著者
宗岡 悠介 長谷川 潤 木戸 知紀 内藤 哲也 谷 達夫 島影 尚弘
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.8, pp.2182-2187, 2014 (Released:2015-02-28)
参考文献数
24
被引用文献数
2 or 0

小腸内胃石と胃内の胃石に対し,コーラによる溶解療法が奏効した1例を報告する.症例は74歳の男性で,嘔気・嘔吐を主訴に当院を受診し,食餌性小腸イレウスの診断で入院した.イレウス管を留置したが改善せず,経過中のCTにて小腸内に嵌頓した胃石がイレウスの原因と考えられた.イレウス管よりコーラを注入し溶解療法を試みたところ,速やかに胃石が溶解・軟化し,イレウスが解除された.また,胃内に留まっている胃石に対してもコーラによる溶解と生検鉗子・スネアを用いた破砕を併用し,安全に治療しえた.これまで胃石イレウスに対する治療には,早期診断による外科手術が必要と考えられてきたが,コーラによる溶解療法が有効である可能性が示唆された.
著者
林田 賢史 村上 玄樹 高橋 裕子 辻 一郎 今中 雄一
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.50-55, 2012 (Released:2012-03-07)
参考文献数
17

Objectives: The aim of this study was to examine which of the two groups have higher lifetime medical expenditures; male smokers or male nonsmokers. We conducted this investigation using a Japanese single cohort database to calculate long-term medical expenditures and 95% confidence intervals. Methods: We first constructed life tables for male smokers and male nonsmokers from the age of 40 years after analyzing their mortality rates. Next, we calculated the average annual medical expenditures of each of the two groups, categorized into survivors and deceased. Finally, we calculated long-term medical expenditures and performed sensitivity analyses. Results: The results showed that although smokers had generally higher annual medical expenditures than nonsmokers, the former’s lifetime medical expenditure was slightly lower than the latter’s because of a shorter life expectancy that resulted from a higher mortality rate. Sensitivity analyses did not reverse the order of the two lifetime medical expenditures. Conclusions: In conclusion, although smoking may not result in an increase in lifetime medical expenditures, it is associated with diseases, decreased life expectancy, lower quality of life (QOL), and generally higher annual medical expenditures. It is crucial to promote further tobacco control strategically by maximizing the use of available data.
著者
金 信琴 勝浦 哲夫 岩永 光一 下村 義弘 井上 学
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.9-16, 2005-02-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
32

This study measured and analyzed the amount of saliva and the taste threshold in response to lighting conditions (illuminance and color temperature) in different ethnic groups. Ten Japanese and ten Chinese healthy non-smoking male college students participated in the study. According to the results of repeated-measure ANOVA, the effect of illumination on the amount of saliva was significant in the Japanese students, and the Chinese students showed same tendencies regarding their saliva response, but not significant. On the other hand, the effect of illuminance on the taste threshold was considered significant in both these groups. Regarding the effect of color temperature, this study found significant changes in taste threshold only for Chinese. It is interesting to note that significant differences in the taste threshold regarding a salty taste were seen between the subject groups. The results of the present study indicated that the lighting condition could be considered an important parameter of taste sensation.
著者
古川 俊一 磯崎 肇
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.53-65, 2004-03-29 (Released:2010-06-15)
参考文献数
27
被引用文献数
2 or 0

政策の評価を行うに当たっては、基本的な原単位の数値が確定されている必要がある。生命価値はその最たるものであり、規制評価が政策評価の中で、主要なものとされているにもかかわらず、十分な研究蓄積に乏しい。本論文では、リスク工学の考えも応用し、第1に、死亡事故のリスクに対する「統計的生命価値」の推定モデルを探求する。第2に、自動車購入時に、使用者が評価しているリスクから「統計的生命価値」を推定する。第3に、その結果を現在我が国で主として用いられている逸失利益をベースとした人命の価値と比較し、費用便益分析においての取り扱いを考察する。道路建設等の分野における約3, 000万円という従来の人命の価値は、今回分析の結果示された「統計的生命価値」8~10億円や、質問法をベースにした場合の我が国における「統計的生命価値」において妥当な数値との指摘のある数億円と大きな格差がある。もし生命価値が、一桁高い評価を受けることになれば、規制政策等の評価結果が大きく変更される可能性がある。
著者
時事新報家庭部 編
出版者
正和堂書房
巻号頁・発行日
1930
著者
Tetsuo KIMURA Naoki MUGURUMA Tatsuzo ITAGAKI Yoshitaka IMOTO Masako KAJI Hiroshi MIYAMOTO Seisuke OKAMURA Tetsuji TAKAYAMA Jouji SHUNTOU
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1448-1454, 2008-06-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
20

症例は63歳,男性.つるし柿6個を一度に食べた後に,腹痛・嘔吐が出現し近医を受診した.上部消化管内視鏡検査にて6cm大の胃石を認めた.柿胃石と判断し,近年の報告を参考にコカ・コーラの経口摂取や内視鏡下にERCP力ニューレを用いて直接散布などを行ったところ,数個の破片に崩壊,消失する経過が内視鏡的に観察された.本疾患に対するコカ・コーラによる溶解療法は安全かつ簡便で,医療経済的にも有用な方法であると考えられた.
著者
瀧澤 毅
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.149-160, 2010-02-28

マスクを着用することがインフルエンザ感染予防に有効であるというエビデンス(科学的根拠)があるのかEBMの方法により検討した。そのため本学図書館から利用できる医中誌, JMEDPlus, 医学・薬学予稿集データベース、日経メディカルオンライン、MEDLINE, Cochrane Libraryを検索し、インフルエンザと呼吸器感染症に対するマスク着用の予防効果について、臨床論文を抽出しエビデンスを評価した。マスク着用がインフルエンザや他の感染症予防に有効であることを検証した推奨度A、エビデンスレベル1bのランダム化比較試験のエビデンスはない。これまでマスク着用のインフルエンザ感染症予防を検証するランダム化比較試験が香港とシドニーで実施されたが、いずれもマスク着用と非着用のインフルエンザ感染発症率に統計的有意差はなかった。推奨度B、エビデンスレベル2aの観察研究ではインフルエンザ予防に有効であることを示す非ランダム化比較試験とコホート研究のエビデンスがある。また、SARS感染予防に有効である可能性を示唆する推奨度B,エビデンスレベル3aの症例対照研究のメタアナリシスによるエビデンスもある。一方、手洗いの小児肺炎などの感染症予防効果については、推奨度A,エビデンスレベル1bのランダム化比較試験のエビデンスがある。WHOや米国CDCのインフルエンザ予防ガイドラインはマスク着用よりも手洗いを重視しているが、これは両者の予防効果のエビデンスレベルの違いを反映させたものである。
著者
武田 宗和 名取 恵子 諸井 隆一 原田 知幸 矢口 有乃 稲垣 伸洋
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.735-739, 2013-05-31 (Released:2013-07-26)
参考文献数
10

要旨:【症例】37歳飲酒歴のない女性。意識障害で発見され救急搬送,既往は躁鬱病と境界型人格障害。来院時ショック状態で下血を認め,緊急下部内視鏡検査で直腸から左側結腸まで全周性・連続性の発赤とびらんを認めた。翌日,薄めたウオッカ約1L(推定アルコール濃度49%)を自ら注腸したことが判明,虚血性腸炎に準じ保存的治療を選択。8病日の内視鏡検査では直腸からS状結腸までは粘膜の修復が認められ保存的治療を継続した。4週間後,下行結腸の高度な腸管狭窄を合併したため,本人との話し合いの結果,横行結腸に人工肛門を造設することとなった。【考察】過去の報告では,アルコール注入による直腸結腸炎は保存的治療で治癒することが多いとされる。本例は高濃度のアルコールが大量に注入され広範囲に腸管が傷害された上にショック状態に陥り,腸管虚血をきたしその治癒過程で腸管狭窄を合併したものと推察された。本例における治療方針に関する問題点をふまえ文献的考察を加え報告する。
著者
高瀬 恵子 吉留 厚子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.138-142, 2006-04-01
参考文献数
13

わが国では,看護学・助産学の成書および一般の育児書のなかで,哺乳瓶消毒に関して煮沸消毒,次亜塩素酸ソーダによる消毒が多く紹介されている。一方,アメリカでの哺乳瓶の取り扱いは,われわれの使用する食器と同様でよいとしている。今回の研究では簡便な消毒・洗浄方法を検索するために,電気ポットの温湯,電子レンジ,食器用洗剤による哺乳瓶の消毒・洗浄の効果を検討した。方法は,E. coli, B. subtilisを付着した哺乳瓶を電気ポットの温湯消毒(設定温度98℃,90℃,60℃),電子レンジ消毒(5分間,3分間),食器用洗剤での洗浄,ブラシのみの洗浄を行った。洗浄・消毒したのち,菌液を回収し,培養して菌濃度の推定を行った。結果,E. coli,B. subtilisでは98℃・90℃の温湯,5分間・3分間の電子レンジ,E. coliは食器用洗剤での洗浄で菌数は検出不可能であった。温湯消毒,3分間の電子レンジ消毒,食器洗い用洗剤での洗浄はいずれも有効であることが明らかになった。
著者
市原 攝子
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 = Graduate School of International Media, Communication, and Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.22, pp.19-35, 2016-03-25

In Japan, two cervical cancer vaccines were approved and implemented in 2009. The severe adverse drug reaction (ADR) of these vaccines, however, was later recognized, and consequently Japanese Ministry of Health, Labour and Welfare stopped recommending them in 2013. Using the concept of Ulrich Beck’s ‘sub-politics’, this paper argues that in promoting the vaccines the pharmaceutical industry as sub-political power, failed to provide the health benefit of reducing the risk of cervical cancer, but succeeded in achieving an economic benefit for itself. Due to its highly academic nature, the sub-politics of pharmaceutical industry has constructed a power that affects the government’s decisions on new drugs. Moreover, the pharmaceutical sub-politics evaded any responsibility for the ADR of cervical cancer vaccines because of the risk-free environment that it had created for itself. Overall this paper contends that the pharmaceutical sub-political power is unaccountable and profit-oriented.
著者
天岩 靜子 増田 桃子 Shizuko Amaiwa Masuda Momoko
巻号頁・発行日
vol.11, pp.211-225, 2013-03-31

絶対音感保有者は、ある音高を他の音高を参照することなく、音楽的音高名で即座に同定することができる。音を音階名(言語)として認識できるのである。そこで、3 種類の音(ドラム、ピアノ、階名の発声音)を聴きながら視覚的に現れる数字を記憶する課題を与え、脳前頭のどの部位が活性化するかを、fNIRS(functional Near-Infrared Spectroscopy:機能的近赤外分光分析法)を用いて測定した。前頭部位を、(1)中央の前頭葉+ 前頭前野背外側部、(2)右下前頭、(3)左下前頭に分けて検討した結果、絶対音感保有者は、非保有者に比べてピアノ音に対して敏感であり、数字の記憶課題解決の際には、ピアノ音がある場合に前頭の中央部と言語野のある左下前頭で活性化が著しく、干渉効果が認められた。絶対音感保有者は前頭の左部分で数字の記憶をする一方、ピアノ音についても同じ脳部位で処理していることが確認された。

70 70 0 0 OA 真珠夫人

著者
菊池寛 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
vol.後篇, 1921
著者
Yoshiaki NAKAMURA Kiyoshi WATANABE
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
NIPPON GOMU KYOKAISHI (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.165-170, 2011 (Released:2011-12-29)
参考文献数
8

This report introduces the feature and the technology trends of rubber cables for power generation plants and the transmission and distribution of electricity. In nuclear power plants, the radiation resistant ethylene-propylene rubber cable is used and requested longer service life, 60-80 years, for the purpose of plant life extension. In wind power plants, high voltage cable is used and required superior low temperature distortion resistance.The cables in photovoltaic power module demand the weather resistance, especially ultra-violet resistance. Halogen-free polyolefin and ethylene-propylene rubber are used. In the field of the transmission and distribution of electricity, rubber block joint is used to connect power cables, which utilizes the rubber elasticity. Ethylene-propylene rubber and silicone rubber are used in this application and it is requested to achieve both high dielectric breakdown strength, good workability which means cold shrinkable property around –40 °C, and relatively low cost.

61 61 15 0 OA 観音の霊験

著者
中根環堂 著
出版者
有光社
巻号頁・発行日
1940
著者
本間 済 河野 正司 武川 友紀 小林 博 櫻井 直樹
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.151-160, 2004-04-30
参考文献数
38
被引用文献数
8 or 0

咀嚼能力を評価するには,粉砕から食塊形成および嚥下までの全過程を観察する必要がある.しかし,これまで種々行われてきた咀嚼能力の評価方法は,その大半が粉砕能力評価を主体とした評価法であった.そこで,食塊形成能力を含めた咀嚼能力を簡易に評価できる方法を考案し,有効性の検討を行うことを目的として以下の実験を行った.食塊形成能力の指標を唾液分泌能力と舌側移送能力の2つと考え,吸水量の異なる煎餅における嚥下までの咀嚼回数が,それら食塊形成能力と,どのような関係にあるかの検討を行った.被験者は,健常有歯顎者(男性14名,女性7名)とした.舌側貯留率と粉砕度は,ピーナッツを一定回数咀嚼させ計測した.また,唾液分泌量と煎餅の嚥下までに要した咀嚼回数を計測し,それぞれの相関を求めた.結果:1.唾液分泌量と煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数との間に負の相関が認められ,唾液分泌能力の高い者は座下までの咀嚼回数が少ない事が認められた.2.ピーナッツの舌側貯留率と煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数との間に負の相関が認められ,舌側移送能力の高い者は嚥下までの咀嚼回数が少ない事が認められた.3.上記の関係は,吸水性の高い煎餅で顕著であった.以上の事より,吸水性の高い煎餅の初回嚥下までの咀嚼回数を計測するこの評価法は,食塊形成に密接な関係がある唾液分泌能力および舌側移送能力を予想する事ができた.この方法によりチェアサイドで食塊形成能力を含めた咀嚼能力を簡便に評価できることが分かった.