著者
阿部 進
出版者
日本土壌動物研究会
巻号頁・発行日
no.93, pp.29-37, 2014 (Released:2014-06-10)

ミミズ(Oligochaeta) やシロアリ(Isoptera)のような土壌無脊椎動物は土壌生態系改変者と呼ばれ,土壌物理環境を改変・撹乱することによって他の生物への資源の有効性に影響を及ぼしている。土壌生成過程における物理学的,化学的,生物学的な影響に対する関心が高いのに対して,生態系改変者が土壌鉱物の風化において直接的および間接的に重要な影響を及ぼしていることはあまり認識されていない。その直接的な影響は鉱物粒子の物理的破壊であり,分泌物質による化学的変質である。一方,土壌無脊椎動物の共生微生物によって生成される有機酸やキレート成分による鉱物の溶解など間接的な影響もある。本稿では,土壌生態系改変者が土壌鉱物の風化に及ぼす影響に関する既往の文献を総括し,このトピックにおける研究課題と将来の展望について議論する。

言及状況

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雨が多いこと以外にも、日本列島は火山が多くて、長石などの岩石に由来するミネラルが土壌に豊富なことも、有利に作用していると聞いたことがある。 例えばミミズは長石などの鉱物の風化を促進するとか。 https://t.co/JNV4gxB09M https://t.co/57glwsrKlW

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