著者
石井 美治
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.P58-P63, 1980-02-10 (Released:2008-11-28)
参考文献数
32
著者
武島 良成
出版者
東南アジア学会
雑誌
東南アジア -歴史と文化- (ISSN:03869040)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.45, pp.69-85, 2016 (Released:2018-06-01)
参考文献数
68

This article aims to follow footsteps of the Japanese advisory body that was placed in Burma’s Ba Maw government during the Pacific War, and to deepen the understanding of the degree of the accomplishment of autonomy and self-reliance of the government. Japan withdrew many of the military directorial personnel from Burma after its ‘independence’ (August, 1943), and instead, decided to send an advisory group. Booklets created by the Historical Facts Section of the Demobilization Department and some publications of the hometown of OGAWA Gotaro (the supreme advisor) state that the advisory group contributed great deal to the reconstruction of Burma. If this is the fact, it means that the resistance and countercharge of Ba Maw government to realize Burma’s autonomy and self-reliance did not succeed in this sphere. However, as I studied unpublicized diaries and official documents, it was revealed that Ogawa arrived in Burma in December 1943, and returned to Japan temporarily during March through July of 1944. Ogawa went back to Japan to summon advisory members. Those senior advisors summoned at that time arrived on a plane in Burma around August. Meanwhile, general advisors took boats and trains and all the members finally arrived by November. However, by that time, Burmese frontline was about to collapse, and the advisory group did not have enough time to operate much. In addition, Ba Maw’s government, at that time, was requiring science technicians, and there was not much of work the advisory group could have done. Consequently, it never intervened and interfered with the Ba Maw government in full scale. Incidentally, Lieutenant General KAWABE Masakazu came to think that there was not much to expect from the advisory group by 1944. If the Japanese Burma Area Army actually decided to go back to the policy of interfering with the government of Burma by the civil officers belonging to the Army, the weakened interventions and interferences of Japan would have been only about the advisory group or a temporary status. However, there were differences of opinions between KAWABE and other staff officers. Besides, there were some other materials that implied the interference had been slackened all the way. Then, it would be well possible that the military never went back to its original policy of interfering with Burma’s politics. I intend to excavate historical materials further to reveal the fact.
著者
芦川 智一
出版者
成城大学
雑誌
Azur
巻号頁・発行日
no.8, pp.89-101, 2007
著者
大橋 美幸
出版者
函館大学
雑誌
函館大学論究 = The review of Hakodate University (ISSN:02866137)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.99-121, 2018-03

近年、地域に暮らす人の幸福度から政策評価が行われている。当事者の主観からニーズ把握を行うもので注目される。 今回、幸福度の観点から、急増する一人暮らし高齢者に求められる取り組みを考察した。一人暮らし高齢者について、これまで自治体を超えた幸福度調査はあまりなかったが、最近、一人暮らし高齢者の全国調査が行われ、分析結果の地域への応用利用が期待される。 全国調査の二次分析から、幸福度が低くなりやすい基本属性として、性別、年代、身体的及び精神的な健康状態が把握された。取り組みの対象者として、特に男性の前期高齢者で、身体的及び精神的な健康状態があまり良くない一人暮らし高齢者が優先されるべきである。また、幸福度が高くなりやすい生活要因として、会話の頻度、経済的な暮らし向きが把握された。経済的な暮らし向きに目を向けつつ、会話を増やすような働きかけによって、幸福度を高めていく可能性がある。
著者
浦野 喜美子 山本 亜矢子 山田 幸世 杉木 由美子 小池 幹義 田仲 久人 大山 隆幸 浅見 隆康 高橋 篤
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.325-333, 2014-11-01 (Released:2015-01-07)
参考文献数
5

【背景と目的】 群馬県山間部の高齢過疎化が顕著な2次保健医療圏A地区は他の県内2次保健医療圏と比べて自殺率が高いため, A地区特有の自殺率上昇要因を検討する. 【対象と方法】 群馬県と県内2次保健医療圏で, 研究対象地区のA地区, 比較対象地区としてA地区と同様の人口構成や地勢的状況にあるB地区, 中核市に隣接しているが高齢過疎化の著しい山間部も含むC地区, 主に平野部に位置し中核市に隣接するD地区, 中核市のE地区を選定し, 平成21年 (一部20年) -24年における各地区自殺率・男女年代別自殺率・自殺原因・自殺者の職業と同居率を比較検討, A地区年代別の自殺者配偶関係の検討とA地区各市町村別の自殺率・男女年代別自殺率・自殺者の同居率と年齢の比較検討も行った. 【結 果】 (1) A地区は男女とも他地区と比べて自殺率が高く, 年代別検討では他地区と比べて男性自殺率が20歳代, 40歳代, 50歳代, 70歳代で高く, 女性自殺率が70歳代で高かった. (2) A地区男性自殺者の自殺理由は他地区と比べて経済・仕事・男女間の問題の占める割合が高く, 健康問題の占める割合が低く, 女性自殺者では家庭問題の占める割合が低かった. (3) A地区は他地区と比べて男性自殺者で自営業や勤務者の占める割合が高く, 女性自殺者で無職の占める割合が高かった. (4) A地区男性自殺者同居率は他地区と比べて比較的高く (79%), 女性自殺者は比較的低かった (71%). (5) A地区男性自殺者40-50歳代の離別・未婚率, 女性自殺者60歳以上の死別率は高く, 女性自殺者は男性より高齢であった. (6) A地区各市町村別の検討で, A地区辺縁に位置するe村では自殺率が特に男性で高かった. 村地域の自殺者は高齢者, 特に女性が多く, 女性自殺者同居率が高かった. 【結 論】 群馬県A地区は人口構成や地勢的状況が近似しているB地区やC地区と比べて自殺率が高く, その原因としてA地区特有の要因が考えられた. すなわち, (1)離別, 未婚, 仕事問題や経済的理由, あるいは男女間の問題を背景とした20歳代と40-50歳代男性における自殺率の上昇, (2)配偶者の死別や家庭内孤立などを契機にした70歳代女性の自殺率上昇が推測された. さらに, (3)A地区村部では高齢自殺者が特に女性で多く, 健康問題と共に前述の配偶者の死別による孤独, 家庭内孤立, あるいは鬱傾向等の村部特有の要因があることも推測された. A地区の自殺対策ではこれらの要因を踏まえた対応が必要と考える.
著者
足立 壮一
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.224-230, 2015 (Released:2015-10-21)
参考文献数
22

日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)は,2003年に4つのグループ(TCCSG,CCLSG,KYCCSG,JACLS)の共同研究組織として,全国統一の臨床研究を推進することを目的として発足した.2002年に厚生労働科学研究費として採択された「小児造血器腫瘍の標準的治療法の確立に関する研究」班(主任研究者;堀部敬三)のもとに,データセンターが整備され,日本小児血液・がん学会疾患登録事業の登録システムと連動し,web登録システムを導入して,質の高い臨床試験登録を遂行中である.また,中央診断システム(病理,免疫,分子診断等)を確立し,余剰検体の細胞保存も行っている.急性白血病では,2004年から,乳児急性リンパ性白血病(ALL),フィラデルフィア染色体(Ph1)陽性ALL,急性骨髄性白血病(AML)(急性前骨髄性白血病(APL),ダウン症候群に合併した急性骨髄性白血病(ML-DS),ML-DS以外の初発のde novo AML)で全国統一臨床試験を施行し,それぞれ後継の臨床試験を遂行中である.T細胞性ALL(T-ALL)は,2011年から成人の日本白血病研究グループ(JALSG)と共同研究でALL-T11を開始し,2012年から小児がんの中で最も患者数の多いB前駆細胞性ALLに対する全国統一臨床試験(ALL-B12)の臨床試験を遂行中である.再発白血病(ALL, AML),に対する臨床試験も遂行中で,2015年5月31日現在で,2209例の臨床試験登録が行われた.
著者
中谷 勇哉
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.167-177, 2015-03-31 (Released:2017-01-25)
参考文献数
14

本発表の目的は, 与えられたテーマ(「現代日本にある多様な文化はそれぞれ, 情報技術とどのような相互作用を持っている(あるいは持っていない)」)のであろうか)について, 知覚の変化という観点から, 現代を「メタ複製技術時代」として捉え考察することである。事例としては, 初音ミクのライブを扱う。そのなかでまず, 既存の初音ミク論について整理した後, フラッシュモブとハクティビズムという現代の文化現象が, ロックフェスティバルとハッカー文化にその原型をもっていること, そしてそれらの関連性について述べる。その後それらのことから, 複製技術時代からメタ複製技術時代への移行と音楽聴取形態の変容が関連して起きていることを示す。また, 以上の議論から, 文化領域における情報の価値についても考察を試みる。
著者
村上 弘
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_117-1_140, 2016 (Released:2019-06-10)
参考文献数
57

日本の政治学教育 (主権者教育) について, 目的, 内容, 手法 (教え方) を整理し, 見解を述べるとともに, とくに内容の面について, 2点を中心に考える。第1に, 教えるべき項目群を民主主義, 市民社会などの政治理念から体系的に導出できないか試みる。第2に, とくに日本で理解が弱いと思われる 「多元的民主主義」 や, その具体的な理解につながる政治権力への批判的視点や政党システムに関する教育について, 内容や教え方を検討する。    教える内容について, とくに高校までの段階では 「政治的教育の中立性」 による制約があるが, 中立性と, 多元的・批判的な見解の紹介とは両立しうる。多元的民主主義や政府への批判的視点は, 政治史, 政治思想, 政治制度, 比較政治などを通じて理解してもらうべきだ。各政党の論評が難しい場合には, 政党システムや 「左と右」 の座標軸を教えることで, 政治を比較し判断する視点を身に付けてもらうこともできる。    教え方については, 複数の情報や見解をもとに考え議論する力を付けさせるとともに, 集団作業, 政治参加, 市民活動などの経験を促すこと自体が有効である。
著者
鈴木 拡 湊 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.54, pp.1-7, 2009-05-19
参考文献数
11
被引用文献数
1

二分決定グラフ(BDD)は,論理関数のグラフ表現であり,大規模な論理関数データでも比較的コンパクトなデータ構造として表現できる.さらに,BDDの特殊な型であるゼロサプレス型BDD(ZDD)は組合せ集合データの表現・処理に適しており,情報科学における様々な問題に応用できる.その一つの例が制約充足問題である.制約充足問題を解くために多くのアルゴリズムが考案されているが,その一方で,解集合の解析や新たな制約を加えて別の制約充足問題を解くということは,また別の問題として残っている.そこで,BDDまたはZDDで解全体を同時に表現することで,それらを効率よく行う方法を述べる.本稿では,古くから親しまれてきたペントミノパズルを取り上げ,これを制約充足問題として定式化した上でBDDとZDDに基づいた解法を示す.
著者
柳原 恵
出版者
日本オーラル・ヒストリー学会
雑誌
日本オーラル・ヒストリー研究 (ISSN:18823033)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.99-119, 2014-09-06 (Released:2018-12-10)

This paper focuses on the anniversary of the death of a peasant soldier and his mother, called Senzo-ki, observed by Urara-Sha Reading Group in Kitakami city, Iwate prefecture, and reveals how local feminists question the relationship between war and women in Iwate by analyzing the life stories of two local feminists in the reading group; Obara Reiko and Ishikawa Junko. They consider that wartime sexual violence against women is linked to peacetime gender inequality, and reinterpret women's experiences of war in Iwate from a feminist perspective. Senzo-ki is neither an event to honor the spirits of the war dead nor a peace movement characterized by maternalism like many other women's movements in Japan. Succeeding to the history of postwar peace movements in this area critically, it objects to the militarization of women.
著者
池田 久美子
出版者
信州豊南短期大学
雑誌
信州豊南短期大学紀要 = Bulletin of Shinshu Honan Junior College (ISSN:1346034X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.105-122, 2001-03-03

本を読ませ、「疑問・分からないことを書きなさい。」と指示する。それに応えて学生は、自分が分からないと感じる事柄を書く。この、学生が分からないと感じる事柄は、多様である。だから、それぞれの分からなさに対してどう指導すべきかも、多様でありうる。どう指導すべきかを考えるためには、学生の分からなさの実態を知らなければならない。分からなさの実態=症状に基づいて、どこでどうつまずいているかを診断しなければ、的確に指導=治療することは出来ない。学生の思考の実態を診断する診断学が必要である。本稿では、学生が分からないと感じる事柄を分類する。分類してみると、そこに複数の型を見出すことが出来る。この型は、指導方法の違いに対応する。型が違えば、指導方法はそれに併せて変わる。型は、的確な指導方法を構想するための手がかりである。
著者
草野 英昭 立木 孝 村井 和夫 千葉 秀樹 石川 健
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.621-626, 1995-12-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15

The patients with noises in the head were studied and compared with those who have monaural or binaural tinnitus.The subjects were 299 patients, from September 1993 to October 1994, with sensorineural hearing loss with tinnitus. They were divided into three groups.Group A: 20 (9 males and 11 females) patients with noises in the head.Group B: 70 (45 males and 25 females) patients with binaural tinnitus.Group C: 209 (96 males and 113 females) patients with monaural tinnitus.The results were as follows, 1) The mean age in group A was more than 10 years higher than that in group B and group C.2) There was no difference in the average hearing level between three groups.3) The audiograms in group A showed a high tone gradual loss more than those in group B and group C.4) There was no significant difference in the mean age and average hearing level between group B and group C.As the results above, noises in the head were somewhat different from tinnitus and were often found in the elderly people. So it is likely that noises in the head have something with degenerative changes with aging.
著者
竹井 和人 甲斐 義浩 政所 和也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.Ab1080, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 上肢挙上運動時の上腕骨と肩甲骨の規則的な運動は,腱板を代表とする肩関節周囲筋の協調的な活動によって成り立っている。従来の報告では,上肢挙上運動に外部負荷を加えることで,肩関節周囲筋の筋活動性を変化させても肩甲上腕関節や肩甲胸郭関節の運動は変化しないことが示されている。すなわち,正常な関節運動は筋活動性の増減に依存せず,筋活動の至適調節によって再現される可能性がある。しかしながら,筋活動の至適調節能の破綻によって肩関節運動が変化するか否かは不明である。そこで本研究では,上肢挙上運動への関与がすでに確認されている肩外旋筋に焦点をあて,肩外旋筋疲労による活動調節能の破綻が肩甲上腕関節および肩甲胸郭関節の運動におよぼす影響について検討した。【対象と方法】 対象は,健常成人男性18名の利き手側18肩(平均年齢20.4±1.9歳)とした。被験者は,体重の約5%に相当するダンベルを用いて,側臥位にて反復外旋運動を可能なかぎり行った。外旋運動後,筋力測定(ハンドヘルドダイナモメーター)によって外旋運動前より70%以上の筋出力低下(筋疲労)を確認したのち,ただちに上肢挙上運動時(肩甲骨面挙上)の肩甲上腕関節および肩甲胸郭関節の運動学的データを計測した。測定には,磁気センサー式3次元空間計測装置(3SPACE-LIBERTY,Polhemus社製)および解析ソフトMotion Monitor(Innovative Sports Training社製)を用い,上肢挙上運動5°ごとの肩甲上腕関節挙上角(GHE),肩甲骨上方回旋角(SUR),肩甲骨後方傾斜角(SPT)を求めた。磁気センサーは,胸骨柄,肩峰,上腕骨三角筋粗面にそれぞれ工業用両面テープを用いて強固に貼付した。センサー貼付後,上腕骨,肩甲骨および胸郭における骨格ランドマークのデジタライズ処理によって,解剖学的な座標系を求めた。運動軸は,International Society Biomechanics推奨のISB Shoulder recommendationに従い定義し,上肢挙上角(胸郭と上腕骨のなす角)5°ごとのGHE,SUR,SPTを算出した。なお,測定は反復外旋運動前後にそれぞれ2回計測し,平均値を代表値として採用した。統計処理は,各測定値の再現性について,2回の測定値から級内相関係数(ICC)を求めた。また,各測定値(GHE,SUR,SPT)の外旋筋群疲労前後の比較には,二元配置分散分析およびBonferroniの多重比較検定を採用し,危険率5%未満を有意差ありと判断した。【説明と同意】 対象者には研究の趣旨と内容,得られたデータは研究の目的以外には使用しないこと,および個人情報の漏洩に注意することについて説明し,同意を得た上で研究を開始した。【結果】 各測定値のICCは0.99(95%CI:0.96-0.99)で,極めて高い再現性が確認された。上肢最大挙上時の各測定値の平均は,GHEが疲労前84.5±8.2°,疲労後82.1±9.8°,SURが疲労前39.8±5.4°,疲労後39.9±5.4°,SPTが疲労前26.2±7.5°,疲労後24.4±6.3°であり,筋疲労前後での有意な差は認められなかった。上肢挙上角5°ごとのGHE,SUR,SPTを外旋筋群疲労前後で比較した結果,SURは挙上10°から60°の間で,疲労前と比べ疲労後で有意に高値を示した(p<0.01)。一方,GHEおよびSPTでは疲労前後で有意な差は認められなかった。【考察】 本研究の結果より,外旋筋疲労によって上肢挙上60°までの肩甲骨上方回旋角が有意に高値を示した。肩関節外旋筋の1つである棘下筋は,肩甲上腕関節の動的安定化に貢献する重要な筋である。また棘下筋の役割は,肩外旋運動や安定化作用のみならず,上肢挙上運動時の動作筋としての作用を合わせもつことが報告されている。さらに,上肢挙上運動における棘下筋の筋活動性を分析した先行研究では,挙上60°から90°の間でピークに達することを述べている。すなわち,肩甲上腕関節に作用する棘下筋の活動調節能の破綻は,上肢挙上運動に伴う肩甲骨運動の変化をまねくこと,また棘下筋が活動性を高める上肢挙上60°まで肩甲骨上方回旋を増加させることが示された。【理学療法学研究としての意義】 肩甲上腕関節に直接作用する外旋筋の筋疲労は,肩甲骨運動の変化を招くことに留意する必要がある。