著者
川口 陽亮 尾田 敦 石川 大瑛 鹿内 和也 吉田 深咲
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.106-111, 2017-08-31 (Released:2017-09-15)
参考文献数
10
被引用文献数
1

【目的】筋疲労に伴う位置覚低下に対するキネシオテープ(Kinesio Tape, KT)の効果を,伸張率を変えて検討することである。【方法】対象を健常大学生29名53脚とし,KTを貼付する高伸張群と低伸張群,KTを貼付しないコントロール群に無作為に振り分けた上で疲労課題の前後で膝関節の位置覚測定を行った。測定方法は,開始肢位を端座位とし,膝関節を設定した角度まで他動伸展させた後,自動伸展により再現させ,誤差を求めた。疲労課題はBIODEXを使用し,120deg/sec,膝屈曲90~15°の範囲で等速性膝伸展運動を50回行わせた。統計はKTを貼付しないコントロール群,低伸張群,高伸張群で 30°・60°についての疲労前と疲労後の再現角度誤差を,Tukey-Kramer法にて比較した。【結果】膝屈曲 60°では全群で疲労後の再現角度誤差が有意に大きくなった(p<0.05)。各群間では再現角度誤差に有意差は認められなかった。【結論】位置覚が筋疲労により低下することが示唆された。また,本研究ではKT貼付の有無や,KTの伸張率の違いによる位置覚への影響は貼付直後でも運動後でも認められなかった。
著者
石川 大瑛 尾田 敦 前田 健太郎 浦本 史也 横山 寛子 藤林 直樹 鹿内 和也 伊藤 亮太 川口 陽亮
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.60-63, 2017-08-31 (Released:2017-09-15)
参考文献数
11

【目的】健常者における静的立位での外反母趾角と後足部アライメントの関連性を明らかとすることである。【方法】対象は健常大学生178名(男性107名,女性71名,年齢22±3歳,身長167.5±8.1cm,体重60.0±9.2kg,BMI21.3±2.4)である。評価項目は,第一趾側角,第五趾側角,足底接地率,足部アーチ高率,Leg-Heel-Angle(以下,LHA),Floor-Heel-Angle(以下,FHA)である。統計学的処理は,第一趾側角を従属変数とし,第五趾側角,足底接地率,足部アーチ高率,LHA,FHA,BMIを独立変数とした重回帰分析を行った。【結果】足部アーチ高率(β=-0.25,p<0.05)と内反小趾角(β=-0.16,p<0.05)が選択された(R2=0.11,p<0.05)。【結語】足部アーチ高率は外反母趾の原因としての報告があり,それを支持するものとなった。また,足趾の変形は足部の内外側どちらに荷重が集中しているかで異なると考えられる。しかしそのR2は0.11と低く,外反母趾角に影響を与える因子はこの他にもあるものと考えられる。