著者
三好 潤 大森 泰 高木 英恵 玉井 博修 川久保 博文
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.126-127, 2008-12-10 (Released:2013-07-31)
参考文献数
2

症例は71歳,女性。ANCA関連血管炎に対するステロイド療法に伴うビスホスフォネート製剤の内服開始後47日目に心窩部痛が出現した。上部消化管内視鏡検査にて胸部中部下部食道に全周性の易出血性びらん・潰瘍が多発し,切歯列33cmに穿孔を疑う深い潰瘍を認めたが,胸部CTでは縦隔気腫・膿瘍形成を認めず保存的加療にて軽快した。本例は同剤の稀ながらも重篤な副作用である食道潰瘍が不適切な服薬状況により生じたと考えられる教訓的な症例である。
著者
中村 理恵子 大森 泰 須田 康一 和田 則仁 川久保 博文 竹内 裕也 山上 淳 天谷 雅行 北川 雄光
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.1515-1526, 2018 (Released:2018-08-20)
参考文献数
24

自己免疫性水疱症は自己抗体により細胞間接着が障害され,皮膚や重層扁平上皮に水疱が形成される疾患の総称である.多くは皮膚に水疱やびらんを形成するが,目,鼻,口腔粘膜,口唇,咽喉頭,食道などの重層扁平上皮にも水疱やびらんを形成することがある.しかし,咽喉頭および食道粘膜における病変の発生頻度や特徴についてはよく知られていない.この研究においては,自己免疫性水疱症における上部消化管内視鏡検査の重要性を評価することを目的とし,内視鏡的な咽喉頭食道病変の発生頻度をprimary endpoint,内視鏡的・臨床的特徴を見出すことをsecondary endpointとして評価を行った.口腔または咽喉頭病変を50.4%,咽喉頭病変を30.8%に認めた.通常観察で食道粘膜面に異常を認めなかった症例の40.6%において機械的刺激による表皮剥離または血疱形成(Nikolsky現象)を呈した.全体の16.8%に通常観察で食道病変を認め,56.0%がNikolsky現象陽性を呈した.皮膚病変を認めない29.2%の症例において,77.7%に口腔または咽喉頭病変,36.1%に食道病変,58.3%にNikolsky現象を認めた.上部消化管内視鏡所見より自己免疫性水疱症を疑うことは可能であり,その内視鏡的特徴および所見を理解しておくことは重要である.
著者
蓮沼 俊哉 久保 博文 伊奈 隆年 廣瀬 富雄
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.313-318, 2015-08-25 (Released:2015-09-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

食肉処理場に出荷されて肝臓に異常所見を認めなかった肥育去勢牛524頭の胆嚢内胆汁について胆汁量の測定を行い,品種,枝肉重量,および出荷日齢との関連性について検討した.また,そのうち111頭について胆汁酸組成の分析を行った.胆汁量は,品種による違いはあるものの,枝肉重量や出荷日齢との関連性は認められなかった.胆汁酸組成は,品種による差はないが,いずれの品種においても胆汁酸濃度の標準偏差が大きく,個体によって胆汁酸組成がかなり異なることが明らかになった.このことは,腸内細菌の持つ胆汁酸合成能力の違いによって生じていると考えられ,育成期での給与飼料や疾病,消化管の炎症の有無より腸内細菌叢が影響を受けた結果,出荷時の胆汁酸組成に影響を与える可能性が推察された.
著者
瀬戸 卓弥 竹内 優志 橋本 正弘 伊藤 惟 市原 直昭 川久保 博文 北川 雄光 宮田 裕章 陣崎 雅弘 榊原 康文
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

食道癌は10年生存率が20%前後の癌であり、膵臓癌や肝細胞癌と並んで致死率の高い癌である。また、食物を運ぶ蠕動運動による狭窄と癌による狭窄の判別が難しく診断の難しい癌であることも知られている。そこで本研究では、過去に食道癌と診断された患者のCT画像を用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と 再帰型ニューラルネットワークの学習を行うことにより、新規のCT画像に食道癌が存在するか否かを判別するシステムの構築を目的とした。結果として、CNNとLSTMを用いた診断支援システムの構築に成功し、80%を超える精度で分類を行うことができた。
著者
気賀澤 悠 中村 理恵子 大森 泰 高橋 常浩 和田 則仁 川久保 博文 才川 義朗 竹内 裕也 北川 雄光
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.86-87, 2015-12-12 (Released:2016-01-06)
参考文献数
4

論文撤回のお知らせ 論文タイトル: 術後の癒着・狭窄予防にステロイド局注が著効した下咽頭表在癌の1 例 著者: 気賀澤悠・中村理恵子・大森泰・高橋常浩・和田則仁・川久保博文・才川義朗・竹内裕也・北川雄光 掲載誌: 「Progress of Digestive Endoscopy」第87 巻1 号,pp. 86-87 撤回理由: 編集作業上の事故により同一論文を2 回掲載してしまったため、2 回目掲載の本論文を撤回いたします。 本件は二重投稿には当たらず、出版社が引き起こした多重出版であることをここに明記いたします (撤回通知掲載:第90 巻1 号)。 「Progress of Digestive Endoscopy」編集委員会 委員長 髙橋 信一