著者
工藤 彰 岡田 猛 ドミニク チェン
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.573-590, 2015-12-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
43

The purpose of this study is to investigate the writing style and revision process ofa contemporary fiction writer from a cognitive science perspective. We focus on the work of Mishima Prize winning author, Otaro Maijo. Using Type Trace, a text editor devised by Dividual Inc., as an analysis tool for observing the writing process, we con-sider features that have not been detected by creative experiment, protocol analysis or manuscript research. Based on observations of Maijo’s writing process, firstly revisions are categorized as additions, deletions, substitutions, distributions, or consolidations. Secondly, revisions are further classified as “revisions at a generative point”, “revisions in a generative sentence”, “revisions in a generative paragraph”, or “revisions beyond the generative paragraph”, according to the remoteness of the revision from the point of composition. The results reveal that revisions such as the substitution of words and adjustments in sentence length were mostly performed together with text generation. All revisions that were made after an interlude took the form of revisions far removed from sentence generation. We find that Maijo’s writing style tends to be maintained for several weeks to months and then changes substantially.
著者
笠原 禎也
出版者
金沢大学地域連携推進センター
雑誌
金沢大学サテライトプラザミニ講演記録
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, 2008-11-01

2007年9月,宇宙科学研究機構(JAXA)は,アポロ計画以来最大規模の月探査衛星「かぐや」を打ち上げた。本講演では,同計画に共同プロジェクト研究員として参画し,月周辺電波計測装置(WFC)の開発を担当した総合メディア基盤センター准教授・笠原が,約10年の歳月をかけた衛星・観測機器開発から月探査実現までの道のりと,「かぐや」がとらえた「月」と「宇宙」の姿を紹介する。
著者
瀧 健治 有吉 孝一 堺 淳 石川 浩史 中嶋 一寿 遠藤 容子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.753-760, 2014-12-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
13

マムシ咬傷は一般に広く知られているが,全国での発生件数やその治療法は今なお不明確である。目的:本邦のマムシ咬傷の治療法を含む現況を検討する。方法:全国の二次・三次救急病院9,433施設に調査票を郵送し,2007年4月から10月までのマムシ咬傷症例について,発生状況,治療内容,転帰などを調査した。回答率47.2% 975症例のうち,詳細な回答が得られた178症例(18.1%)を分析対象とした。結果・考察:受傷時に応急処置をして,できるだけ早く受診することがすすめられた。治療法は施設によってさまざまであるが,セファランチン®と抗マムシ血清の投与の有無で咬傷による腫脹,腫脹のピークに至る日数,入院日数に差はなかった。しかし,受傷時の安静の必要性はなく,むしろ応急処置や初期治療の必要性が明らかとなった。結語:全国調査でマムシ咬傷の治療法に再考が必要と示唆された。
著者
福澤 光祐
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.318-321, 2017-07-20 (Released:2018-01-01)

これからの社会は,より変化の激しい世の中となることが様々な専門家から予想されている。高大接続改革は,このような次代を担う若者たちに,新たな価値を創造できる力(学力の3要素)を育むことを目的として,高等学校教育,大学教育,そして大学入学者選抜の三者を一体的に改革するものである。本稿では,多岐にわたる改革の中から,大学入学者選抜の改革の一つであり,平成29年5月16日に公表された「大学入学共通テスト(仮称)」の検討状況を中心に,お伝えするものである。

214 214 4 0 IR 纏足とハイヒール

著者
吉岡 郁夫
出版者
筑波大学比較民俗研究会
雑誌
比較民俗研究 (ISSN:09157468)
巻号頁・発行日
no.19, pp.135-140, 2003-11

中国には古来、女性の足を人工的に小さくする纏足の習俗があったことは、日本でもよく知られている。この習俗は漢民族の間に広く根強く定着し、近年になってようやく頽れた。一般には、この習俗が中国以外で行なわれたことがないという理由で、世界的に特異なものとみる傾向がある。・・・
著者
米山 美智代 八塚 美樹 石田 陽子 新免 望 原 元子 松井 文
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.27-35, 2007-03
被引用文献数
3

「フットケア」とは足浴,爪きり,マッサージ,ツボ押しなどの総称で,その言葉は既に我が国でも一般的であり,足の健康への関心は高まりつつある.医療分野における「フットケア」の意義や有効性に関する研究が伸展しつつあるが,健康人を対象とした研究は少なくさらに生活習慣との関連をみた研究は皆無である.そこで,健康な大学生を対象として実態調査を行い,生活習慣と足のトラブルやフットケアの関連を明らかにする目的で本研究を行った.同意が得られた大学生623名に対し,独自に開発したアンケート調査を実施し,439名(70.4%)から有効回答を得た.その結果,足のトラブルを訴える者は女性226名(85.0%),男性87名(50.0%)で女性に有意に足のトラブルを訴える者が多かった.特に,「冷え」147名,(55.3%)「むくみ」131名(49.2%),「靴擦れ」95名(35.7%)が多く,足にマニキュアをしている者やパンプスなど先の尖った靴を履く者に足のトラブルの発生率が有意に高かった.また,足マッサージ,爪の手入れ,指圧等の足の手入れを行なっている者は,全体で238名(54.5%)おり,足にトラブルをもつ者と有意に関連があったが,フットケアに関する読み物への関心は97名(22.2%)と低かった.今後,足の観察,適切な爪の切り方や手入れの知識と技術等フットケアの専門家の育成,医療スタッフに対するフットケアの必要性と方法の教育を含めた健康人へのフットケアに関する健康教育に必要性が示唆された.

189 186 0 0 OA 破船

著者
久米正雄 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
vol.前編, 1923
著者
鈴木 眞一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.70-76, 2018 (Released:2018-08-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1

東日本大震災後の原発事故による放射線の健康影響を見るために,福島県では大規模な超音波検診が開始された。甲状腺検診を実施するとスクリーニング効果から一度に多くの症例が発見されるが,過剰診断にならないように,検診の基準を設定した。5mm以下の結節は二次検査にならず,二次検査後の精査基準も10ミリ以下の小さいものにはより厳格な基準を設けて,過剰診断を防ぐことを準備した上で検診を行った。その結果発見治療された甲状腺癌は,スクリーニング効果からハイリスクは少なく,かつ非手術的経過観察の対象となる様な被胞型乳頭がんは認められず,微小癌症例でも全例浸潤型でリンパ節転移や甲状腺被膜外浸潤を伴っていた。したがって,一次検査の判定基準,二次検査での精査基準さらに手術適応に関する基準などから,超音波検診による不利益は極めて少ないものと思われた。一方で発見甲状腺癌は過剰診断ではないのであれば,放射線の影響による甲状腺癌の増加ではと危惧されるが,現時点ではその影響を示唆する様な事象は得られていない。以上より,放射線被曝という特殊状況下で検診を余儀なくされたにも関わらず,厳格な基準を設定しこれを遵守しながら実施することによって,過剰診断という不利益を極力回避できていることがわかった。
著者
林 信太郎
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

ブラタモリとはどういう番組か?「ブラタモリ」は NHK総合テレビで2008年から放送されているエンターテインメント・教養番組で,その視聴率は時として15%を超える。タレントのタモリ(以下タモリさん)がNHKの若手アナウンサーとともに各地を“ブラブラ”歩きながら謎解きをし,様々な発見をする。また,「案内人」という解説者の問いかけにより番組が進行する。謎解きの「お題」には,しばしば地質学や地理学に関連したものが登場し,地球科学のアウトリーチに大きな効果を発揮している。講演者は「#81 十和田湖・奥入瀬~十和田湖は なぜ“神秘の湖”に?~」メインの案内人として登場した。「ブラタモリ」:私の印象と案内人の責任 私の印象:番組中で見せるタモリさんの地球科学に関する広い知識は本物と強く感じた。また,タモリさんの発見能力,対象をじっくりと思考する真摯な態度は,たいへん印象に残った。また,案内人の私にコンタクトを取る以前に,担当ディレクター(地球科学の非専門家)は,文献から得られる情報はほとんど調べつくしていた。 案内人の責任:案内人には番組の科学的妥当性を担保するという社会的責任がある。「ブラタモリ」は地球科学者の視聴率も高く,常に誤りがチェックされている。実際,「ブラタモリ」と同時進行で,ツイッターで批判的意見をつぶやく地球科学関係者は多いし,自分でもたいへんそれを楽しんでいる。しかし,自分が案内人の場合はそのプレッシャーがことごとく自分にかかってくるのである。 番組の正確性の担保のため,案内人は調査に多大な時間をかける。講演者の場合,十和田湖や奥入瀬に関連した書籍や論文を100編以上参照した。また,案内人はこの他にロケハンやリハーサルの作業にも付き合い,番組の正確性を担保する。現場の確認(ロケハン)のために合計4日間,現地での(タモリさん抜きでの)リハーサルや最終確認のために3日を要した。実験とブラタモリブラタモリの番組内ではしばしば実験が解説の手段として用いられる。「#81 十和田湖・奥入瀬~十和田湖は なぜ“神秘の湖”に?~」では,カルデラ湖のでき方をココアとコンデンスミルクを用いて説明した。ココアの山の中にコンデンスミルクで見立てたマグマを置き,それを下から抜き取ることでカルデラ陥没を起こすという実験である。この実験は小中学生を対象に何度も試行したことがある。これまでの授業経験から,言葉での説明や図解でカルデラのでき方を理解させることが難しいことはわかっていた。そのため,番組にこの実験は必須だった。視聴者やタモリさんに,カルデラのでき方について納得させるだけではなく,ココアでできたカルデラの形状の観察も番組のその後の部分に繋がった。ブラタモリで実験が採用されるための必要条件? じつは提案はしてみたが,番組に採用されなかった実験も多い。その1例として「パリパリ溶岩実験」がある。先端を溶融したガラス棒を水につけ水冷破砕させるという実験である。ブラタモリの他の回の番組で2度提案したが,どちらも不採用だった。 「パリパリ溶岩実験」不採用の理由として考えられることは,「パリパリ溶岩実験」は1)ビジュアル的に地味である,2)ガラスと水という素材はあまり印象的ではない,の2点が挙げられる。もちろん,単に番組の編集作業の過程で提示する時間がないため削られただけという可能性もある。ブラタモリとアウトリーチ地球科学分野におけるアウトリーチ活動は, 1)研究資金の獲得;2:後継者の育成;3:一般社会に認知してもらうことの3点で重要である(鎌田,2004)。そのために地球科学で得られた成果を科学者の側からわかりやすく発信していく必要がある。ブラタモリのアウトリーチ効果は2つある。第1にブラタモリは多くの国民が視聴し,科学者の努力では到達し得ない多くの国民へのアウトリーチが可能である。第2に科学者に対する教育効果が大きいことがあげられる。ディレクターは番組をわかりやすくするために徹底的に努力し,科学者の側はそこに啓発される。また,担当ディレクターとのやり取りの中で,わかりやすさと正確さを両立させる方法を体験的に学ぶことができる。 ブラタモリの案内人になることは,多大なエネルギーと時間を使うことである。しかしながら,その大きなアウトリーチ効果を考えると(声がかかった)研究者は積極的に応じるべきであろう。
著者
相澤 直樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.215-224, 2002-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
31
被引用文献数
3 8

本研究では, 誇大特性と過敏特性からなる自己愛的人格項目群を作成し, 自己愛的人格の構造を検討した。まず, 67項目からなる自己愛的人格項目群を作成し, YG性格検査の10下位尺度とともに一般の大学生・大学院生545名に実施した。得られたデータにプロマックス回転による因子分析を施したところ,“対人過敏”,“対人消極性”,“自己誇大感”,“自己萎縮感”,“賞賛願望”,“権威的操作”,“自己愛的憤怒”の7因子が抽出された。その後, これらの下位尺度について, 項目一総得点問相関とα係数を用いて内的一貫性を検討した。また, YG性格検査との関係を検討したところ, 各下位尺度の併存的妥当性が確かめられた。次に, 共分散構造分析を用いて自己愛的人格項目群の潜在変数に関するモデルを検討した。モデル1は, 2つの独立的な潜在因子が別々に誇大特性下位尺度と過敏特性下位尺度を規定するという仮説から構成された。モデル2は,“誇大自己”と“萎縮自己”の2つの自己イメージから“自己愛的傷つき易さ”が生じるという潜在因果関係により構成された。分析の結果, 両モデルにおいてすべてのパス係数は有意な値を示したが, 十分な適合度 (GFI) を示したのはモデル2のみであった。以上の結果について, 誇大特性と過敏特性を含む自己愛的人格を包括的にとらえる視点から考察を行った。

95 95 95 16 OA 薬品名彙

著者
伊藤謙 著
出版者
国文社
巻号頁・発行日
1874

103 94 5 0 OA 河童

著者
芥川龍之介 [著]
出版者
芥川龍之介
巻号頁・発行日
1927
著者
尾方 隆幸
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

ブラタモリは,地理学的事象や地質学的事象をわかりやすく学ぶ機会を一般市民に提供し,地球科学の裾野を広げることによって,アウトリーチや生涯学習に高く貢献している。番組で扱われるストーリーは地理学や地質学のトピックスを多く含んでおり,それらが文学・農学・工学など,地球科学以外のトピックスともシームレスに連結している。地球科学のストーリー(ジオストーリー)をシームレスに構築する試みはジオパークでも盛んになされており,地球科学のアウトリーチにおいては重要な手法である。ジオストーリーを構築するにあたっては,数多くの科学的なデータに基づき,多彩なトピックスを精選する必要がある。ブラタモリで扱われる地球科学のトピックスに接するのは,一般市民だけではなく,地球科学の研究者や教育者も同様である。われわれ地球科学者は,自らの専門分野が番組でどのように扱われるかをチェックしており,同時に自らの専門分野が隣接分野とどのように繋がっているかを知る機会を得ている。ブラタモリのストーリーにみられる総合性とシームレス性は地球科学の教育・アウトリーチや科学コミュニケーションに対してあらゆる示唆を与えているが,それらは科学性を担保する案内人,科学的内容をわかりやすく伝える高い技術を持つ番組制作者,そして主役であるタモリ氏の高い教養に支えられている。