著者
工藤 教和
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.35-50, 2007-01

科学技術教育の制度的整備の遅れとイギリス産業の「衰退」を結びつける議論が多い。このような議論を吟味するには,具体的な技術教育組織の成立とそこで育まれた人々の実際の活躍の場を検討してみることが不可欠である。19世紀から20世紀にかけての金属鉱業技術教育と鉱山技術者について大量の観察を行なったディクソン論文の紹介を兼ねてこれを行なう。本稿では,まず前提となる19世紀後半に姿を現す金属鉱業技術教育組織の成立過程を概観する。次稿においては,ディクソンの成果を紹介しながら,それぞれの技術教育組織から育った技術者の特徴を考察する予定である。赤川元章教授退任記念号
著者
根木 哲郎 杉江 正敏 荻原 郡次
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.19-24, 1977-07-05 (Released:2012-11-27)
参考文献数
21

We lead the subjects into hypnotic state and by giving verbal suggestion how to learn and let them in calm state and then, inspected how the experiment influenced to the technic during shuting archery.First, the verbal suggestion was given to subjecs to lead them in the state of mental concentration. By means of this suggestion, the subjects became free from all ideas and thought and this brought increment of concentration and more over, the best condition to take EMG.Secondly, we inspected how the suggestion that the subject felt target situated very near just at the point of arrow effected the result.ResultMuscle activity decreased and showed steady patern. This means smoothness of muscle activity. It looks like the trained group.The average rate of hits in normal state was 48.8% and hypnotic state 62.4%.This was 14% increment. (P<0.025)
著者
谷 清隆 梅津 高朗
雑誌
研究報告高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS) (ISSN:21888965)
巻号頁・発行日
vol.2017-ITS-68, no.14, pp.1-9, 2017-02-21

滋賀県琵琶湖では戦後の経済発展に伴い,様々な環境問題にさらされており,近年では外来水草の大繁茂が問題視されている.今研究では人工衛星 LANDSAT の衛星画像を利用して,水草が新たに繁殖している場所を事前に調査員が知ることで巡回 ・ 確認作業を簡略化することを目指す.衛星画像としてアメリカの人工衛星である LNADSAT8 のデータを利用し,衛星画像を加工し水草の濃い緑色という特徴を抽出する手法の検討を行った.検討作業は OSS の GIS ソフトである GRASS GIS を用い,様々なパラメータを試して実現可能性を探った.はじめに可視光線による人間の目でみる画像に近い画像を生成する手法であるトゥルーカラー合成画像と事前に用意した琵琶湖南湖で繁茂しているオオバナミズキンバイを撮影した GPS 情報付きの写真データ 1179 枚で琵琶湖南湖に繁茂しているオオバナミズキンバイの位置を確認した.次に,実際の色とはかけ離れた色合いで表現した画像で,赤色部分に緑葉素などを効果的に抽出できるフォールスカラー合成画像を生成し,水草の特徴である濃い緑色を抽出しようとしたが,琵琶湖の水の色と水草の色が近いため特徴の抽出が難しかった.しかし,LANDSAT8 のバンド 5 に RGB の真ん中で水草の色である緑色を細かく分類することができる,EU でコカインの土地被覆を調べる際に用いられるカラーマップ (Corine) を用いることで,水草の濃い緑色を抽出し,琵琶湖の水の色と分割することができた.これを応用し,フォールスカラー合成画像生成と同様に実際の色彩とは違うが,水草を青色で着色し,その他の場所は緑色に着色することで,より水草の位置を判別しやすくなる新手法の画像処理方法を開発した.
著者
松本 翔太
出版者
法政大学大学院デザイン工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要. デザイン工学研究科編 (ISSN:21867240)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-8, 2019-03-24

The mind of budo stimulates the aesthetic sensibility of people, and emphasis is placed on the mind feeling full of spirit and resonance gestures, so we should not just ask for results. I think that it is not limited to budo. Especially kyudo gesture feels a beautiful resonance by moving on mindfulness. In this study, by performing a lingering action before and after use, we create a lighting fixture with expression created from the kyudo mind. The produced lighting performed slowly movements before and after the lighting function. I expect that not only kyudo but also design will be born from budo culture.
著者
石黒 圭 栁田 直美
出版者
一橋大学国際教育センター
雑誌
一橋大学国際教育センター紀要 (ISSN:21856745)
巻号頁・発行日
no.6, pp.151-165, 2015

本稿は、日本語教育学を学ぶ大学院生、および大学院入学を希望する大学院受験生のために、2名の執筆者が、自身の指導経験・投稿経験に基づいて、研究の進め方のヒントを紹介するものである。前半は、執筆者の一人(石黒)が、自身の指導経験をもとに、研究から論文執筆までのプロセスを紹介し、後半は、執筆者のもう一人(栁田)が、自身の投稿経験をもとに、論文執筆から投稿までのプロセスを紹介する。
著者
千住 琴音 諏訪 博彦 水本 旭洋 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1818-1828, 2019-10-15

ワンウェイカーシェアリングにおいて車両偏在問題の解決は重要な課題である.これまで,運営会社による効率的な車両移動による解決などが試みられてきたが,コスト面でのデメリットは無視できない.そこで我々は,新たなアプローチとして,潜在的利用者へ車両移動を依頼する手法を提案する.本提案は,依頼トリップの数を少なくしながら,要求トリップの成立数を最大化する問題として設定できる.提案手法の効果を検証するためにシミュレーションによる評価を実施した結果,依頼トリップの受託率が20%であったとしても,要求トリップの受託率を17%向上できることを確認した.また,依頼すべき潜在的利用者について検討するために,実証実験を実施しているパーク24株式会社から提供された利用実績データの分析を行った.その結果,利用行動パターンとして5パターン(常連,2way,分散,局所,1ルート)が存在することを明らかにした.また,そのなかでも依頼すべき利用者の利用パターンが,分散型,局所型であることを考察した.本研究の貢献は,車両偏在問題を解決するための新たなアプローチを提案し,シミュレーションだけでなく,実データの分析と合わせて議論していることである.
著者
青島 祐子
出版者
日本産業教育学会
雑誌
産業教育学研究 (ISSN:13405926)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.56-63, 1997-01-31 (Released:2017-07-18)

In accordance with the changes in the expectations for higher education for women, noticeable changes can be detected in the educational objective of junior colleges in recent years, from that of producing educated women to that of training women to enter work force. This change has evolved around various certificate programs offered mainly at junior colleges. Student can obtain certificates for teaching positions at kindergarten, primary and middle schools, as well as for librarians, dietitians, textile advisors, and secretaries. The certificate program has been included in the junior college education when the junior college education system was first established in the 1950s. At first, the emphasis of the program was to train students to become dietitians and kindergarten teachers, and the program was part of preparing students to become a homemaker. Due to the increase in the number of graduates who wish to apply for clerical positions, the certificate program for secretaries become popular among students in the 1970s. Junior colleges have recently started offering certificates for health care positions in order to cope with the current problems of the old aged society. The process of the development of the certificate program clearly indicate, how successfully the program has met the needs of the time, as well as the characteristics of the junior college education which places a special emphasis on promoting the principle of sexual division of labor. The certificate program poses various problems to he solved in the years to come. Such problems are: certificates are issued for predominantly female dominated jobs; the low percentage of graduates who make use of the certificate for employment, etc. Although a large number of students graduate with certificates in a variety of fields, the certificate program can't be said to have functioned properly as an effective means of vocational education in training young women to become economically independent. It will have to be restructed into a new type of career education so that it would successfully meet the challenges brought about by changes in young women's life styles.
著者
桑原 雅夫 井料 美帆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_493-I_505, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
17

本研究は,古の都である平安京について,人々の移動パターンと貴族の動きを定量的に解析し,考察を加えたものである.平安京については,道路ネットワークの構造や道幅など幾何構造に関することは,よく知られているものの,その中で人々がどこに立地し,どのように移動していたのかについては,ほとんど調査分析が行われていない.本研究では,まず平安京やその前の律令時代の文献に基づいて,平安京の土地利用,身分別の住居の分布を推定した.次に,土地利用や住居分布に基づいてOD交通量を推定して交通量配分を行い,平安京街路の交通量について考察を行った.また,特権階級であった少数の貴族については,一般の庶民や役人の動きとは異なることから,別途に藤原実資の小右記に基づいて再現した.
著者
佐々木 銀河 青木 真純 五味 洋一 竹田 一則
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.247-256, 2018

<p>大学の障害学生支援部署で修学支援を受ける発達障害のある学生9名を対象に、学生による修学支援の効果評価を予備的に実施した。研究の目的は、修学支援の効果を肯定的に評価した学生および修学支援の効果が見られなかった学生の特徴を明らかにすることであった。各学生に対して支援開始前(4~6月)および支援を行った後(翌年1~3月)において修学支援の効果に関するアンケートへの回答を依頼した。その結果、修学支援の後にアンケート得点の有意な増加が見られた。修学支援の効果を肯定的に評価した学生の特徴として「音声の聞き取り」や「時間管理」に関する課題を有していたことが明らかとなった。一方で、支援の効果が見られなかった学生では「講義の出席」に関する課題を有していた。今後は、講義に出席すること自体に困難を有する学生への修学支援のあり方について検討すること、修学支援の効果評価における信頼性や妥当性を向上させることが課題として挙げられた。</p>
著者
稲垣 希望 池島 徳大 田窪 博樹
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.73-81, 2017-03-31

本研究では、東(1997)が考案した問題の外在化技法としての虫退治技法の考え方を取り入れた心理教育プログラムを開発し、B小学校第6学年C学級に全7回導入し、その効果等について検討を試みた。プログラムの効果測定には、栗原・井上(2010)の「学校環境適応感尺度(ASSESS)」、庄司(1993)の「児童のself-control尺度」を用いた。その結果、「生活満足感」「友人サポート」両因子に統計的に有意な差が見られた。また、統計的に有意な差は見られなかったものの、児童らのセルフ・コントロールが若干向上した。これらの結果に加え、児童らが取り組んだワークシートや振り返りなどから、本プログラムの実施により、児童らは「問題を外在化する」スキルを身に付け、お互いに困っていることを「虫」として開示し、さらに、日常生活において学んだスキルを般化できるようになった。
著者
田中 隼人 小鳥居 英 横澤 賢 若林 楓芽 木本 和代 佐野 恵子
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.26-41, 2015-02-28 (Released:2018-03-30)
被引用文献数
1

Diverse aquatic organisms are living in the immediate freshwater environments such as the rice field, pond and ditch. This study reports a freshwater ostracod fauna of rice field and spring from Fuji and Fujinomiya, Japan. We found 14 species (13 genera), and Pseudocandona pratensis (Hartwig, 1901) is newly recorded from Japan. The morphological characters, distribution in Japan, and taxonomic remarks are provided for these species. And also five species were given the new Japanese name. We discussed on the distribution of Dolerocypris ikeyai Smith and Kamiya, 2006 and Stenocypris hirutai Smith and Kamiya, 2006 found from rice field. Both species has been reported from runoff of spring, seeps, interstitial environment. We regarded their reduced swimming setae on antenna as an adaptive character to shallow and gently water flow. Population of rice field of this two species could be originated from the source of an irrigation channel, and they might be incidentally stayed in the rice field.
著者
岩下 和輝
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

卵白はタンパク質含有量が多く、優れたゲル化特性をもつ食品である。実際に、卵白は畜肉加工品や水産練り製品などに添加物として利用され、これらのゲルの物性を向上させている。この卵白ゲルの粘弾性や保水性といった物性はタンパク質凝集体のネットワークに起因する。本研究では、卵白加熱ゲルの物性の起源となる凝集体のネットワーク形成の分子機構を明らかにすることを目的とする。卵白を加熱してできるゲルに関する研究を定量的に進めるため、当該年度は卵白の成分を混合した条件での研究を進めた。具体的には、卵白タンパク質の主成分であるオボアルブミンとオボトランスフェリン、リゾチームの3種を用い、その混合系の熱凝集過程を調べた。まず、オボアルブミンとリゾチームを加熱したときに形成する共凝集が、どのように進むかをサイズ排除クロマトグラフィーや円偏光二色性スペクトル、透過型電子顕微鏡などの方法を組み合わせて調べた。その結果、オボアルブミンは可溶性凝集体ができること、両者を混合してできる凝集体にはいずれのタンパク質も含まれることが明らかになった。詳細を調べると、まず両タンパク質が静電的に会合することで小さな凝集体ができた。この小さな凝集体は電気的に中性であるため、さらなる凝集体の成長には疎水性相互作用が関連することがわかった。このように構築した実験系を用いて、次に、オボトランスフェリンとリゾチームの共凝集を調べた。両者は、殺菌処理に相当する55℃程度の低温加熱で共に凝集してしまうことが以前より報告されていた。その結果、同様に静電的な引力による小さな凝集体の形成と、その後、凝集体同士の会合が階層的に進むことが明らかになった。一定以上の大きさの凝集体になれば不溶化することがわかった。いずれの成果もきわめて定量的な測定に成功しており、凝集体の成長機構モデルを描くことができた。
著者
依田 綾乃
出版者
信州大学国語教育学会
雑誌
信大国語教育
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-12, 2016-11-19
著者
矢野 暢
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.5-31, 1978 (Released:2018-06-02)

This article aims at throwing into relief views of "Nanyo" (Southeast Asia) in Japan during the Taisho period (1912-1926). There has until now been a consensus among scholars that the idea of "Nanshin" (advance to the South) existed only in the Meiji and Showa periods. In this article, the author wishes to challenge this stereotype view on the "Nanshin" theory.  It is easy to verify that "Nanyo" was discussed more often and energetically by Japanese people in the Taisho period than in the previous (Meiji) period. More importantly, the basic conditions that made possible the creation of the "Greater East Asia Co-prosperity Sphere" scheme were laid during the Taisho period. Hence, the conclusion of this essay is that the discussions made in the Taisho period were vital in paving the way for Japan's advance to the South in the Showa period, and, therefore, the significance of the Taisho period should not be underestimated.