著者
芦崎 治
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.239, pp.56-59, 2004-08

東京都心に雲がたれ込め、うだるような蒸し暑さの7月5日、午前11時過ぎ。JR高田馬場駅から徒歩数分、エレベーターも無い古い雑居ビルの一室に、十数人の男女が集まった。 その中に、天井が低く、わずか10坪の狭い室内を懐かしそうに眺める、一人の男がいた。
著者
加来 耕三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.196, pp.98-101, 2001-01

これは間違いではない。が、江戸も幕末に近づくにつれ、幕府の警戒心も徐々に薄れ、十一代将軍・徳川家斉(いえなり)などは、薩摩藩主・島津重豪(しげひで)の女むすめをその正室に迎えている。 重豪の正室が御三卿(ごさんきょう)の一いつ、一橋宗尹(むねただ)の娘であったこともあり、この藩主は世上(せじょう)、「高輪下馬将軍(げばしょうぐん)」 と呼ばれた。
著者
関 満博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.199, pp.70-72, 2001-04

京都といえば、京セラ、堀場製作所、ローム、日本電産など、世界に通用する実力を持つ個性的なメーカーが次々に生まれる土地として、各方面から不思議がられている。夏暑く、冬寒く、そして部外者に対し閉鎖的な土地柄が、人々に反発のエネルギーを蓄積させていくのかもしれない。
著者
大槻 眞
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.194, pp.52-55, 2000-11

大槻 創業後、最初の二年は会社が存在し続けることが経営の主たる目的でした。その次の二年はとにかく売り上げをきちっと伸ばす。さらに、その次の二年は利益がとれる体質にする。いまは、その二年の半分を終えたところですね。——成長スピードもさることながら、社員数がわずか五〇人というのも驚きです大槻 正確にいうと、レギュラーの人間(正社員など)は三三人です。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.189, pp.68-70, 2000-06

会社の先行きを心配する人の声に、素直に耳を傾けられないのがワンマン経営者の悪い癖だ。過去の成功体験だけにしがみつき、時代についていけなくなれば、会社もろとも転落しかねない。中堅建設資材メーカーのオーナーは、取引先からのリストラ勧告を最後まで無視し、多額の設備投資を強行して倒産への道を突き進んだ。
著者
宮坂 賢一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.276, pp.108-111, 2007-09

6月19日、置き薬(配置薬)で業界2位の三洋薬品工業(東京都台東区)が民事再生法の適用を東京地裁に申請した。負債総額は124億3300万円(帝国データバンク調べ)と、直近の売上高154億円(2006年7月期)に迫る。 三洋薬品工業は、1930年に置き薬を販売する個人会社として出発。1955年に株式会社に改組してから50年以上の歴史を持つ老舗企業だ。
著者
山田 日登志 池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.272, pp.38-42, 2007-05

カイゼンは工場だけのものではない。販売や経営にも、カイゼンの考え方を生かせる。5年前から「山田流カイゼン」を学び、2006年からは販売にも導入する和菓子メーカー、叶匠壽庵の経営者と管理者の協力を得て、「極意」を聞いた。取材・文◎池松由香(編集部) 写真◎水野浩志〓〓山田流カイゼンを始めて約5年が経ちました。社長・芝田 はい。
著者
北方 雅人
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.273, pp.96-99, 2007-06

老舗塗料メーカーが多大な開発費を投じて、新塗料を開発した。開発は成功したが需要は伸びず、赤字が続いて債務超過に陥る。苦しい資金繰りが続き、仕入先を巻き込んで融通手形に手を出した。融通手形は雪だるま式に膨れ、そして仕入先ともども倒れた。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.251, pp.44-48, 2005-08

5月某日、岐阜市内にあるPEC産業教育センター2階の研修室で、32人の女性達が暗闇の中で息を弾ませていた。年齢も出身も、勤務先も違う彼女達。ただ共通しているのは、「メーカー勤務である」ということと、「女性である」ということだけだ。 固く閉ざされた漆黒のカーテンのせいで、研修室には一筋の光も差し込まない。
著者
柳瀬 博一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.231, pp.19-25, 2003-12

初めてブックオフの"社内イベント"に同席した人間は、大いに戸惑うに違いない。 何しろ大の大人達がおいおいと泣き出すのだ。それも叱られて、ではない。感動して、である。 新店舗がスタートする際の決起集会では、感極まったスタッフ達が、「今日は泣かないって決めていたんだけど……」とポロポロと涙を流し始める。
著者
馬 雲 小口 日出彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.212, pp.42-45, 2002-05

マー 去年が大変な急成長の年でした。年末までに従業員は四〇〇人を超えました。その前の年までは二六〇〜二八〇人しかいなかった。今年、我が社はさらに一五〇人を採用します。 成長に必要な資金が出来たのです。三年半前、会社設立の準備をしていた時、投資家に「会員が一〇〇万に達するまでは利益が出ないだろう」と話していました。
著者
千本 倖生
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.188, pp.40-43, 2000-05

千本 最後の授業は講義形式ではなく、パネルディスカッションを実施しました。会場は三田の大講堂で、学外の方にも無料で公開しています。パネラーは日米の起業家やベンチャーキャピタリストなど五人。シリコンバレー型ベンチャー企業と、ある意味ではヤワな日本のベンチャー企業との対比が、話題の中心になりました。
著者
関 満博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.209, pp.64-66, 2002-02

城県日立市といえば、日本を代表する総合電機メーカー、日立製作所の発祥の地であり、街全体が日立グループの企業によって形成された典型的な企業城下町だ。約二〇万人いる市民の大半は日立グループ関連の仕事をしており、「日立にあらずんば、市民にあらず」といった雰囲気すら漂う。
著者
清野 由美
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.263, pp.113-117, 2006-08

現代美術の国際的なマーケットが、この数年、活況を呈している。その一翼を担っているのが日本人の作家だ。世界市場の中心地、ニューヨークで今年5月に開かれたオークションでは、村むら上かみ隆たかしと奈な良ら美よし智ともの作品が、相次いで100万ドルを超す価格で落札されたニュースが、世界をかけめぐった。
著者
小和田 哲男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.185, pp.80-83, 2000-02

秀吉が、尾張国中村の貧しい百姓の生まれだったことはよく知られている。しかし、百姓の倅が、いきなり織田信長に仕えたわけではない。信長に仕えるまでにいろいろな体験をしており、その体験が、のちの天下取りに役立っていたのである。
著者
田中 和之 鈴木 信行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.196, pp.18-31, 2001-01

人材不足はますます深刻になり、市場は成熟化。相次ぐ規制強化と緩和が企業活動を翻弄する。さらに資金環境はかつてないほど厳しくなり、IT化の波が押し寄せる。 ヒト、モノ、カネ、情報とすべての面で起こる環境変化を乗り越えていくことができるか。それが中小企業にとって、二一世紀初頭を生き残る条件となる。
著者
石黒 千賀子 久保 俊介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.208, pp.44-53, 2002-01

本誌が独自の審査方法で二〇〇一年の「ベンチャー・オブ・ザ・イヤー」を選出した結果、新規公開企業部門では松井証券、未公開企業部門ではぴあがそれぞれトップに輝いた。 ネット証券会社の松井証券は、個人投資家の支持を背景にした好業績が高く評価され、ぴあは、IT化による新たなエンターテインメント関連ビジネスの展開で、「企業の寿命三〇年説」を覆す評価を受けた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.212, pp.64-66, 2002-05

今年二月中旬、アサヒビール茨城支社の営業担当者が、同社の特約店である大手酒類卸会社、関山(ひたちなか市、関山日出男社長)の大口取引先を次々と訪問した。 何の用なのか、いぶかる取引先に対して、こんな申し出を行ったという。「関山さんから、御社への売掛債権を譲渡していただきました。つきましては今後、支払いは当社の口座にお願いしたいのですが……」。
著者
曲沼 美恵
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.273, pp.15-21, 2007-06

約束の時間ちょうどに、気象情報会社、ウェザーニューズの創業者で会長の石橋博良は、慌ててフロアに駆け込んで来た。 ネクタイは妻のお手製。それをやや緩めに結んだ石橋は、はっきりしない空模様とは正反対の、晴れやかな笑顔を浮かべながら、会社を立ち上げてからこれまでのことを、こんなふうに表現した。