著者
仁平 道明
出版者
和洋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

夏目漱石の美術への関心、その文芸と美術との関わりについては、既に多くの研究があるが、その前提となる調査は十分とは言いがたい状況であった。研究代表者は、漱石文庫の美術雑誌“The Studio”等に見られる、漱石自身によるものと推測される剥ぎ取りの跡に注目し、そこにあったはずの絵、記事等を知ることによって、漱石の美術、特に西洋美術への関心の内実を実証的に明らかにすることができると考えた。調査の結果、Romilly Fedden等の多くの画家、芸術家や芸術思潮への関心がうかがえることが判明し、漱石の文芸の背景にあった美術への関心の多様さ、漱石の芸術についての視野の広さが明らかになった。
著者
仁平 道明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、平安朝物語特に『伊勢物語』と『源氏物語』について、現在諸書がそれによっている藤原定家が校訂を加えて生まれた本文と、定家が校訂を加えていないと考えられる本文とを比較し、定家校訂以前の本文の形と、定家が校訂を加えて本文を形成していく機構を明らかにすることを企図したものであった。特に、古筆切の調査によって、鎌倉時代の伝衣笠家良筆の断簡等の本文が従来知られている諸系統の本文とかなり異なっているなど、『伊勢物語』の本文が多様なものであったことが確認され、定家がその中から選択した一部のものについて、仮名遣い等を改める程度の最小限の本文校訂を加えるにとどめた可能性が考えられることが明らかになった。
著者
高松 寿夫 新川 登亀男 吉原 浩人 陣野 英則 河野 貴美子 後藤 昭雄 波戸岡 旭 仁平 道明
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平安時代前期の漢詩文集、とりわけ『菅家文草』の諸本調査を行い、本文の異同、諸本の系統についての検討を行い、新たな見識を得た。2種版本(寛文版本・元禄版本)の本文異同については、漢詩部分(前半6巻)については、一覧にした冊子も作成した。渤海使関係詩の注釈作業を行ったが、その際にも、『菅家文草』諸本調査の成果が役立った。渤海使関係詩の注釈成果は、『早稲田大学日本古典籍研究所年報』誌上に公表した。