著者
佐藤 崇弘 田中 久隆 佐藤 昌彦 小出 隆夫
出版者
社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.451-456, 2014

小径ドリル加工における回転振れの発生は,工具径に対する回転振れの比が大きいため,加工挙動に大きな影響を及ぼす.回転振れのあるドリルは,被削面食い付き後に回転中心に収束していく場合があるが,ドリル先端形状の影響など不明な点が多い.そこで,本報告では回転振れのあるドリルの加工挙動について解析と実験から考察した.とくに,食い付き時における回転中心からみた切れ刃の向きが,加工挙動に及ぼす影響について調べた.その結果,加工中,ドリル先端中心がシャンク端面中心に対して回転方向の位相遅れが発生する場合,切れ刃の向きが時々刻々と変化することで被削材より受ける力が変化し,加工挙動に影響を及ぼすことがわかった.