなサービスを提供するものは少ない。筆者らの研究グループは新たな電子図書館サービス構築を目指し研究を進めており、その過程で個人情報を含んだ貸出履歴をサービスに使うことの是非が大きな問題点として浮上した。本稿では、図書館の役割や利用者の個人情報について考察し、新たな電子図書館のサービスによる利便性向上と個人情報保護を両立するモデルを提案する。
著者
長田 富香 高橋 敬子 宮下 くみ子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.431-431, 1963-09-25

第29回東京女子医科大学学会総会 昭和38年10月6日(日曜日) 東京女子医科大学本部講堂
著者
神田 千里 白川部 達夫 渡辺 尚志 黒田 基樹
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の成果の第一としては、井戸村氏関係史料として知られる現存の原文書六〇点の殆ど、及び『歴代古書年譜』と題される家譜に収録された三三三点の総てが翻刻され、活字によって解読可能になった点である。残り約一〇点の解読により、井戸村氏関係史料全体の刊行が実現可能な段階に至っている。また関連する『嶋記録』『妙意物語』などの記録類の翻刻にも着手しており、井戸村氏関係史料に関する基礎研究はさらに進展することが期待できる。
著者
田中 繁史
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

研究の目的シバ草地は生産性が高く,一度定着すれば無施肥でも良質な草資源として長期にわたり利用可能で低投入・環境保全的であると同時に,生物多様性の維持,土壌流〓防止,景観維持など,多面的機能も非常に高い。荒廃人工草地をシバ草地へ更新する場合,シバは被陰に弱く,周囲の雑草との光競合に負けてしまうことが多いため.定着までには繊細な管理が必要である。特に放牧管理下では嗜好性の悪いエゾノギシギシやヒメスイバなどの雑草が残り,繁茂してしまう。そこで,荒廃革地の早期シバ草地化を目的として,(1)放牧管理下(20ha,うち草地3.1ha/日本短角種,計8頭,246-546kg,定置放牧)にある移植2年目のノシバ苗を対象に掃除刈りの効果を検証することとした。また,近年開発されたシバ新品種"たねぞう"は,匍匐茎の数が多くかつ長く,生育が早いことから,良好なシバ放牧地の造成が可能であると期待されている。そこでたねぞうの有用性を確認することを目的に,(2)たねぞう苗とノシバ苗の糞上移植後の初期定着の比較(定着評価,草高)を行った。結果および考察(1)ハンマーナイフモアによる掃除刈り約2ヵ月後のノシバ出現メッシュ数(1メッシュ5cm×5cm)は,掃除刈り無区21±26.8メッシュに対して,有区27±16.2メッシュであり,有意な差はなかった(t検定)。掃除刈りの頻度が年1回であることおよび放牧圧が高い環境下だったことが影響していると考えられた。(2)糞上移植したノシバ苗とたねぞう苗の初期定着を明らかにするために移植約3ヵ月後に,旺盛(A)から枯死(D)までの4段階(A~D)で評価した結果,定着と評価した苗(A評価+B評価)の割合はノシバ46.2%に対してたねぞう72.2%であり,たねぞうの高い活着力が明らかになった(P<0.01, Mann-Whitney検定)。一方,定着と評価した苗の草高(平均±標準偏差)は,ノシバとたねぞうでそれぞれ10.34±3.26cm(n=6)および13.07±2.75cm(n=13)であり,両間で有意な差はなかった(t検定)。