今後文化益々進展して、人力益々強大に赴けば、人類は、無制限に私有慾と競争心を逞うしては、此小天地に共存共栄する能わざるに至るのは、必然の理勢である。知るべし、今後に於て、世界人類を救うは、唯々奉公共助の一途あるのみなる事を。
『政治読本』
https://t.co/k0wnwMaYqM, p. 197.
今度の戦争[第二次大戦]を,民主主義と全体主義の戦いと見るもよかろう.しかし私は今度の戦争を,立憲思想と封建思想の戦いと見る.自主精神と奴れい根性の戦いと見る.道理と力の争いと見る.そしてついに,前者が勝って後者が敗けたのである.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 27.
封建思想のたたりで,陸海軍の直接軍備のみに気をとられ,産業・経済・科学・文化等の間接軍備の充実は,まるでお留守になってしまった.その結果…戦争の進むにつれ,破たん百出,収拾のつかぬ状たいを呈して,ついに敗れ去ったのである.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 25.
軍備は、其国民の虚栄心を満足させるためには、偉大な効力があるが、之を安全ならしめるための効力は、意外に少ない。威張るためには便利であるが、…威張ることは…安全の道でもない。露、独、両大帝国の滅亡の最大原因は、武力を頼んで、威張ったのに在る。
https://t.co/Gi4WSeEWT2, p. 72.
日本が敗けた第2の原因は,日清日露の両戦役に勝って,急に世界の1等国の仲間入りをすることができたので,すっかり有頂天にのぼせ上り…“もう西洋に学ぶ必要はない.これからは,なんでも日本流にやればいいのだ”とうぬぼれきった点にある.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 9.
封建思想のたたりで,陸海軍の直接軍備のみに気をとられ,産業・経済・科学・文化等の間接軍備の充実は,まるでお留守になってしまった.その結果…戦争の進むにつれ,破たん百出,収拾のつかぬ状たいを呈して,ついに敗れ去ったのである.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 25.
この1片の文章[=新憲法第9条]をみただけでは,わが国を好戦国であるとする世界の疑惑をとり除くことはできないであろうということである.この上は,日本人の生活のあらゆる面において,われわれが真の平和愛好者であることを,実践を通して証明しなければならぬ.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 46.
たのむはただ自己の武力あるのみと,国費の3~4割をつぎ込んで,ひたすら陸海軍備の拡張に熱中した…
…が,これも封建思想のたたりで,陸海軍の直接軍備のみに気をとられ,産業・経済・科学・文化等の間接軍備の充実は,まるでお留守になってしまった.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 24-25.
日本が敗けた第2の原因は,日清日露の両戦役に勝って,急に世界の1等国の仲間入りをすることができたので,すっかり有頂天にのぼせ上り…“もう西洋に学ぶ必要はない.これからは,なんでも日本流にやればいいのだ”とうぬぼれきった点にある.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 9.
欧米にあっては、表決に勝つも、議論に負くれば、長く多数を維持する能わず、頭数に於て勝つも、討論に於て負くれば、必ず次回の総選挙に失敗す。然るに我が国に於ては、如何なる妄挙悪案も、決議に際して多数を制すれば美挙良案となり、多数党の勢力益々増進す
https://t.co/TX5LWpEKVj, p. 67.
かりに戦争が起る場合を考えて,もし軍備を必要とするなら…世界第1流の軍備…でなければ役に立たぬ.そうして,そんな軍備を維持することは…日本の国力が許さない.わが国力の許す程度の中途半ぱな軍備なら,むしろない方が国家のためには安全だ
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 34.
国家の利益をぎせいにして,全世界全人類の平和と幸福のためにつくすことは,いいことだといわねばならぬわけであるが,事実は全くこれに反し,全世界全人類の平和と幸福をぎせいにしても,国家の利益をはかることがいいことだと考えられている.
『民主政治読本』https://t.co/hZfphMefzM, p. 132.
今度の憲法にも,もし国民が油断したり,選挙をやりそこなったりすれば,せっかく憲法で与えられた権利自由が有名無実に化するおそれは十分ある.…なぜなら今度の憲法にも法律のでき工合一つで,伸縮自在に決定せられる権利自由が,なかなかたくさんあるからである.
https://t.co/hZfphMviBM, p. 54.
憲法で与えられた権利自由をよりよく保持してゆこうと発奮し努力する人間でなければ,ちょうど猫が小判のねうちを知らず,豚が真珠のねうちを知らないようなもので,とうていこの憲法[日本国憲法]のねうちはわからないであろう.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 53-54.
例えば小学生の教育問題・託児所の問題・育児の問題・風紀衛生の問題等々,殊に近頃の配給の問題などは,どうしても婦人の方が行き届いた世話がやけるわけである.さらに進んで禁酒禁煙の運動・売笑婦撲滅運動・畜妾廃止運動等々,婦人の活動を待つ舞台はなかなか広い
https://t.co/hZfphMefzM, p. 78.
現在の我が国人の有する愛国心は、攘夷思想の延長であって、未だ真誠の愛国心に進化していない。故に其所謂る愛国心なるものは、動もすれば国家の禍害を生ずること、昔時の攘夷思想と異なる所がない。畢竟純正なる国民意識が、未だ発達していないからだ。
https://t.co/Gi4WSeEWT2, p. 227.