著者
長尾 勇佑
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2014

identifier:http://hdl.handle.net/2237/20007
著者
小島 大英
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

重症複合免疫不全症(Severe combined immunodeficiency; SCID)は、生後数か月内に肺炎・敗血症などの重篤な感染症を契機に発見されることが多い、最も重症な原発性免疫不全症である。根治療法は同種造血幹細胞移植であるが、重篤な感染症を起こしたあとの移植成績は不良である一方、家族歴に基づいて生後すぐに診断・移植を受けた症例の成績は極めて良好であることが知られている。すでにTREC測定による新生児マススクリーニングが複数の国と地域で導入されており、SCID患者を発症前に診断し治療を行う体制が整いつつあるが、日本ではまだ実現していなかった。SCID 患者はおよそ5 万に1人出生するとされ、日本では年間20 人程度出生すると推定される。本研究はこれを最初に導入する試みである。我々は、愛知県健康づくり振興事業団の協力を得て、2017年4月から愛知県で出生した新生児のうち、保護者の同意を得た新生児を対象に、全国初のSCIDマススクリーニングを開始した。2018年3月までの1年間で約2万人の新生児のスクリーニング検査を実施することができた。43人の新生児はTRECの値が基準値よりも低く、精査の対象となった。リンパ球サブセット解析、IgG、網羅的遺伝子解析による精密検査を実施した。典型的なSCID症例は期間内に発見することは出来なかったが、Digeorge症候群1例、ウィスコット・アルドリッチ症候群1例を含む、数例のSCID以外の原発性免疫不全症が発見され、早期に感染予防策を開始することができた。発生頻度から推測して、今後数年内には典型的なSCID症例も発見・診断できることが予想される。
著者
多田 祐一郎
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

量子論と重力理論の統合は現代物理学の課題の1つであるが、両方に関係した重要な現象として重力による量子ゆらぎの古典化がある。特に宇宙初期の急激な膨張期 (インフレーション) ではこの古典化により、現在の宇宙における銀河や星などの構造の元となる密度ゆらぎを生み出したと考えられている。このように古典化したゆらぎを扱う方法としてストカスティック形式が知られており、我々はこの形式と純粋な量子論的計算を比較することで古典化の謎に迫る。同時に、ストカスティック形式では量子ゆらぎを古典ゆらぎとして簡略的に扱うことで逆に計算の幅が広がるので、これをインフレーション模型の包括的解析に応用していく。
著者
趙 頔 ZHAO Di
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2018
著者
洞ヶ瀬 真人
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

まず60年代初頭から中期のドキュメンタリー表現の分析を、放送史のなかでテレビの位置づけが高まった60年安保闘争時のテレビドキュメンタリーを軸に行った。特にこれを、当時問題視された、学生らの闘争映像が視聴者を扇動する可能性に関しての論争や、海外のドキュメンタリーで類似した問題に着目するJ・ゲインズの議論に照らし合わせて考察。その結果、安保時のドキュメンタリーが目指していたものが、視聴者の情動的扇動を目論む映像の政治利用ではなく、デモ衝突などの出来事を政治的立場に関わらず配信し、意見や判断を視聴者に促す映像表現を通して民主的な政治意識を向上させることだったということが見えてきた。この姿勢は、60年代中頃のドキュメンタリーにも広く共通しており、安保闘争時の映像表現が、その後の方向性に大きな影響を与えていたことが分かる。第二に、60年代後半のドキュメンタリー表現を考察するための分析対象として、安保闘争以上に複雑な政治対立を抱えた水俣病について、熊本放送が制作した60年代末から70年代のテレビ作品に着目した。その映像は、インタヴュー音声と映像が複雑に組み合わさる表現や、作り手たちの意見対立を孕んだ議論が作品メッセージを攪乱する表現など、非常に複雑化している。これをF・ガタリなどのエコロジー批評の議論と照らし合わせて分析することで、一見、被害者救済のメッセージを犠牲にしているかのような作品の表現が、加害企業の労使問題に揺れる市民の意識と水俣病被害者との齟齬を抱えた社会環境や、テレビ放送という幅広い人々との問題共有を目指すメディア環境と密接に結びついたものだったことを明らかにした。分析した作品は、政治対立から目を背けずに、政治的立場を超えた視聴者への働きかけを実現している。その取り組みには、政治問題自体に及び腰な現代のメディアでも役立つ、ドキュメンタリーの方法論を見出すことができる。
著者
洞ヶ瀬 真人
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

水俣病報道の始まる1950年代末から、68年の厚生省公害認定を経て、補償訴訟が社会問題化する70年代初頭までの時代に水俣病を記録してきたテレビ番組、映画、写真、文学での映像表現を本論の研究対象とする。様々なメディアが横断的に結びつくような展開を見せた水俣病表象文化の特徴に着目し、ドキュメンタリー映像作品だけでなく、石牟礼道子の文学や桑原史成、ユージン・スミスの写真表現などにも映像との関連から研究する。主な主題として①テレビと映画における水俣病描写の比較、②水俣ドキュメンタリーと石牟礼文学の関係性、③スミス写真集や、『苦海浄土』初版に見られる言葉と写真のモンタージュ表現、の三つに取り組む。
著者
長尾 勇佑
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2014-03-25

主論文ファイル公開2015年2月25日
著者
黒岩 厚
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

Hoxa11とHoxa13は、それぞれ軛脚と自脚の固有な骨形態形成を制御する最上位遺伝子である。転写因子として機能するこれらHoxの標的遺伝子を、ChIP-Seqとマイクロアレイを組み合わせて網羅的に同定した。その結果、Hoxa11とHoxa13に共通する軟骨分化の制御に関わる標的遺伝子が同定された。これらの標的遺伝子は、四肢骨形成に関わる他のホメオドメイン転写因子の標的でもあることが判明し、四肢骨形態形成の転写調節ネットワークの実態が明らかになった。またHoxa13は、これらに加えて肢芽間充織の増殖に関わる遺伝子の発現制御を通じて四肢類の自脚に共通した形態形成を制御することが明らかになった。
著者
藤田 祐一
出版者
名古屋大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 ALCA(先端的低炭素化技術開発) 技術領域
巻号頁・発行日
2010

現在70億近くの人口を支える高収量の農業は、工業的窒素固定によって生産される人工窒素肥料に依存しています。ハーバー・ボッシュ法による工業的窒素固定は大量の化石燃料を消費するため、その過程での二酸化炭素排出量は莫大です。本研究開発では、限られた原核生物だけに分布する窒素固定酵素ニトロゲナーゼを植物や微細藻類など有用光合成生物に移入することで、窒素固定性作物作出の基盤技術の確立を目指します。
著者
鈴木 泰博 鈴木 理絵子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

時間変化する触覚を,五線譜を用い圧力の強弱と長さを記述する「触譜」を提案した.触譜によりマッサージ熟練者のスキルを分析し合成法を抽出し,生体応答計測により合成法の検証を行い確証を得た.触譜から振動触覚への変換法を構築し頒布することを可能とし,生体応答計測により変換法の検証を行い確証を得た.音声や時系列データの大きさを圧力とみなすことで触譜への変換を可能とし,様々なデータから触感や触質などを抽出することを可能とした.音楽から抽出した触覚によりマッサージを行う機器を構築し,効果の検証を行い肌年齢の若年化,低次脳機能障害の改善を確認した.
著者
林 正男
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1974

博士論文