著者
斎藤 修 深尾 京司 攝津 斉彦 尾高 煌之助 尾関 学 ジャンーパスカル バッシーノ スティーブ ブロードベリ 高島 正憲 ジェラルト シュラース
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

明治以前日本における一人当り国内総生産(GDP)統計を人口・都市化データの整備と新たな推計方法の考案によって改訂し、目的は達成した。1600年全国人口は問題点の一つであったが,速水融の1200万説に代わる新推計を完成させた。また,都市化についても新たな成果を得,これらに依拠したGDPの新推計と部門分割をとりまとめた。一人当りGDP値は,国際的な準拠データであったマディソン推計とは異なり,後半期の増加率がより高く推計された。他方,産出高の部門シェアからみる構造変化は,一人当りGDPが伸びなかった17世紀に大きく,安定成長の後半期には逆に構造変化がなかったという結果となった。
著者
攝津 斉彦 深尾 京司 斎藤 修 バッシーノ ジャンパスカル 高島 正憲
出版者
武蔵大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

連携研究者とともに近代日本の府県別産業別GDPを推計した。本研究の特徴は、既存の推計がカバーしていない1874年のデータを新たに構築した点にある。新しいデータセットを使った分析によって明らかになった主要な事実は以下の通りである。①従来考えられているよりも明治初期の日本は豊かであり、②明治期の経済成長率は低かった(それはすなわち、江戸時代の経済成長率が高かったことを意味する)、③地域間格差は明治初期に大きく拡大し、その後格差の拡大に歯止めがかかるが、このような変化の背後には人口の地域間移動が大きく影響していたと考えられる。