著者
閏間 正雄 富森 美緒
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.218-221, 1979-06-25 (Released:2010-09-30)

被服の長期着用時に生じるテカリと被服の製作過程中で受ける布地のアイロン, プレス時に生じるテカリについて, 女子学生を対象としてアンケート調査を行なった。その主な結果は, 次の通りである.1) 着用テカリ, プレステカリとも被調査者の多くが経験している.その割合は, 着用テカリの方が大である.2) 着用テカリの経験者の多くは, その発生が被服を着用して2年以内にみられたとし, また被服の種類には, 学生服上着, 同スカート, スラックス類をあげた.3) 着用テカリの発生した被服の部位は, 主として, ひじ, 尻部等であった.4) 着用テカリの発生した被服の色は, 主として紺, 黒また, 被服の素材は主として毛に, 布地組織は主として斜文織にみられた.5) プレステカリの発生した布地の色は, 主として紺, 黒等, また布地の素材は主たる毛, 毛/ポリエステル混紡のほか綿, ポリエステル等, 布地組織は主たる斜文織のほかクレープ, ジャージー等であった.6) 着用テカリ, プレステカリの両テカリ発生の実態には, 被服や布地の色, 素材, 組織の点で有意な差があった.
著者
汪 清 閏間 正雄 本間 博 田村 照子 永井 伸夫
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.561-569, 2019-07-25 (Released:2019-07-25)
参考文献数
36

本研究の目的は,暑熱環境下(34℃,70%RH)で足部冷水浴が体温調節機能及び自律神経機能に及ぼす影響を検討することである.実験は健康な20 代女性15 名を対象に,15℃,15 分間の足部冷水浴を行い,舌下温,皮膚温,指尖部皮膚血流量,背部発汗量,及び心拍変動を測定した.その結果,舌下温は,冷水浴中から冷水浴後にかけて有意に低下した(p<0.01).冷水浴中各部位の皮膚温はコントロール群と比べ全て低値を示した.また,各部位の皮膚温は冷水浴前より低下し,その低下度は足背部>足趾部>下腿部>指尖部>胸部>大腿部>前額部>上腕部の順であった.冷水浴後,胸部,大腿部,足背部と足趾部皮膚温は回復したが,前額部,指尖部,下腿部は回復しなかった.平均皮膚温は冷水浴中に有意に低下し,冷水浴後は有意に上昇した.指尖部皮膚血流量及び背部発汗量は冷水浴中に減少したが,冷水後にやや増加した.RR 間隔とHF は冷水浴中から冷水浴後にかけて上昇し,副交感神経活動を促進,リラクゼーション効果を示した.
著者
閏間 正雄 富森 美緒
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.438-442, 1980

本研究では, 同一被服地試料群では同一諸元よりなる色違いの被服地を試料として採りあげた.これら被服地の色がしわの官能評価に与える影響について考察を行ない次のような結果を得た.<BR>1) 一部の試料群を除き, いずれの被服地試料群とも, しわの官能評価値は, 各試料問にて高度の有意差を示し被服地の色によって, しわの判断, 評価が異なることを示した.<BR>2) 被服地試料群のしわの官能評価値と試料の明度との間には, 一部の試料群を除き, いずれの試料群でも正の相関々係が認められた.即ち, 明度の高い色に対して, 評価が高く, 明度の低い色に対して, それは低い関係にあった.一方, しわの官能評価値と試料の彩度との間には, いずれの試料群でも, 何ら相関々係は認められなかった.