著者
品田 雄志
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.15-28, 2023 (Released:2023-09-30)
参考文献数
24

本稿では、信用金庫における収益と資産構成の変化が経営健全性に与える影響について考察するため、2001年度から2020年度までの20年間のデータを使用して検証した。当該期間は、収益の多様化ならびに資産構成の多様化がほぼ一貫して進行していた時期に当たる。分析に当たっては、一般化モーメント法(GMM)を用いた。 分析の結果、収益多様化の進展や資産構成の分散化が経営健全性に資するという結果は得られなかった。このことからは、信用金庫経営において、範囲の経済性やポートフォリオ理論が必ずしも機能していないことを示唆している。また、預貸率の上昇が経営健全性に資するという結果となったことから、まずは預貸率の上昇に注力するべきとの示唆を得た。
著者
大塚 忠義 冨樫 充 谷口 豊
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-14, 2023 (Released:2023-09-30)
参考文献数
21

公的介護保険制度は全国一律の制度であるが、地域によって差が見られる。これは、地域ごとの人口構成、人口動態の差異に加え、地域の特性や生活習慣の違い等によるものと考えられている。これら市区町村で異なる介護給付費等の状況を比較・分析し多くの市区町村と異なる数値を示す地域の特性を分析・考察することは、公的介護保険の公平性と持続可能性を確保するために重要である。 本稿の目的は、市区町村の介護給付費等の妥当性を評価するための手法を提案し、それに基づき設定する標準的な範囲から逸脱している市区町村を特定したうえで、当該市区町村の特性を分析・考察することである。 分析の結果、平均介護給付費を構成要素に分解した9項目についてほとんどの市区町村が標準範囲に該当することを確認した。特に、要介護認定率は比較可能な指標に変換するとほぼ全国一律の状態にあると推定される。この結果は介護費用等の市区町村の差異に関し分析した多くの先行研究と異なるものである。
著者
押谷 一 松本 懿 深澤 史樹
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.99-114, 2018 (Released:2019-03-31)
参考文献数
4

北海道のニセコ町は、まちづくりの基本概念として「住むことが誇りに思えるまちづくり」を掲げ、情報公開と住民参加を原則とした「ニセコ町まちづくり基本条例」を制定し、「住民参加」による徹底したまちづくりを進めている。 本研究では、ニセコ町の道の駅「ニセコビュープラザ」を取り上げて、まちづくりの特徴や成功要因について整理した。さらに、地元経済界による中心市街地活性化に成功している富良野市のフラノマルシェの取り組みと対比させることにより、まちづくりの普遍的な課題を整理し、効果的なまちづくりのあり方について再評価を行う。
著者
鮎川 瑞絵
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.49-67, 2022 (Released:2023-03-31)
参考文献数
19

本稿では、ふるさと納税制度において、ふるさと納税の受け入れにかかる地方政府の事務処理等のコストが、地方政府間での税率決定および各地域の税収など地方財政に対しどのような影響を与えるかについて考察する。 本稿では、加藤・柳原(2022)と同様に,自分が居住している地域に対する愛着がある下で、二つの地方自治体がふるさと納税の返礼品を加味した税率を基に租税競争を行うモデルを考える。特に本稿では、地方自治体が他地域からのふるさと納税を受け入れる際には,事務処理等のコストを必要とするものとし。それが地方政府間で決定される税率や,財政状況等にどのような影響を与えるかについて検討している。 本稿で得られた主な結論としては以下のとおりである。第一に、加藤・柳原(2022)では、地方政府間の競争の結果得られる均衡点が人口の大きな地域から人口の少ない地域へとふるさと納税が行われる点しか存在しないことが示されていたが、本稿ではさらに、ふるさと納税が二地域間で行われない均衡も存在しうることが明らかになる。第二に、どの点が均衡となるかについては、地方自治体が負担するふるさと納税の受入に関する事務処理等のコストにも依存することが示される。
著者
末廣 徹
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.33-48, 2022 (Released:2023-03-31)
参考文献数
35

本稿では、行動経済学におけるメンタル・アカウンティング(心理会計)のバイアスの一種であるメンタル・バジェッティング(心理的な予算の割り当て傾向)と個人が保有する金融資産残高の関係をインターネットアンケート調査の結果を用いて分析した。メンタル・バジェッティングの傾向がある個人は予算を管理することと同時に金融資産の管理を積極的に行う傾向があることから、金融資産の蓄積にもプラスの効果があると言われている。しかし、管理したからと言ってそれが最適であるとは限らない。予算の割り当てを誤れば、金融資産の蓄積にマイナスの影響を与える可能性もある。伝統的な経済学が想定するように、仮に家計が最適な選択を採ることが可能であるとすれば、予算を割り当てることは望ましいことではない。本稿では、直接的にメンタル・バジェッティングと金融資産残高の関係を分析することにより、メンタル・バジェッティングの傾向がある個人は保有する金融資産残高が少ない傾向がある可能性を示した。つまり、メンタル・バジェッティングの傾向がある個人は予算を管理することによって金融資産の蓄積が阻害されている可能性が高いことが明らかになった。
著者
尾室 拓史
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.19-32, 2022 (Released:2023-03-31)
参考文献数
23

日本において店頭におけるキャッシュレスの普及が見られつつあるものの、キャッシュレス利用時に使いすぎを懸念する生活者が一定数いることが指摘されている。このため、今後のキャッシュレスのあり方を議論するうえでは、実際にキャッシュレスの利用がどのように使いすぎにつながってしまうのか、ということを把握したうえで、生活者にとって望ましいキャッシュレスとの向き合い方を含めて検討していくことが望ましい。これを踏まえ本稿は、キャッシュレス利用時に、現金利用時と比べて購買が促進される効果(購買促進効果)の現れ方が、利用するキャッシュレスサービスやポイント還元率、個人属性の差異によりどの程度異なるのか、ということについて検討を行ったものである。マクドナルドおよびスターバックスの顧客を対象として検討を行った結果、タッチ式やコード式による購買促進効果の現れ方の差異は確認できなかったが、ポイント還元率が高いほど、また、年齢が高い人ほど購買促進効果が現れやすいこと等が分かった。
著者
虞 尤楠 浦川 邦夫
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.61-74, 2021 (Released:2021-09-30)
参考文献数
14

本研究では、日本の都道府県別パネルデータ (2003-2016)をもとに、最低賃金の決定要因に関して隣接地域の最低賃金の水準や生活保護制度との関係に特に注目し、計量モデルによる検証を行った。操作変数を用いた固定効果モデル推定の結果を要約すると、以下の点が明らかとなった。 第一に、各都道府県の地域別最低賃金は、都市部、地方ともに、前年の隣接都道府県の最低賃金水準の変化の影響を受けている点が示された。当該地域の諸要因だけでなく、社会経済的に交流が大きい隣接県の最低賃金の水準の影響も受けていることから、審議会方式を通じた政治的な調整メカニズムが機能しているといえる。 第二に、失業率については有意に負であり、雇用環境の悪化は最低賃金の上昇を抑制する傾向が見られた。ただし、家計消費などの地域経済指標は非有意であり、当該都道府県の地域経済の実態が最低賃金に十分に反映されていない可能性がある。 第三に、被保護世帯1世帯あたり生活保護給付の最低賃金に対する影響は、地域や時期によって異なるが、2012年12月の自公連立政権への交代以降(2013-2016)は、全てのモデルで有意に正であり、改正最低賃金法(2008年7月施行)に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」の確保に配慮し、生活保護水準と最低賃金の逆転現象を回避する傾向が確認された。
著者
櫻井 秀彦
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.107-118, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
39
被引用文献数
3

服薬アドヒアランスに関する先行研究では、様々な阻害要因が報告されている。しかし、飲み残しや服薬アドヒアランスの低さなどの問題は、医療現場では十分に解決されていないのが現状である。そこで本研究では、研究の注目度が高まっている意図的な中断と非意図的な中断の2つの次元の服薬非遵守行動に着目した。 2018年2月に、医療ニーズが高まる年齢である45歳以上の一般市民約3万人を対象に、患者意識と健康に関わる行動に関するインターネット調査を実施した。先行研究に基づいた意図的中断行動、非意図的中断行動、患者エンパワメメント(情報探索、知識習得、治療参画)等の構成概念を測定し、共分散構造分析で慢性疾患患者と急性期患者による母集団別分析を行った。 分析の結果、急性期患者では、非意図的中断から意図的中断への影響のみ有意であったが、慢性期患者では両者間での再帰的な影響が認められた。また、意図的中断と非意図的中断には影響要因に相違が見られ、慢性期と急性期では支援策の違いを検討する必要が示唆された。更に、過剰な知識習得意欲が、不適切な知識の取得などを介して意図的な中断に結びついている可能性も示された。よって、継続的な通院・服薬を要する慢性患者と、抗菌薬等で完全に飲みきる必要のある急性期の患者では、支援策など個別に検討する必要性が示唆された。
著者
近藤 智
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.33-48, 2020 (Released:2021-03-31)
参考文献数
15

近年、我が国では地域間格差の問題が深刻化している。この問題がどのような構造を伴って生じているかについての多角的な研究が求められている。 こうした問題意識から出発した本稿では、まず全国203経済圏について産業構造を基にした階層的クラスター分析をおこない、それらを8地域に分類し地図上に表した。これにより各地域における地理的特性を含めた経済特性が明らかになり、続けて「首都圏集中」や「地方消滅」などの地域経済課題についての分析をおこなっている。
著者
佐々木 昇一
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.63-78, 2020 (Released:2021-03-31)
参考文献数
28

本論文は、日本においてどのようなワーク・ライフ・バランス(WLB)制度を持つ企業においてそれらの制度を社員が使用した場合に昇進を遅らせる期間にどのような影響を与えるのか、また、どのようなWLB制度を利用した社員の昇進の程度にどのような影響を与えるのか、という2つのリサーチ・クエスチョンを設定し実証的に検証した。 その結果、職場(上司や同僚)の協力確保、男性の育児休業取得促進を行っている企業は、育児休業取得に伴う昇進の遅れ期間が長引かせないという結果を得た。WLB制度の利用と昇進程度との関係では、男性において6カ月から1年以内の育児休業取得が昇進程度を有意に高める効果があり、反対に女性の場合は、その期間の育児休業取得が昇進程度を有意に低下させる効果があることが分かった。また、くるみんマークの認定は昇進の遅れを長引かせない効果を持ち、効果的に機能している。 これらのことから、政策的には、男性の育児休業を普及させるには、比較的短期間の育児休業を普及促進することが有効であり、女性の場合には、女性の役職登用も並行して推進する必要があることが言える。
著者
上村 一樹 駒村 康平
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-14, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年、さまざまな企業が被用者の健康増進に力を入れるようになっている。企業が被用者の健康増進を図る第一義的な目的は、医療費の低下を通じた後期高齢者支援金の減算にあると考えられる。しかしながら、被用者の健康増進が労働生産性を向上させるならば、被用者の健康増進は、経済全体の生産性にも好影響をもたらすことにもなり、政府が健康増進への財政支援を行う意義も出てくる。 今後の健康増進政策のあり方を考えるためにも、健康増進と労働生産性の関係性を実証分析によって明らかにすることは重要であるが、わが国においては、そうした分析が不足している。そこで、本稿では、労働生産性の代表的な指標である賃金に焦点を被説明変数として、「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」を用いて、さまざまなバイアスをできる限り取り除いた上で、健康増進が労働生産性に与える影響について実証分析を行った。 その結果、男性については、健康増進が賃金を高めることがわかった。一方、女性については、そのような効果が確認されなかった。本稿の結果から、対象は限定されるものの、被用者の健康増進は、医療費抑制にとどまらず、労働生産性向上にもつながると考えられる。
著者
小林 美樹
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-11, 2010-03-31 (Released:2016-11-30)
参考文献数
17

In this paper, I examine how regional poverty affects happiness at an individual level based on the empirical studies by Alesina, Di Tella and MacCulloch (2004). I conduct the ordered probit analysis by using micro data from nationwide surveys, which is the Japanese General Social Survey, 2000 (JGSS). The results of the ordered probit model show that the effect on the poverty measure is significantly negative on happiness. I find that area level poverty affects negatively the rich current happiness assessment by individuals, even after controlling for various factors. Especially worth noting is that the income redistribution has a substantial influence on happiness.
著者
鄭 美沙
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.45-58, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
9

本稿では、金融広報中央委員会が2019年に実施した「金融リテラシー調査」を用いて、金融リテラシーが若年層のリスク性資産の購入と金融トラブル回避に与える影響を分析本稿では金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査(2019年)」を用いて、若年層のリスク性資産の購入や金融トラブルの要因を、金融リテラシーを中心に分析した。分析にあたっては、具体的なリテラシーを特定するため、金融リテラシーを「効率的な資産運用に必要な知識や判断力」である資産運用リテラシーと、「日常生活における正しい消費行動に必要な知識や判断力」である消費生活リテラシー、分散投資・インフレーション・複利計算の問いで構成されるビッグスリーに分類した。分析の結果、資産運用リテラシーとビッグスリーがリスク性資産購入を促すことと、消費生活リテラシーが金融トラブルの回避に有効であることが明らかになった。しかし、資産運用リテラシーが少しある場合は、金融トラブルを経験する確率も高くなった。 金融リテラシー以外では、住宅ローンの保有がリスク性資産購入経験者である確率を高めた。住宅ローンは家計のリスク許容度を圧迫し、リスク性資産保有の制約になる可能性もあるものの、金融機関と接点を持つことがリスク性資産購入のきっかけにもなると示唆される。
著者
前田 拓生 阿部 嶺一 保井 俊之
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.29-44, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
17

本研究では、群馬県西毛地域の内、高崎市及び富岡市をコミュニティ経済と捉え、SDGsの「11住み続けるまち」として西毛地域が持続可能であり続け、当該コミュニティの価値や理念の実現に貢献できる地域通貨を如何に設計していくべきかについて考察を行った。その際、地域通貨が、コミュニティ経済の共創と活性化を進めるためには、栗田(2020)がいう互酬性をはかる必要があることから、PEACECOINを模した紙ベースの割引クーポン券を配布し、当該割引クーポン券を利用する人々の主観的ウェルビーイングを観測することにより、互酬性に関する検証を試みた。
著者
和泉 徹彦 齋藤 香里 白石 憲一 卓 涓涓
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.65-80, 2016 (Released:2016-09-30)
参考文献数
19

Household microdata clarify the relationship of public pension and consumption expenditure, the relationship of income and long-term care services, the actual situation of poverty and the generation which prefer risk assets investment. Many of elderly households spent too much and/or their public pensions are too small. The single households tend to use long-term care services as it becomes low-income households. Indicator of poverty is the female household head, regardless of the elderly and the single parent. Risk assets investment of household of age 30-40 has been limited to housing investment. As for household of age 50 and over, Risk assets investment is active. Therefor the life-cycle investment hypothesis is confirmed.
著者
浅井 義裕
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.11-24, 2017 (Released:2018-03-31)
参考文献数
30
被引用文献数
1

金融教育は、金融知識を改善し、望ましいと考えられる金融行動を選択する効果があると信じられているが、その効果を実証的に検証した研究はほとんどない。そこで、本研究は、日本の大学生を対象とした調査を実施し、インフレーション・割引現在価値・複利・分散投資に関する金融教育のビデオを見せた際に、実際にそれらの金融知識が定着しているかどうか、金融教育の効果を明らかにしようと試みている。その結果、先行が示しているように、女性の金融知識が一貫して有意に低いことが確認できた。また、金融教育の効果は、大学毎に異なることも分かった。興味深いことに、金融に関心がないと回答していた大学生の金融知識が、有意に改善していることが明らかになった。この結果は、学校での教育に金融教育を導入することの有効性を示していると考えられる。
著者
南地 伸昭
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.43-57, 2005

In the Meiji era, the new government established small-scale banks nationwide, aiming to encourage community industries through making regional finance smooth, having adopted the small banking principle of the United States National Banks. These small-scale banks had a common feature that the local potentate, a "shizoku", a merchant, a landowner, an industrial person, and municipalities positively participated in establishing banks. Moreover, they have coexisted with community by supporting the creation and the development of regional commerce and industry through making regional finance smooth. Such historical details agree with today's situation in which regional financial institutions nationwide grapple with a variety of management problems along "Action Program concerning enhancement of Relationship Banking Functions" aiming to rebuild regional businesses and to activate communities. Because regional financial institutions share the fate with the community, their most important mission, according to the various characteristics of each regional economy, is to attempt the activation of the regional economy by the establishment and the development of the local industry.
著者
鴨池 治
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.123-129, 2012-03-31 (Released:2016-11-30)

This paper investigates the problems raised from the recovery process of the Great Earthquake occurred at 15:46, March 11th 2011. Its magnitude was 9.0 which is greatest on record and came along with the biggest Tsunami. About 20 thousand people died and 300 thousand houses are collapsed. It is said that the amount of damage is 16〜25 trillion yen. The recovery plans of prefectures, cities and towns are made and Reconstruction Agency was established on February 10th 2013. There some problems on the recovery process. The biggest one is how to finance the cost of recovery, The present government plans the increase of income tax as well as consumption tax for the social securities expenditure. But the increase of tax may bring about the deep business slump and reduce the tax revenue. The conclusion of this paper is that the government should issue national debts and the Nippon Bank should underwrite them.
著者
野崎 華世
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.33-49, 2010-09-30 (Released:2016-11-30)
参考文献数
19

The purpose of this paper is to investigate why women have higher job satisfaction than men do in Japan, using micro data from Japanese General Social Surveys (JGSS) pooled 2000-2002. In general, women's work conditions are worse than men, but it is reported that women have higher job satisfaction than men have. We attempt to evaluate this "proposition" using Ordered Probit Model and Sample Selection Model. Main results are as followings: the proposition that women have higher satisfaction than men have is applicable among the over 39-year-old married people, especially with regular job. However, by adjusting the sample selection bias, it is concluded that there is no gap on satisfaction between men and women. Therefore, we indicate the possibility that women's expectations of work are lower than men's or women with low job satisfaction leave from job market.
著者
楊 開宇 坂口 正之
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.255-265, 2004-03-30 (Released:2016-11-30)

This paper will focus on the health care reform in China from the perspective of service provision. The introduction of health care insurances, which designed to encourage competitions amongst service providers, requires considerable changes in service provision system. Although the public medical insurance system was implemented in 2000, it remains to be seen whether the level of coverage can be set at appropriate level. Also, it is not easy to separate medical service from pharmacy service, which has traditionally been an important financial source for service providers. There are some possibilities of unnecessary treatments or prescribing medicines if the practitioners are not secured enough incomes under the new medical insurance systems. However, the government needs to keep social expenditures on health care. These will eventually lead to higher service charges on service users. Keeping the cost without reducing qualities of health care services is a next major task for the Chinese policy makers.