著者
大櫛 祐一 坂本 正弘 東 順一
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.153-157, 2009-07-20
被引用文献数
6

含水下マイクロ波加熱(140°C, 5分)を利用して抽出したヤマブシタケ子実体に含まれる多糖類の特徴を, 通常の外部加熱を用いた熱水抽出(100°C, 6時間)から得た多糖類の化学構造と比較検討することにより解析した. サイズ排除クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーにより分画した主な多糖類は, 通常の外部加熱ではfucogalactanと(1→6)結合に富んだ(1→3;1→6)-β-<small>D</small>-glucanであったのに対し, マイクロ波加熱の場合では(1→3)結合に富んだ(1→3;1→6)-β-<small>D</small>-glucanであった. マイクロ波加熱抽出物の低分子画分(M-3 fraction)に含まれるgalactose, fucoseの含量がかなり高くなっていたことから, マイクロ波加熱では, fucogalactanは低分子化していることが示唆された(Table 2). また, メチル化分析の結果(Table 3)から, 通常の外部加熱により得られる(1→3;1→6)-β-<small>D</small>-glucanの(1→6)結合のうち22.5%がマイクロ波加熱中に開裂していることが予想された. 本研究の結果より, ヤマブシタケ子実体から(1→3)結合を多く含むβ-glucanを抽出する上で, 通常の外部加熱を用いた熱水抽出よりも含水下マイクロ波加熱抽出の方が有効であることが示された.

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編集者: Tondenh
2012-06-16 19:05:04 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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