著者
芳賀 宏一郎 恩藏 直人
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.80-94, 2019-03-29 (Released:2019-03-29)
参考文献数
20

プロダクト・デザインはビジネスにおける重要なテーマであり(Luchs & Swan, 2011),競争優位の重要な源泉であると言われている(Noble & Kumar, 2010)。このデザインを重視し,デザインと機能の融合により「美しい製品」の開発を行い,市場で高い評価を得ている企業がある。北九州市小倉に本社を置くTOTO株式会社である。2017年にネオレストシリーズのフラッグシップモデル「ネオレストNX」を開発し市場に展開しているが,このネオレストNXは「オブジェ」と言っても過言ではない。そこで,TOTO(株)の空間と調和するデザインと「ものづくり」におけるマーケティング展開を調査した。この結果,TOTO(株)のマーケティングの卓越性は,「デザイン・ドリブン・イノベーション」と「デザインのHolistic視点と機能の融合」の2つにあると考えられる。