著者
掛谷 英紀 大南 勝
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.617-625, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
21

本論文では,国会会議録を機械学習することで,短命に終わる議員・大臣の発言の特徴を分析する.短命議員については,マスコミ報道の追い風に乗って大量当選したいわゆる「チルドレン議員」を対象に,一期で終わってしまった人物と,その後議員を続けることができた人物の間に,国会質問でどのような違いが見られるかを分析する.短命大臣については,大臣就任後舌禍や不祥事によって辞任した人物と,長期間大臣を務め上げた人物の間に,国会答弁でどのような違いが見られるかを分析する.機械学習には最大エントロピー法による学習と,判別分析の考え方を応用して特徴抽出を行うナイーブ・ベイズ法による学習をそれぞれ実装し,その分類性能を比較する.分析の結果,短命議員の質問には,尊敬語・謙譲語などの丁寧な表現が少ないこと,損得勘定に関する表現の使用が多いことが分かった.また,短命大臣の答弁には,国会の場にふさわしくない砕けた表現が多用されるほか,高い理想や自身の頑張りを主張する発言が多い傾向が見出された.
著者
伊藤 玄 北村 淳一 野口 亮太 長太 伸章 古屋 康則
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-034, (Released:2021-01-17)
参考文献数
25

Exotic populations of Acheilognatus tabira found in northern Mie Prefecture, and subjected to nucleotide sequencing of the mitochondrial DNA cytochrome b region, were determined to represent the Hokuriku (A. t. jordani) and Kinki-Sanyo (A. t. tabira) lineages. The first record of A. t. jordani from outside its native distribution area (Japan Sea side of western Honshu), it is likely to be a viable population due to the presence at the sampling site of the freshwater mussel Beringiana fukuharai (Unionidae, Cristariini), with which the former likely has a spawning relationship.
著者
大谷 修
出版者
学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
雑誌
敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-7, 2019 (Released:2019-07-16)
参考文献数
26

消毒や漂白のために用いられる塩素系製剤はしばしば健康被害をもたらす。塩素系製剤である次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)は水溶液中で加水分解して次亜塩素酸を生じる。この次亜塩素酸が殺菌効果を発揮する。 次亜塩素酸は排水管などの金属を腐食させる。次亜塩素酸ナトリウムはトイレ掃除に使う塩酸や酸性洗剤と反応して有毒な塩素ガスを生じる。塩素ガスを吸引すると、肺水腫などの重篤な呼吸器障害を生じる。レジオネラ感染を予防する目的で温泉水に次亜塩素酸ナトリウムを加えても窒素化合物と反応してクロラミンを生じるので殺菌効果が小さい。塩素処理したスイミングプールにおいても喘息等を発症するリスクが高まり、アレルギー疾患を増悪する。急性胃腸炎を起こすノロウイルス感染を防ぐには、牡蠣などの生食を避けること、感染者に調理や給仕をさせないこと、およびトイレ、ドアノブ、手すり、壁面スイッチなどを適切な濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を含んだペーパータオルで拭くことが重要である。吐物や便は、まず拭き取ってから、床面を次亜塩 素酸ナトリウム水溶液を含んだペーパータオルで拭く。次亜塩素酸ナトリウム水溶液をスプレー等で噴射するのは次亜塩素酸を含んだエアロゾルを吸引するので健康被害をもたらす恐れがあり危険である。感染防止で最も重要なのは手指衛生を保つことである。ノロウイルスはアルコール抵抗性を示すので、頻回に石鹸と流水で少なくとも20秒間手を洗うことが重要である。

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著者
高橋 秀俊
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, 1960-07-30
著者
浅利 裕伸 池田 敬 岩崎 亘典 岩下 明生 江成 はるか 江成 広斗 奥田 加奈 加藤 卓也 小池 伸介 小寺 祐二 小林 喬子 佐々木 浩 姜 兆文 杉浦 義文 關 義和 竹内 正彦 立木 靖之 田中 浩 辻 大和 中西 希 平田 滋樹 藤井 猛 村上 隆広 山﨑 文晶 山田 雄作 亘 悠哉
出版者
京都大学学術出版会
巻号頁・発行日
2015-03-25

希少種の保護や過増加した在来種・外来種の対策など、野生動物をめぐるさまざまな課題に応えるフィールド調査法。各動物の食性や個体数に関する既存研究をまとめ、地図の読み方やフィールド機材の使い方、糞や足跡をはじめとする動物の痕跡の識別法を具体的に示し、得られた情報から食性や個体数、生息地を評価する方法を体系的に解説する。
著者
中島 貴子
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
no.3, pp.90-101, 2005

乳児用粉ミルクに工業廃棄物由来のヒ素化合物が混入して大規模な被害が発生した森永ヒ素ミルク中毒事件は,今年2005年8月24日,公式発表から50年目を迎える.しかし,事件の全体像は今なお把握されていない.被害者に対する恒久救済機関の運営実態への疑問の声もある.被害者の現在を正視すると同時に,事件史の教訓を徹底的に整理する必要がある.病因物質が市場に流通してから恒久救済機関が発足するまでの約20年を振り返ると,食中毒事件における疫学と事故調査の独立性の必要が指摘できる.また,事後対応における行政と専門家の関係についての課題も指摘できる.本格的な歴史研究のためには本事件に関連する一次資料の収集・保存が必要である.
著者
高山 一夫
出版者
日本医療経済学会
雑誌
日本医療経済学会会報 (ISSN:13449176)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.13-26, 2014-12-01 (Released:2017-09-15)

本稿では、TPPを事例に、自由貿易協定FTAが医療制度に及ぼす影響について考察する。TPPは、各国の薬事制度の見直しや知的財産権の保護強化などにより、薬価高騰や医薬品アクセスの制限をもたらすことが懸念される。FTAが医療制度に望ましい成果をもたらすためには、情報の公開とステークホルダーの参加、客観的な政策評価の実施、各国の主権及びグローバルな健康の衡平への配慮といったガバナンス上の取り組みが必要である。
著者
藤川 賢
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.11, pp.103-116, 2005

<p>被害が被害として認識されにくいことは多くの公害問題に共通して見られるが,イタイイタイ病および慢性カドミウム中毒においてはとくに特徴的である。中でも,大幅な発見の遅れにより多くの激甚な被害者が見過ごされたこと,富山以外でも要観察地域や土壌汚染対策地域が指定されながら同様の健康被害が公害病と認められなかったことは,重要と考えられる。本稿は,被害地域などでの聴き取り調査にもとづいて,こうした被害放置の経緯と背景を明らかにしようとするものである。発見の遅れについては,公害の社会問題化以前で危険性が重視されなかったこと,川への信頼などの他に,個々の症例においても地域全体としてもイ病が長い年月をかけて深刻化したために,激しい症状さえもあたかも自然なことのように受け止められていたことが指摘できる。また,農業被害は明治時代から明らかで補償請求運動も続いていたにもかかわらず,それが直接には健康被害への着目や運動につながらなかったことが指摘される。</p><p>イ病訴訟後も,土壌汚染対策費用などの政治経済的理由を背景に,イ病とカドミウムの因果関係を疑い,神通川流域以外でのカドミウムによる公害病を否定する動きがある。これは医学論争であると同時に,力の弱い少数者の被害が行政面でも医療面でも軽視されるという,未発見時代と類似した社会的特徴を持ち,現代にも問題を残していると考えられる。</p>
著者
Ken FUTAGAMI Thomas Kwong Soon TIONG Christine Li Mei LEE Yong Lin HUANG Yoko NOMURA Yasunari KANDA Sachiko YOSHIDA
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第47回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-5S, 2020 (Released:2020-09-09)

環境中や食品中の化学物質が身体に与える影響について、経済協力開発機構(OECD)による統一的な試験が試みられている。発達期の神経形に対する毒性は、確実に毒性を示すポジティブコントロール物質(P物質)と、毒性を示さないネガティブコントロール物質(N物質)が提案されているが、近年、従来N物質とされた物質の一部に発達期毒性があり、自閉症や発達傷害などの高次脳機能障害の増加を誘発することが示唆されるようになった。グリホサートは世界で最も多く使用されている除草剤ラウンドアップの有効成分であり、土壌中ではアミノメチルホスホン酸(AMPA)に代謝され、OECDテストガイドラインのN物質である。除草剤としての機能は、植物中の芳香族アミノ酸を合成するシキミ酸経路において、5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)を阻害することである。一方、このシキミ酸経路は動物には存在しないため安全であると考えられてきたが、動物の腸内細菌にはシキミ酸経路が存在するため、近年、胎生期グリホサート曝露により、神経障害の誘発や行動異常が報告されるようになってきた。本研究室では、胎生期に単回100、250 mg/kg-グリホサート曝露又は単回250 mg/kg-AMPA曝露させることにより、小脳の神経細胞異常と行動異常を報告してきた。そこで、本研究では、胎生期慢性グリホサート曝露による小脳皮質に与える影響を検討した。結果は、雄の仔ラットにおいて、プルキンエ細胞の有意な減少が観察された。さらに、雄及び雌の仔ラットにおいて、活性型ミクログリアのプルキンエ細胞層(PL)に対する有意な分布が観察された。従って、グリホサートは発達期に対する神経毒性があると考えられる。
著者
渡辺 真由子
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.2_81-2_88, 2012 (Released:2012-12-25)
参考文献数
39

青少年による性的有害情報への接触は、インターネットの普及で容易になった。フィルタリングが必ずしも有効でないスマートフォンの登場がその傾向を後押ししており、新たな対策は急務といえる。本稿は、マス・コミュニケーションの効果研究において、性的有害情報に関する従来メディアの研究を概観した上で、ネット上の性的有害情報をめぐり海外で行なわれている研究の最新動向を伝え、ネットならではの影響特性や影響研究の限界についても分析した。性に関する情報が全て有害なのではなく、問題は、その描写内容に「性暴力」が登場するかどうか、さらには被害女性の反応をどう描くかにあることが示唆される。CGの発達やコミュニティサイトの相互作用性など、ネットの特性が生み出す実態にも目を向けねばならない。ネット上の性的有害情報への対策を技術的な規制のみに頼るのは限界がある。新たな自主規制・法規制の検討や、性情報の歪みやネットならではの特性を批判的に読み解くリテラシー教育が、家庭や学校において今後より求められよう。

45 44 31 0 OA 徳川慶喜公伝

著者
渋沢栄一 著
出版者
竜門社
巻号頁・発行日
vol.一, 1918

647 77 28 5 OA 植民地統治論

著者
泉哲 著
出版者
有斐閣
巻号頁・発行日
1924
著者
上谷 香陽
出版者
文教大学
雑誌
文教大学国際学部紀要 = Journal of the Faculty of International Studies (ISSN:09173072)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-14, 2012-07-01

This paper considers girl zines as feminist alternative media. Girl zines were participatory media produced through grass roots feminist movement in US in 1990s. In following discussion, I review American girl’s cultural creating activities in relation to the history of modernization and industrialization in US and gender norms. In so doing I examine the difference between consumer oriented girl’s “bedroom culture” and girl zine’s culture. Through these considerations, this paper tries to understand the problematic posed by this young feminist movement in the 1990s. Following the study of Stephen Duncombe, Chapter 2 discusses the defi nition of zines, their origin and their main concerns. Chapter 3, following the study of US girl culture by Mary Celest Kearney, locates girl ziens within US history of girl’s cultural creating activities. Chapter4 and 5 analyze the relation between girl zines and feminist movement in US since 1970s. This paper suggests that girl zines don’t simply mean zines made by girls. Rather, they are alternative media for women who demonstrate the unconformity against dominant values in modern society, such as male-centrism, hetero-sexism, white-centrism and consumer capitalism. Based on punk’s DIY ethos and feminism, girl zines challenge mainstream girl culture, “bedroom culture”, which is lead by corporate culture industries. At the same time girl zines are the site where girls explore what does it mean to be an American girl or American woman.