- 著者
-
清水 圭介
椙村 憲之
- 出版者
- 山梨大学教育人間科学部附属教育実践研究指導センター
- 雑誌
- 教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 = 教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.101-111, 2000
近年"遊び"を動機とした未成年者による凶悪な事件があいつぎ,その増加はTV ゲームの普及率と著しく一致していることが認められており,凶悪犯罪の影にあるTV ゲームの存在は否めない。しかし,今日これほどまでに家庭に普及したTV ゲームをただ単に「犯罪の温床になるから」という理由だけで完全に抹殺してしまって良いものであろうか? 本研究は,TV ゲームが子供たちに与える心理的影響を検討しつつ,今後の課題としてTV ゲームの持つ魅力を教育あるいは心理療法へ生かす道を探る。子供のゲーム感覚には,両親のTV ゲームに対する意識がかなり大きく左右する。ゲーム自体に慣れた子供では,短時間でもかなり優れたリラクゼーション効果を示す反面,内容が残酷でゲーム設定のかなり細かい箇所まで現実性を追求したソフトでは,使用後に抑鬱感や怒り感情を高める傾向がある。また反復使用により暴力に対する感覚や感受性を麻痺させるソフトもあった。