著者
卯城 祐司 甲斐 あかり 中川 知佳子 渡邊 芙裕美 星野 由子 清水 遥
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.11-20, 2009-03

The effects of reading perspective on summarization have not been investigated in previous studies even though many researchers have confirmed its influence on reading processes and comprehension. Through two experiments, the present study examined how EFL learners' perspective in reading affects their summary writing processes, including importance rating and application of macrorules. Experiment 1 showed that reading perspective influenced the reader's evaluation of information importance, whereas it had no significant effect on the selection of information to be included in summaries - a result which might have been caused by the lenient restriction on summary length. Hence, in Experiment 2, the effects of reading perspective were re-examined with a shorter summary task. Contrary to Experiment 1, the results revealed the significant influence of reading perspective on the selection of information as well as on the application of two other macrorules: generalization and construction. These findings suggest the importance of providing reading perspective in summary writing as well as the possibility that summary length influences the application of macrorules.
著者
中川 書子
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

新しく開発された「硝酸の高感度窒素・三酸素同位体定量法」を使って、日本国内の陸水(降水、地下水、湖水)および周辺海洋域における水環境中の硝酸について、その窒素・三酸素同位体組成を実測し、硝酸の起源および挙動の解析を行った。
著者
中川 敦
出版者
島根県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

これまで遠距離介護に関する社会学的研究の多くは、その当事者に調査の対象を限定した研究が中心であった。本研究は当事者に対する調査分析を深めつつ、その対象を遠距離介護の宛先である高齢者本人および彼ら彼女らを支える支援者にその対象を広げ、調査分析を行った。その結果、遠距離介護者はそばにいられないやましさを抱えていること、高齢者は死をも見据えた形で現状を受け入れていること、支援者は居住形態よりも関わりの内実から遠距離介護者を評価していることなどが明らかになった。
著者
畠 亮 矢内原 仁 早川 邦弘 大橋 正和 石川 博通 中川 健 田崎 寛
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.974-980, 1994-06-20
被引用文献数
5 2

われわれの施設における副腎摘出術施行症例は1971年から1992年6月までに151例を数える.そのうち99例は1985年以後の8年間の症例で明らかに増加している.症例数増加の理由は偶発腫瘍の増加である.ちなみに99例中26例が偶発腫瘍であった.26例中24例は内分泌非活性腫瘍であり,活性腫瘍である残りの2例はいずれも褐色細胞腫であった.われわれが暫定的に決めた偶発腫瘍の手術適応基準は,(1)腫瘍径3.5cm以上,(2)画像診断上悪性が否定できないもの,(3)腫瘍径が3.5cm以下でも6ヵ月ごとの再検査で増大傾向が明らかなもの,(4)内分泌活性腫瘍は全て,とした.本研究の主目的は偶発腫瘍における悪性腫瘍との鑑別診断である.診断方法としては,(1)エコー, CT, MRI,血管造影などによる画像診断,(2)摘出した副腎腫瘍組織のフローサイトメトリーによるDNA ploidy, BrdU取り込み率の検討,(3)尿中ステロイド分画の検討を行った.一般論として現在の診断技術をもってしても確実に悪性腫瘍を鑑別できる方法はなく,われわれの選択した方法に対する評価も,文献によって賛否両論ある.そうした中,われわれの結果で興味をひいたことは,尿中17KS分画の検討である.すなわち癌症例において高値を示したのは,ステロイド核5番目のOH基がβ位にある画分に限られていた.まだ症例数が少なく,断定的なことはいえないが,鑑別診断の有力な方法になりうるものと期待される.
著者
清家 暁 二本木 俊二 海野 徹也 中川 平介
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.23-29, 2002
被引用文献数
3

島根県江の川において産卵期のアユ42個体の由来判別を耳石Sr/Ca比を用いておこなった。放流実績からすれば江の川水系には天然アユの他,琵琶湖産,人工海産アユが生息している。産卵群42個体の由来を判別した結果,天然アユは13個体,人工海産が26個体となり,湖産アユは皆無であった。したがって,江の川においては湖産アユが海産系アユの産卵行動に関与している可能性は低いと考えられた。Stock separation for spawning population of ayu Plecoglossus altivelis in the Gouno River was conducted using otolith Sr/Ca concentration ratio. Based on stock enhancement record, coexistence of amphidromus, hatchery-reared and landlocked ayu can be expected in the spawning population. In case of stock separation in the spawning population carrying out the otolith Sr/Ca ratio, 29 and 13 out of 42 individuals were categorized as the hatchery-reared and amphidromus ayu, respectively. The result of no landlocked ayu in the spawning population suggests that the contribution of the landlocked ayu to spawning and reproduction can be neglected at the Gouno River.
著者
中川 聡子
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、磁性流体の粘性が外部磁場によって可変となる性質を用いたセミアクティブダンパ構築の可能性について検討を行ったものである。本セミアクティブダンパは、従来の空気圧もしくは油圧タイプのアクティブダンパと異なり、メカニズムは単なる磁性流体封入シリンダ中のピストン運動であるため、一旦制御が破綻してもシステムの安定性が保持でき、また、装置自体が単純な液体封入シリンダと電気設備のみによって構築できるという大きな利点をもつ。ここに本研究の成果および今後の研究課題について以下にまとめる。〈平成8年度〉磁性流体の粘性が、電磁石によって生みだされる磁場に対して可変となる性質をモデル化し、本ダンパを含むシステムの運動方程式を記述した。これが強い非線形システムであることを示し、非線形H無限大制御理論による補償器の設計法を提案、計算機シミュレーションによってその効果を確認した。〈平成9年度〉8年度の研究によって、磁性流体セミアクティブダンパの有効性が確認されたことから、実際に磁性流体セミアクティブダンパを設計・製作した。その後磁性流体の基礎特性を実測し、電磁石電流によって磁性流体粘性がダイナミックに変化することを確認した。〈平成10年度〉種々の振動実験を繰り返す事により、システムモデルの修正を行い、本非線形制御の優位性を確認した。〈今後にむけて〉電磁石の軽量化や、電磁石電流の制御に対して電圧制御から電流制御方式への移行を行い、装置の軽量化や、即応性の改善を行っていきたい。
著者
三宅 勝 小野 斉 大塚 信明 中川 忠昭 千葉 一夫 渡辺 順一 加納 隆
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.394-414, 1967-03-31

著者等は牛舎施設,乳牛管理,牛舎内気象状況と繁殖成績ならびに疾病発生との関連性を究明するため,十勝地方において多頭数飼育を実施している上芽室生産組合共同牛舎,中札内村新生共同畜舎および帯広畜産大学付属第1農場牛舎において実態調査を行なった。調査期間は昭和39年3月から40年2月までの1年間で,これを第I期(春,4月),第II期(夏,7月),第III期(秋,10月),第IV期(冬,1月)に分け,それぞれの期間中1週間ずつ牛舎にとまりこみで上述の調査を行なった結果,次のような成績を得た。1.牛舎施設,乳牛管理,飼養および飲料水について換気施設の不完全,手入れの不充分および運動場の狭隘のほか,上芽室にあっては搾乳前2,3搾りを捨てないこと,ミルカーのかけ過ぎ,および飲料水はアンモニア性窒素が多く飲料不適であったこと,中札内にあっては敷わらの不足,削蹄の不完全,運動場に汚水の潴溜等の欠陥が指摘された。2.牛舎内気象状況(1)気温……すべての地区とも最高は7月,午後0〜6時のもので上芽室では22.7±4.1℃,中札内では22.2±4.0℃,畜大では26.3±3.1℃であった。また最低は1月で,上芽室では午前6〜12時の2.2±4.0℃,中札内では午後0〜6時の4.7±3.0℃,畜大では午後6〜12時の1.0±3.2℃であった。3地区とも牛舎内温度の多くは至適温度内にあった。(2)湿度……最高は上芽室,中札内では1月,午前0〜6時で,それぞれ94.2±2.6%,94.0±6.0%であったが,畜大では4月,午前6〜12時の90.0±7.4%であった。なお前2者では冬期間夕方より翌朝にかけ湿度は95%を越える日が多かった。最低は上芽室,中札内では4月,午後0〜6時で,それぞれ55.4±1.4%,61.0±13.9%であり,畜大では10月,午後0〜6時の62±12.9%であった。(3)乾カタ度……最高は上芽室では4月,午前9時の11.71±2.84,中札内,畜大では1月で,それぞれ午前9時の11.77±2.69,午前3時の12.9±1.40であり,最低は上芽室では7月,午後9時の7.31±1.60,中札内,畜大では10月で,それぞれ午後9時の7.07±1.85,午前9時の9.4±0.36であった。(4)炭酸ガス量……最高は上芽室では4月,午前3時の0.16±0.024%,中札内,畜大では1月で,それぞれ午後9時の0.26±0.106%,午前3時の0.12±0.095%であり,最低は上芽室,中札内では7月,午後9時で,それぞれ0.06±0.001%,0.05±0.017%で,畜大では10月,午前3時の0.03±0.004%であった。3.繁殖成績について1〜4ヵ年間の上芽室,中札内および畜大における平均受胎率はそれぞれ96.4,88.3,90.3%,受胎効果は1.55,207,1.71回,受胎牛の平均空胎期間は3.69,4.33,6.12ヵ月であった。4.疾病について上芽室,中札内では趾間腐爛,乳房炎の発生が多かった,このほか上芽室では二等乳の発生が多く,12月には全産乳量の30%におよんだ。なお7月行なった分房別異常乳調査では,上芽室で,13.9%,中札内では11.9%に発生が見られた。以上のことから上芽室,中札内の多頭数飼育牛舎にあっては,繁殖成績は良好で仔積の生産は順調であるが,乳房炎,異常乳,二等乳および趾間腐爛の発生が多く経営を困難にさせている。これらの疾病発生は牛舎内の換気不良,高温度,乳房管理あるいは削蹄不良等に原因しているように思われる。
著者
山野 英嗣 尾崎 正明 稲賀 繁美 川島 智生 加藤 哲弘 河上 繁樹 中川 理 並木 誠士 廣田 孝 前田 富士男 増田 聡 藪 亨 新見 隆 出川 哲朗 中川 克志 松原 龍一 池田 祐子 小倉 実子 牧口 千夏 中尾 優衣 河本 信治
出版者
独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本近代における建築、デザイン、工芸を対象としながらも、ジャンルを超え、そして国境を超えた動向について総合的に検証したものである。研究成果は、最終的に一冊の図書としてまとめた他、研究代表者が所属する美術館においても展覧会やシンポジウムを開催し、研究成果を広く発信した。東西の文化交流、そしてジャンル間を交差する表現への注目など、時宜を得たテーマとして、建築、デザインそして工芸の各領域において、新たな視点が提言されたと思われる。
著者
坪井 伸広 茂野 隆一 首藤 久人 中川 光弘 安藤 義光 小田切 徳美 立川 雅司 後藤 淳子 澤田 守
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究は農村地域活性化の方策を提示することを目的に平成12年度に開始した。本年度は、研究の最終年度で、4年間の研究を総括することを課題とした。この4年間の研究実績はつぎのとおりである(カッコ内は平成15年度実績)。カナダ春ワークショップ参加(2名)、秋研究大会参加、カナダ・フィールド共同調査(日本から4名参加)、日本・フィールド共同調査(随時実施。内カナダから1名参加)、東京ワークショップ開催・カナダ研究者招聘、日本・カナダの農村リーダーの交流(カナダから8名招聘)、4年間の研究成果のまとめRevitalizing Rural Hinterlands : Comparative studies in Japan and Canadaを執筆(13章構成の内11章の草稿を科学研究費の報告書としまとめ、印刷公表した)をした。日本側フィールド調査地は、栃木県上都賀郡粟野町、福島県相馬郡飯舘村で、カナダ側のはオンタリオ州Tweed、ケベック州St. Damaseである。この2地区の調査地を比較対象として選定し、共通の調査項日からなる家族調査を実施したことを特徴とする(報告書第4章、第6章)。農村地域の活性化について得られた知見はつぎのとおりである。日本側の農村に開発が短期間に進められたことのひずみが現れていること、両国の農村ガバナンスの構造再編が進行中であること、両国農村にボランティア組織による活性化への期待が大きいこと、日本では地域資源の活用を柱とする内発的発展を敷指向する課題に取り組まれていること、カナダでは資源依存への脱皮を課題としていること。
著者
大塚 志穂 矢郷 香 大塚 友乃 岡田 明子 岡田 豊 中川 種昭 朝波 惣一郎
出版者
日本口腔内科学会
雑誌
日本口腔粘膜学会雑誌 (ISSN:13417983)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.30-35, 2004-12-30 (Released:2010-02-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

アンギオテンシン変換酵素 (以下ACE) 阻害剤は, まれに副作用として顔面, 口腔粘膜などの血管神経性浮腫を惹起する。呼吸困難を生じることもあり, 浮腫が咽頭部に及ぶと生命の危険性もある。今回われわれは, ACE阻害剤が原因として疑われた舌・口底部の血管神経性浮腫を経験したので報告する。患者は88歳, 女性で, 主訴は呼吸苦をともなう舌の腫脹であった。ACE阻害剤中止後, 1年4か月現在, 舌・口底部の浮腫の再発は認めていない。