著者
マクドナルド コーペット
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.209-219, 1984-06-01

産業医科大学に10-15年後に再び, 訪問教授(Visiting Professor)として戻ってきた時に私は, 当大学がその名前にふさわしい大学として完全にできあがっていることを望むものである. 医学部は, 他の学部のうちの一学部になっているであろうし, 特に,産業・環境保健科学の卒後教育施設(postgraduate school)が充実しているのを見るのが楽しみである. その時には, 当大学は産業保健における一連の専門家養成のための, アジア地域における先導的なセンターとして完成しているであろうし, 産業保健実務者のための生涯教育について最善のシステムを創り, それは世界の模範となっているであろう. 更に, 当大学では日本における職場の安全衛生の重要な問題解決に貢献すべく, 長期の研究計画に従事する学際的且つ調和のある系統的なチームができあがっていることであろう. また, 重要な産業領域における大・小企業のための産業保健の, 最初の総合的なシステムを組織し, 且つ具現化していることであろう. 当大学の研究を基本として, 産業社会が発展途上国に輸出する機械や物質を, 安全に使用できるよう責任をもって確約するための方策を提示しているであろう. これらのことが達成されている10-15年後こそ, 私の次の講演にとって良い機会であると信ずる.