- 著者
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坂野 靖行
- 出版者
- Japan Association of Mineralogical Sciences
- 雑誌
- 岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌 : journal of mineralogy, petrology and economic geology (ISSN:09149783)
- 巻号頁・発行日
- vol.92, no.5, pp.189-194, 1997-05-05
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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2
四国中央部猿田川地域の三波川変成域から得られた石英片岩中の角閃石のコアに含Mnウインチ閃石(MnOとして最大4.19 wt.%)が見出された。石英片岩の構成鉱物は石英,曹長石,角閃石,白雲母,ざくろ石,緑泥石,褐れん石,方解石,燐灰石,スティルプノメレン,電気石,赤鉄鉱,黄鉄鉱である。角閃石は自形から半自形で,最大長径700 μmである。角閃石のコアの組成は,バロワ閃石からウインチ閃石をへて含Mnウインチ閃石まで変動する。角閃石のリムはアルカリ角閃石(主にマグネシオリーベック閃石)とウインチ閃石である。石英片岩中のざくろ石はスペッサルティン成分に富む(59-79%)。