著者
金森 純
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.87-105, 2016-03-31

これまでに一過性のイベントを契機としたスタジアムの開発は批判の対象となってきた。これは近年、ワールドカップを開催したスタジアムでも問題となっており、その活用方法や採算性が問題となっている。また、J リーグの試合では、スタジアムを満員にできない状況にある。そこで、J リーグ発足とワールドカップ招致という取り組みにおけるJFA の活動理念を踏まえて、JFA 発行の「サッカースタジアム標準」の変遷に着目する。ここからスタジアム開発の意図を掴み、その課題について考察を行った。この考察から、以下の点が明らかとなった。 (1) J リーグ発足とワールドカップ招致は、サッカー及びスポーツの普及と同時にスタジアムの整備を目的に進められてきた。 (2) スタジアム標準は、イベントを契機として変化してきた。 (3) 一過性のイベントを契機とした開発は批判の的となってきた。そこで、建設基準は、巨視的に設定されなければならない。