著者
矢武 陽子
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.197-204, 2019-02-28 (Released:2019-03-21)
参考文献数
13

2017年6月に神奈川県内東名高速道路上で発生したあおり運転等に起因する死亡事故が発端となって、あおり運転の危険性が日本で注目されている。しかしながら、同運転行為は今に始まったことではなく、古くからイギリス等で研究されてきた。そこで、この調査では、先行研究をレビューし、そこで明らかになった特徴が日本の事例で当てはまるかを検証し、日本におけるあおり運転の特徴を明らかにすることとする。過去の研究では、年齢が若い、男性、社会的階級、場所および時間、きっかけ(トリガー)が攻撃的運転の要因になっていると提唱している。本稿での事例調査は、自動車運転死傷処罰法に基づく危険運転致死傷罪(妨害目的)が適用された事件を対象とした。その結果、年齢、性別、社会的階級、きっかけ(トリガー)および運転態様については、先行研究と似たような特徴が見られたが、時間では見られなかった。
著者
板屋 民子 飯島 正雄 斉藤 貢一 正木 宏幸 青木 敦子 斎藤 章暢 安藤 佳代子 徳丸 雅一 坂東 正明
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
食品と微生物 (ISSN:09108637)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.203-212, 1992-03-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
10

A large number of Photobacterium phosphoreum (6-7 log/g) was isolated from “tamagoyaki” (a kind of nigirisushi; Japanese food) that had been lumineferous in the dark. The isolates were smeared on the surfaces of sliced “tamagoyakis”. After the incubation at 10°C for 48 hr or at 25°C for 24 hr, the surfaces became luminous. It was indicated that this abnormality of “tamagoyaki” was caused by contamination with and multiplication by P. phosphoreum.On the surface of “tamagoyaki”, the bacteria in an early growth phase in such a small number as 4 log/g luminesced. Furthermore, the luminescence was observed when pieces of squid, boiled prawn or “yakichikuwa” (a kind of food made of fishes) with the bacteria were incubated, but not observed on pickled Japanese gizzard shad. Nevertheless the the bacteria grew on the surface of tuna, but no luminescence was observed on it.The bacteria produced a small amount of histamine on squid and tuna (less than 250μg/g), and their ability to putrefy food seemed to be low.The opitmum concentration of sodium chloride for growth of the bacteria in a medium was 3%, but they grew in food containing sodium chloride less than 0.5%. When sodium chloride in the medium was replaced by potassium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride or sodium phosphate, the bacteria were still able to grow but unable to grow when replaced by potassium phosphate or sucrose. The bacteria metabolized arginine by arginine decarboxylase but not by arginine dehydrolase.
著者
小塩 真司 脇田 貴文 岡田 涼 並川 努 茂垣 まどか
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.299-311, 2016 (Released:2018-12-20)
参考文献数
95

自尊感情はこれまでの心理学の歴史の中で非常に多くの研究で取り上げられてきた構成概念のひとつである。近年では,多くの研究知見を統合するメタ分析が注目を集めている。その中でも本稿では,平均値等の統計量をデータが収集された調査年ごとに統合することで,心理学概念の時代的な変化を検討する時間横断的メタ分析に注目する。小塩ほか(2014)は日本で報告されたRosenbergの自尊感情尺度の平均値に対して時間横断的メタ分析を試み,自尊感情の平均値が近年になるほど低下傾向にあることを見出した。また岡田ほか(2014)は,近年になるほど自尊感情の男女差が小さくなる可能性を報告した。本稿ではこれらの研究の背景と研究知見を紹介し,時代変化という要因を考慮に入れたうえで今後どのような研究の方向性が考えられるのかを展望した。具体的には,研究の継続性,検討する指標の多様性,行動指標への注目,関連性の変化への注目,社会状況の変化との照合という観点が提示された。

429 429 0 0 タピオカに就て

著者
井岡 大輔
出版者
大阪釀造學會
雑誌
釀造學雜誌
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.593-600, 1925
著者
森村 繁晴
出版者
放送大学
巻号頁・発行日
2019-03-23
著者
渡辺 真由子
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.2_81-2_88, 2012 (Released:2012-12-25)
参考文献数
39

青少年による性的有害情報への接触は、インターネットの普及で容易になった。フィルタリングが必ずしも有効でないスマートフォンの登場がその傾向を後押ししており、新たな対策は急務といえる。本稿は、マス・コミュニケーションの効果研究において、性的有害情報に関する従来メディアの研究を概観した上で、ネット上の性的有害情報をめぐり海外で行なわれている研究の最新動向を伝え、ネットならではの影響特性や影響研究の限界についても分析した。性に関する情報が全て有害なのではなく、問題は、その描写内容に「性暴力」が登場するかどうか、さらには被害女性の反応をどう描くかにあることが示唆される。CGの発達やコミュニティサイトの相互作用性など、ネットの特性が生み出す実態にも目を向けねばならない。ネット上の性的有害情報への対策を技術的な規制のみに頼るのは限界がある。新たな自主規制・法規制の検討や、性情報の歪みやネットならではの特性を批判的に読み解くリテラシー教育が、家庭や学校において今後より求められよう。
著者
蒲生 恒一郎 小川 孝 衛藤 真理子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.557-560, 2008-07-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

平成15年度から17年度に提出された動物用狂犬病ワクチンの副作用報告をもとに, その傾向, 特徴等を分析した結果, 狂犬病ワクチンは市販の犬用混合ワクチンよりも副作用発現率が有意に低く, より安全なワクチンであることが確認された. また, 副作用の発現は1歳未満と10歳以上12歳以下に副作用が多いこと, 接種当日に副作用が発現しやすいこと, 特に重篤な副作用は6時間以内に発現しやすいことが明らかになった. さらに, アナフィラキシー症状は副作用報告件数の約半数を占めることが示された. これらのことから, 使用説明書の記載のとおり, ワクチン注射後当日は注意深く観察することの重要性が確認された.
著者
熊野 直樹
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

当該年度は昨年度に引き続き研究計画に従って、ナチス・ドイツの日本と「満洲国」との通商関係について、とりわけ日独のコカ貿易の実態について研究を行った。独「満」間の阿片貿易については、主に国立国会図書館憲政資料室蔵のGHQ/SCAP文書に依拠しながら、これまで実証的に明らかにしてきた。特に29年度においては、第二次世界大戦中における独日間のコカ貿易の実態について、上記のGHQ/SCAP文書を利用して明らかにした。研究成果としてわかったことは、日本がナチス・ドイツに輸出したコカが、主に沖縄、台湾、そして硫黄島で生産されていたことである。特に硫黄島では第二次世界大戦中にコカの葉が大量に栽培・生産されていた事実も明らかにすることができた。本研究の成果は、29年度に論文として公表することができた。さらに、ナチス・ドイツの麻薬政策、とりわけ阿片・モルヒネやコカインの取締政策についても阿片法の制定過程及びその実行過程を中心に研究を行った。その結果、麻薬の生産や消費が1920年代に比べて劇的に減少していた事実も明らかになった。また、ナチス・ドイツが戦時中に阿片・モルヒネやコカインをいかなる用途に利用していたかも分析した。その結果、障害者、特に障害児童の「安楽死」の際に、モルヒネが主に使用されていたことがわかった。その事実を踏まえて、ドイツの文書館で、とりわけイエナ大学大学文書館で障害児童の「安楽死」や強制断種に関連する史料を新たに発掘・収集することができた。また、モルヒネは痛みを知らず覚醒させる薬として、覚醒剤と混合して、戦場の兵士に投与されていたことも明らかになった。当該年度の研究成果として、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツの麻薬政策と日「満」との繋がりがより一層明確になったといえる。
著者
三上 岳彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.79-88, 2006 (Released:2010-06-02)
参考文献数
24
被引用文献数
2

日本の都市ヒートアイランド研究が大きく進展している.東京都心部の年平均気温は過去100年間に3°Cも上昇しており,地球平均気温の5倍の上昇率である.都市高温化の要因としては,第一に人工廃熱の増加による都市大気の直接加熱,第二に都市構造の変化,すなわち地表面の人工化や高層建造物の増加,緑地・水面の減少が挙げられる.最近行われた一連のプロジェクト研究から,都市内大規模緑地のクールアイランド効果や東京湾海風に及ぼす高層ビル群の影響,さらに高密度観測網による都内気温分布の日変化と海風による移流効果などが解明されつつある.今後のヒートアイランド問題の解明には,気候学をはじめ,気象学,建築・土木工学,医学,生態学など多くの分野における学際的な研究が不可欠である.
著者
Harumi Okuyama Yoichi Fujii Atsushi Ikemoto
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Journal of Health Science (ISSN:13449702)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.157-177, 2000-06-01 (Released:2008-04-14)
参考文献数
183
被引用文献数
16 21

Classic lipid nutrition for the prevention of chronic, elderly-onset diseases was apparently established before 1960, assuming that hypercholesterolemia is the major risk factor and that raising the polyunsaturated/saturated (P/S) ratio of dietary fatty acids is hypocholesterolemic. However, the hypocholesterolemic effect of linoleic acid (LA) was found to be transient. Furthermore, hypercholesterolemia itself is unlikely to be a serious risk factor for diseases in the elderly because serum cholesterol level is positively correlated with longevity. Instead, a high n-6/n-3 ratio of dietary fatty acids was found to increase thrombotic tendency, decrease peripheral blood flow and lead to persistent inflammation, which was proposed to be the major risk factor for atherosclerosis and related diseases. Based on animal experiments and epidemiological studies, we recommend a reduction in the intake of LA from a current value of >6 en% to half, and a reduced n-6/n-3 ratio from the current value of >4 to 2. Simply decreasing LA intake would produce the recommended n-6 and n-3 fatty acid balance in Japan due to the typical Japanese diet, but both decreasing the intake of LA and increasing that of n-3 fatty acids, particularly eicosapentaenoic acid (EPA) and docosahexaenoic acid (DHA), is necessary in Western industrialized countries for the effective prevention of atherosclerosis and related diseases, as well as of apoplexy, allergic hyper-reactivity and cancers typical in Western populations.
著者
Keitaro OHMORI Kenichi MASUDA Masahiro SAKAGUCHI Yukiko KABURAGI Koichi OHNO Hajime TSUJIMOTO
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.851-853, 2002 (Released:2002-10-04)
参考文献数
13
被引用文献数
6 8

Adverse reactions to vaccines were examined in 311 canine cases reported to the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries in Japan during the period of 6 years from April of 1994 to March of 2000, and classified according to their clinical symptoms. There were 27 cases of adverse reactions to rabies virus vaccines. Gastrointestinal symptoms were the most frequently observed (26%), followed by respiratory and/or cardiovascular symptoms (22%) and dermatologic symptoms (11%). There were 284 cases of adverse reactions to non-rabies monovalent vaccines and mixed vaccines. Dermatologic symptoms were the most frequently observed (53%), followed by gastrointestinal symptoms (16%) and respiratory and/or cardiovascular symptoms (14%). Of the total 311 cases, 11 (3.5%) died of adverse reactions to vaccines.

140 102 0 0 OA 踊獨稽古

著者
葛飾北齋 画編
出版者
雙鶴堂鶴屋金助
巻号頁・発行日
1815

葛飾北斎画・編、藤間新三郎補正の歌舞伎舞踊(所作事)の稽古本。中本1冊。墨摺り。文化12年(1815)夏、江戸・鶴屋金助板。絵師署名(本文末)「かつしかおやぢ筆」。7代目団十郞(三升)と3代目坂東三津五郎(秀佳)の序を添える。秀佳の序に「後世の令利を、ぐつと呑込蛇山の主人、画工と謀て踊独稽古の小冊を編、師の影を踏と教る躍かな、と故人の秀吟に引替、学ずして其振を覚る事」云々とある。「蛇山の主人」とは藤間新三郎と推定されるが、その決断によって、踊りの振りを図示した本書が刊行されたという。収めるところは所作事4番「登り夜舟」、「気やぼうすどん」(積恋雪関戸)、「悪玉おどり」、「団十郞冷水売」で、後編に「源太」「半田稲荷」「おかめ」「道成寺みちゆき」の4番を収める予定であったが、成らなかった。北斎の絵は、振りの説明、さらに長唄の文句を加えつつ、踊りの所作を連続的に描いたもので、踊り手が手足を引き動かすのを表すために太線を使用し、足の伸び縮みや身のひねりがよく分かるように肌の露わな姿に描くなど工夫を加えている。(鈴木淳)(2017.2)
著者
小宮山 功一朗
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.13-23, 2019 (Released:2019-07-22)
参考文献数
20

サイバーセキュリティガバナンスが重要な政治課題となる中、CSIRT(コンピュータ・セキュリティ・インシデント・レスポンス・チーム)への関心が高まっている。先行研究で繰り返された「CSIRT=サイバー空間の消防署」などの定義は変容の激しい世界において有効性を失いつつある。より普遍的なCSIRTの概念が必要である。本研究はサイバーセキュリティガバナンスの数々のレジームを目的と機能と文化という3つのレンズを通して眺めれば、CSIRTは被害者救済とシステムの復旧を目的にかかげ、機能としてインシデント対応能力を持ち、互恵主義の文化を信条とする組織群のことであると主張する。特に互恵主義の文化は他のレジームとの重要な違いであり、それが根付いた背景には、インターネットの特質がインシデント対応のための国際協力と、科学的知識の共有を要請したことがあったことを指摘する。
著者
Minoru Nakao Mizuki Sasaki Tsukasa Waki Mitsuhiko Asakawa
出版者
The Japanese Society of Systematic Zoology
雑誌
Species Diversity (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.159-167, 2019-07-25 (Released:2019-07-25)
参考文献数
35

Members of the genus Glaphyrostomum Braun, 1901 (Trematoda: Brachylaimidae) are parasites of birds. However, an exception occurs in Glaphyrostomum soricis Asakawa, Kamiya and Ohbayashi, 1988, which was described from the long-clawed shrew, Sorex unguiculatus Dobson, 1890, in Hokkaido, Japan. A recent DNA barcode-based trematode survey of land snails clearly showed that Ainohelix editha (A. Adams, 1868), a bradybaenid snail indigenous to Hokkaido, serves as the first and second intermediate hosts for a species of the genus Pseudoleucochloridium Pojmańska, 1959 (Panopistidae). Its adult stage was furthermore confirmed from S. unguiculatus. A comparison of adult morphology between Pseudoleucochloridium sp. and G. soricis revealed that both should be considered the same species. However, Pseudoleucochloridium soricis comb. nov. cannot be applied because P. soricis (Sołtys, 1952) already exists as the type species of the genus. We, therefore, propose Pseudoleucochloridium ainohelicis nom. nov. as a replacement name for G. soricis.