- 著者
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揚妻 柳原 芳美
- 出版者
- The Mammal Society of Japan
- 雑誌
- 哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.2, pp.147-160, 2004-12-30
- 被引用文献数
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4
愛知県犬山市および岐阜県可児市を中心に分布しているアライグマ(Procyon loter)の導入から定着,分布拡大までの過程を,新聞記事や聞き取り情報などから分析した.その結果,1962年に犬山市で起きた日本モンキーセンターからのアライグマ12頭の脱走,1982年可児市でのアライグマ約40頭の放逐などが,この地域にアライグマを定着させた要因と考えられた.また,アライグマの分布が急速に拡大したのはゴルフ場や道路建設および宅地開発が影響していることが示唆された.その後,アライグマは愛知·岐阜県境に広がる丘陵地を中心に定着し,徐々に南東へと分布域を拡大してきたと考えられる.野生化アライグマの問題点は様々に指摘されているが,本稿ではその対策のあり方についても検討を加えた.