著者
井村 隆介
出版者
日本生態学会暫定事務局
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.707-714, 2016 (Released:2017-04-06)

日本は狭い国土に110もの活火山が分布している世界でもまれな国である。とりわけ南九州には、多くの活火山があるだけでなく、姶良カルデラや鬼界カルデラなど多くのカルデラ火山が存在する。カルデラは過去の巨大噴火によって生じた凹地形である。カルデラを作る噴火は、日本全体では1万年に1回程度の割合で起こってきた。日本で最後に起こったこの規模の噴火は7300年前の鬼界カルデラの噴火である。カルデラ噴火はめったに起こらないが、もし起これば世界中が深刻な事態に陥る自然現象である。日本列島、特に南九州の自然は、カルデラ噴火による環境攪乱と言うよりも、深刻な破壊とそこからの再生の繰り返しによって作られたものと言える。

言及状況

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p713 鬼界アカホヤ噴火以降に照葉樹 林がむしろ拡大したところもあったと推定されている (杉 山 2002)。そして花粉分析の結果では、幸屋火砕流が到 達した地域であっても、植生回復は比較的早く 、噴火後 10~ 300年程度で照葉樹林が回復したと考えられてい る (松 下 2002)。 https://t.co/tG3mukASPb

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