著者
松原 三郎 伊佐山 浩通 屋嘉比 康治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.1186-1207, 2018 (Released:2018-06-20)
参考文献数
128
被引用文献数
1

急性胆嚢炎に対する内視鏡治療には,ERCP下に行う経乳頭的アプローチ(ETGBD)とEUSを用いる経消化管的アプローチ(EUS-GBD)がある.ETGBDは胆嚢管を突破するという技術的困難さから成功率は若干低いが,PTGBD不能例に対する代替治療として確立されており,また内瘻化することで胆嚢炎再発に対する長期予防効果も期待されている.EUS-GBDは2007年に始まった新しい方法であるがそのエビデンスの量はETGBDをすでに凌駕している.高い成功率と安全性を有し,長期予後も良好であり,さらに使用するステントによっては結石除去まで行うことが可能である.今後PTGBDに代わる第一選択の治療法となる可能性を秘めている.本稿では,ETGBDおよびEUS-GBDについて,適応,方法,短期成績,長期成績,偶発症,PTGBDとの比較などについて最新のエビデンスに基づき解説する.
著者
光野 雄三 庵 政志 田中 幹雄 加藤 善久 伊佐山 浩通 山田 尚士 皆川 信幸 日吉 徹 関谷 裕之 中田 良 吉次 通泰
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.164-165, 1995

We report here our experience of patient treated initially with famotidine and subsequently with proton pump inhibitor omeprazole. Protein levels rose to normal range after 4 months and remained within normal limits, but upper endoscopy still showed enlarged gastric folds after 5 months. Conservative therapy with PPI and H<sub>2</sub>-RA must be tried prior to surgery.
著者
佐山 浩
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.417-420, 2002-03-30
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

本論は屋久島地域の国立公園指定の経緯を辿り, 霧島国立公園編入に至った社会的背景について明らかにする。当初, 硫黄島を含む屋久島は霧島国立公園, 錦江湾国定公園とは別に屋久島国立公園として指定される方針であったが, 屋久島における国有林施業との調整等, 困難な課題があった。その後, 当時の観光政策の状況や既存国立公園に新たに地域を追加するという国立公園指定の潮流に沿った方針に変更される。一方で, 国有林施業との調整に見通しが立ち, 併せて硫黄採掘が進められていた硫黄島の指定を断念した。そして, 水力発電開発との調整も進み, 最終的に広域的利用を前提に錦江湾国定公園を挟み, 霧島国立公園に編入されたと指摘できる。
著者
福村 由紀 仲程 純 高瀬 優 齋浦 明夫 石井 重登 伊佐山 浩通
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.89-95, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
23

胆嚢腺筋腫症(以下ADM)はRokitansky-Aschoff sinus(RAS)が増殖し,筋層肥大・壁肥厚を伴う後天性病変で,上皮過形成を伴うことが多い.本稿では,病理学的側面を中心にADMの現在の知見と自験例をまとめた.ADMは病変の広がりによりびまん型,分節型,底部型,混成型に分類されるが,組織形態は基本的に同じである.ADMでは筋層肥大を見るが,RASの底辺に至る筋層増殖は見られない.分節型ではADMの部位よりも底部側で筋層肥大がより高度となることも多く,底部型における中央陥凹部はRASではなく胆嚢壁の陥凹である.RASの増殖からADM形成に至る組織学的変化に関し異論は少ないと思われるが,その成因に関しては意見の一致をみていない.ADMを前癌病変とする報告は殆ど見られないが,特に分節型をリスク因子とする報告は散見される.さらなるエビデンスの集積が待たれる.
著者
佐山 浩 西田 正憲
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.749-752, 2000-03-30
参考文献数
32
被引用文献数
1 3

1993年にわが国最初の世界自然遺産に登録された屋久島では, 近年, ガイド者数が急増するなど, エコツーリズムが著しい興隆をみせている。本論は, わが国において先駆的な発展をみせている屋久島のエコツーリズムについて, 発展を促した要因を考察することによって, 近年の動きとその特徴を明らかにするものである。屋久島のエコツーリズムは,(1) 屋久島の優れた資源と (2) 交通機関の発達と観光客数の増加を主因とし,(3) 縄文杉保全対策にみる自然保護問題の顕在化,(4) 鹿児島県の環境文化村構想の策定,(5) 世界自然遺産の登録と行政の支援,(6) 西部林道問題の事例に典型的にみる従来型開発の転換を誘因として, 発展してきたと指摘できる。
著者
多田 稔 高木 馨 川久保 和道 白田 龍之介 石垣 和祥 武田 剛志 藤原 弘明 梅舟 仰胤 齋藤 圭 斎藤 友隆 渡邉 健雄 秋山 大 内野 里枝 岸川 孝弘 高原 楠昊 高橋 良太 山本 恵介 濱田 毅 水野 卓 宮林 弘至 毛利 大 松原 三郎 木暮 宏史 中井 陽介 山本 夏代 佐々木 隆 笹平 直樹 平野 賢二 伊地知 秀明 立石 敬介 伊佐山 浩通 小池 和彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1474-1478, 2015-08-05 (Released:2015-08-05)
参考文献数
15

IPMN,膵嚢胞は,膵癌高危険群の中で最も効率のよい指標である.IPMNは進行が緩徐で比較的予後のよいIPMN由来浸潤癌がよく知られているが,予後不良の通常型膵癌の発生もともなう.最適な経過観察方法は定まっていないが,EUSがいずれの発癌形態にも最も感度のよい検査方法である.ただし,スクリーニングのための最適な検査方法については検討事項である.
著者
山内 勇人 曽我 進司 河野 秀久 近藤 俊文 佐山 浩二 丹下 宜紀 藤田 繁
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.840-843, 1995-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

We report a case of tsutsugamushi disease found in south western Shikoku. A 64-year-old male who lived in Towa Village in Kochi, developed a fever and headache on April 6, 1994, and was admitted to Uwajima City Hospital on April 15, with a ten-day history of illness. He had an eschar on the right anterior side of the breast and an enlargement of the right axillar lymph node, without a rash. Laboratory data showed mild liver injury and atypical lymphocytes with 6% in peripheral blood. After his blood was drawn for rickettsial isolation, the minocycline was administered. His symptoms improved rapidly and was discharged in good condition.We successfully isolated the causative agent, Rickettsia tsutsugamushi, and designated it as the Shiba strain. High antibody titer against the Kato, Karp and Gilliam strains was detected in serum on admission and increased during the course of the disease.In Shikoku, tsutsugamushi disease is rare and only 13 cases were reported during last ten years. Especially in south western district of Shikoku, there have been no case reported since 1960. This case is important epidemiologically and suggests that we should pay attention to this disease.