- 著者
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佐藤 正寛
- 出版者
- 日本養豚学会
- 雑誌
- 日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.3, pp.136-140, 2007-09-10
- 被引用文献数
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3
豚系統造成規模の集団において、線形計画法を用いて雌雄毎に制限を付加して候補個体を選抜した場合(方法1)と雌雄同時に制限を付加し選抜した場合(方法2)における選抜個体の推定育種価(EBV)をモンテ・カルロ法によるコンピュータシミュレーションにより比較した。繁殖集団の大きさは、雄8頭雌40頭、雄10頭雌50頭、雄12頭雌60頭の3通りとし、基礎集団(GO)を含む2形質3世代分の無作為選抜記録を発生させた。一腹あたりの育成頭数は雄1頭雌2頭とした。G2において、形質2の改良量を0に制限し、形質1の改良量を最大にする選抜を実施した。形質1におけるEBVの平均は、いずれの集団においても方法1より方法2が大きく、形質2では方法間に違いはみられなかった。集団のサイズが大きくなるにつれ、形質1におけるEBVの平均はいずれの方法においても大きくなった。しかし、形質2のそれには集団のサイズによる違いや傾向はみられなかった。以上の結果から、豚系統造成規模の集団では、雌雄毎に制限を付加するよりも、雌雄同時に制限を付加して候補個体を選抜することが望ましいと結論づけた。