著者
永野 和男 天花寺 博司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.1-11, 1986-12-20

学習反応データの処理については,これまで統計的手法が主であったが,学習診断においては,教師の扱っている情報のほうが,実際にコンピュータにデータ化し入力できる情報より質・量ともに上回っているため,教師が主観的に判断した値や,判断過程そのものをパラメータとして扱えるようにする必要がある.本研究では,学習項目の関連情報と学習反応データをあらかじめ蓄積しておいた場合に,これに基づいて,教師の学習診断をシミュレートするシステムを開発した.このシステムは,1)会話形式で定義した項目関連構造から自動的に診断ルールを生成し,これを用いて診断を実行する,2)学習反応データに対応する下位目標の達成度を求める場合には,必ず教師の主観的判断を問い合わせる,3)判断ルールを蓄積しておき,以後の診断に再利用できる,4)教師でも利用できるように,なめらかな日本語会話で動作する,の特長をもつ.このシステムが実用にたえるものであるかを評価するために,実際の中学校数学の授業で収集した34時間分の学習データを用いて,1クラス全員について,診断を試みた.その結果,ほとんど教師の予測と一致した診断結果が得られた.このシステムは,教師の入力した診断ルールにより,診断過程をシミュレートしていることになるが,エキスパートシステムのようにベテラン教師の診断をまねるのではなく,教師自身に診断過程を明示し,意識化させる訓練システムとしての機能ももつことがわかった.
著者
土屋 正彦 栗田 繕彰 深谷 晴彦 大河内 正一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1087-1093, 2013-12-05 (Released:2013-12-28)

水は種々の特異性をもつことが知られており,液体中にもクラスターが存在することが推定されているが,その大きさやサイズ分布は確認されていない.液体イオン化質量分析法は液体表面及び気相中のクラスターを区別して測定できるので,室温(23~25℃),大気圧下での水のクラスター(H2O)nの測定,解析を行った.液体表面には,水の分子数nが30前後までのクラスターが連続的に存在し,その水分子数の平均値(N)は15~17であった.気相中にもクラスターが存在するが,液体表面よりは小さくなり,液面から遠ざかるほどクラスターは分解して小さくなる.これはArガスが逆方向に流れているので,単位空間中の水の絶対量が減るためである.試料流量を増加すると,イオン量は若干減るが相対的に大きなクラスターが少し増える.また,第2質量分析計(Q3)でさらに大きなクラスター(N=27)が観測された.クラスターは水素結合により生成するので,大気圧下では水はクラスターとして蒸発し,水量が多くなれば湯気や霧のような水分子の集合体になり,減れば分解すると考えられる.このクラスターの存在が水の特異性の主な原因の一つといえよう.
著者
東京市商工課 編
出版者
東京市
巻号頁・発行日
vol.前編, 1930
著者
佐々 真一
出版者
物性研究・電子版 編集委員会
雑誌
物性研究・電子版
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-24, 2015-02

自然現象の背後にある単純な法則を見出し体系化するのが物理学である。現在、その体系は相当整備されているように見える。例えば、舞い落ちる銀杏の葉っぱを見てみよう。複雑によろめいているが、流体力学の方程式と境界条件で記述されるのは多分間違いない。あるいは、原子分子の世界でシュレーデンガー方程式の記述、いやいや、クォークの世界でゲージ場による記述…などもきっと正しい。現象の背後にある法則を求める場合、どこまで後ろにまわるのも自由であり、自分が好きなところで法則を書けばよい。こうしてできあがってきた基本法則群を眺めると、フロンティアは常にあるものの、物理学の牙城は万全なように見える。ところで、ある現象に対して、どの基本法則に拠っていいとしても、それらは同じ現象を記述しているはずである。その事実は説明できるのだろうか? そもそも、基本法則と基本法則を結びつける法則はどうなっているのか? 明日の研究にすぐに役立つわけではないが、普段考えないようなことをゆっくり学ぶ機会にしたい。
著者
Yoichi Kubota Masanobu Sekita Tomoyasu Matsuda Atsuo Shimizu
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
Journal of Historical Studies in Civil Engineering (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.75-86, 2006-06-15 (Released:2010-06-04)

Oyaguchi Watersupply Tower, which was established by Aratama Municipal Union for Watersupply, has been known as one of the unique landmarks in the northwest area in Tokyo, but the Watersupply Bureau of Tokyo Metrpolitan Government decided to renew the structure according to their new plan for watersupply in case of emergency. This tower was planned by Eiji Nakajima, Dr.Eng., and designed by his successors after changes in two times. Its design consists of unified body of water tank and tower, and it was constructed by applying quasi-arc welding method, which was cutting-edge technology at that time. It was proved also that its form and details have an architectural style called Romanesque to make itself look.unique.
著者
渡辺 恒夫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.478-483, 1998-02-28 (Released:2010-07-16)
被引用数
6 or 0

Having defined the distinction between hypnagogic imagery and dreams, a preliminary study on the individual differences in the experience of visual hypnagogic imagery was conducted. (1) A questionnaire on visual hypnagogic experience was administered to 796 students. The results suggested that previous researches on the incidence of this experience might have suffered from ambiguous definitions. (2) The Scale of Mental Imagery (Hasegawa, 1992) was administered to 330 of the same students, Eysenck Personality Questionnaire to 305 students, and S-A Creativity Test (Sozosei-shinri-kenkyukai, 1969) to 221 students. The frequency of hypnagogic experiences was significantly associated with the scores of “the vividness of mental imagery”, “neuroticism”, and “creativity”. (3) Based on these results, a proposed research problem on hypnagogic imagery was discussed.
著者
木村 有美子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
樟蔭国文学 (ISSN:03898792)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.55-71, 1986-01-10
著者
金子 真理子
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.69-89, 1999-10-15 (Released:2011-03-18)

This paper analyzes the processes in the classroom, in which the teacher's evaluation affects pupils' involvement in various activities at school. In this paper, I aim to understand social meanings of evaluation in the classroom. In so doing, I hope to shed new light on the sociology of school.Based on ethnographic research conducted at an elementary school, I found the following:1) Among pupils, their recognition of teacher's evaluation is differentiated, because evaluation in the classroom is getting multifarious and the criteria of report cards are not open to pupils.2) Patterns of pupils' reaction to the teacher's evaluation are differentiated based on both “pupils' recognition” and “grades on test”. Differentiation of pupils' reaction to evaluation is a result of pupils' strategies, based on their own recognition, for making difference and getting a respectable position in the classroom. For example, lowly-graded pupils recognize their teacher's evaluation in everyday life positively and react to it accordingly. Through such strategies in dealing with teacher's evaluation, pupils make their own positions in the classroom as a social space.3) Pupils' involvement in school activities is differentiated, depending on patterns of their reaction to the teacher's evaluation.As is discussed above, the process of evaluation in the classroom is a social interaction process. Lastly, I suggest that this process makes various patterns of pupils' adjustment to school, and on the other hand it can cause a part of “self-selection”.
著者
桑原 信之 関 邦博 青木 清
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.87-97, 1986-10-15 (Released:2010-10-13)

ネコの睡眠覚醒に関する研究はこれまでに多くの報告があるが, 生物リズムとしての時間生物学的研究はきわめて少ない.それは, これまでの研究の多くが臨床的な睡眠に関する脳波学的基礎研究であったことと, 長期間の脳波の安定したポリグラフ記録を安定した環境制御の下で行うことが難しく, 比較的短時間の記録に留まっていたことによる.本研究は, 安定した環境制御下で恒明 (LL) , 恒薄明 (dimLL) , および明暗 (LD) 条件の位相変化時におけるネコの脳波, 筋電図, 眼球運動, 心拍, 呼吸, 脳温をポリグラフにより長期間記録し, これらの指標をもとに単位時間ごとの総睡眠量 (TST) で表される睡眠覚醒リズムと体温 (脳温, Tb) リズムの解析を行った.本研究により以下のことが明らかとなった.明暗条件下 (LD12: 12) では, TSTの時間的変化の型は双峰性であったが, 明期のTSTは暗期に比較して有意に少なく, 夜行性のサーカディアンリズムを示した.Tbは暗期に高く明期に低くなる夜行性のサーカディアンリズムを示した.TSTとTbのリズムは, 明暗の位相を6時間前進および後退させると, 1週間前後の移行期を経て新たな明暗サイクルに同調した.連続照明 (恒明) 条件下では, TSTとTbのリズムはその当初自由継続を示し, 時間経過とともに減弱して消失し, サーカディアンリズムに重畳していたウルトラディァンリズム成分のみが残った.このことは, 長期間の恒暗 (DD) 条件下での実験結果 (Kuwabara et al., 1986) と類似している.自由継続は65 luxの恒明 (LL) 条件下で約8日間, 1.0luxの恒薄明 (dimLL) 条件下で2週間以上持続し, 照度による違いがみられた.これらの結果はTSTとTbが内因性の時計機構の存在を反映する指標であることを示唆している.また, TSTとTbのリズムの変化の時間的なずれは, TSTとTbのサーカディアンリズムは独立なものであることを示唆している.明暗位相の変化に対する同調における移行期, 恒明恒暗における自由継続, および照度による自由継続の違いは, サーカディアンリズムの特徴に関する経験則と一致する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.915, pp.40-43, 2016-06-23

インターネット専業銀行のジャパンネット銀行は2016年1月から、勘定系システムの定期メンテナンス(保守)作業によるサービス停止時間を、これまでの3時間(180分)×年6回から、15分×年1回と大幅に減らし、「ほぼ無停止」を実現した(図1)。 同行 IT本部 開…
著者
斎藤 伸雄 三田 虎史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.54, pp.15-22, 2005-05-27
被引用数
5 or 0

インターネットの隆盛や,XMLの普及,オフィス文書の電子化の促進など,近年,情報処理技術においてデジタルドキュメントを取り巻く環境は急速に変化してきた.当研究会でも,状況の変化に併せて様々な研究報告が行われており,研究報告対象の変化の流れは,デジタルドキュメント環境の変化に同調しているはずである.そこで,研究報告の流れを確認すべく,デジタルドキュメント研究会発足以来これまでの研究報告252件の抄録情報に出現してきた言葉について,データマイニングツールを用いて解析を行い,年代ごとに研究報告のトピックを俯瞰したので,それらの傾向について報告する.The Internet becomes popular, XML spreads, the office document is made electronic, and the environment that surrounds a digital document that relates to information processing technology has changed rapidly in recent years. Various research reports were done changing in the situation. The change to be researched is sure to be tuned to the change in the digital document environment.Then, to confirm the flow to be researched, the word included in 252 abstract information that had been reported in the digital document society was analyzed with a data mining tool. It takes a general view of the topic that appears every age, and it reports on those tendencies.