著者
柏木 龍二
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集
巻号頁・発行日
no.11, pp.149-162, 2017-03-20

介護保険法に位置づけられている通所介護事業所は、比較的良好な労働環境であることが推測できるにも関わらず、定着率が低い実態に疑問を抱いた。本研究では正規介護職員に焦点を当て、職場定着に関連する要因を明らかにすることを目的とした。 質的調査にもとづきその文脈の意味解釈や調査対象者の語りを通して分析した結果、全部で20 の概念を析出し、それらを4 つのカテゴリーに集約することができた。働き続けるということは、【揺らぎ・葛藤期】、【動機づけ期】、【定着期】を行ったり来たりすることだと推測された。【揺らぎ・葛藤期】から次のステップへ移るためのエネルギーとして【福祉職に対する肯定感】が存在すると考えられる。