- 著者
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大櫛 祐一
坂本 正弘
東 順一
- 出版者
- 日本応用糖質科学会
- 雑誌
- Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.4, pp.231-234, 2008-10-20
- 被引用文献数
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前報(Ookushi <i>et al.: J. Appl. Glycosci</i>., <b>55</b>, 225-229 (2008))に引き続いて抽出方法を検討した結果,ヤマブシタケ子実体に含まれるglucanの92.7%を抽出することに成功した.その内訳は,42.3%がアルカリ抽出,17.7%が酵素処理-マイクロ波照射,10.7%が再度アルカリ抽出によって抽出された(Table 1).残りの22.0%はマイクロ波加熱熱水抽出により抽出される水可溶(1→3;l→6)-β-<small>D</small>-glucanである(Ookushi <i>et al.: J. Appl. Glycosci</i>., <b>53</b>, 267-272 (2006)).熱水抽出残渣に含まれるglucanの構造をメチル化分析により解析した結果,全て(1→3;1→6)-β-<small>D</small>-glucanに属し,次の三つの異なった存在形態を有していることが明らかとなった.(1)水素結合により強いネットワークを形成している(1→3)結合に富んだタイプ,(2)タンパク質・キチンと複合体を形成している(1→6)結合に富んだタイプ,および(3)タンパク質・キチンと複合体を形成している(1→3)結合に富んだタイプであった.