- 著者
-
吉田 志緒美
鈴木 克洋
露口 一成
富田 元久
岡田 全司
坂谷 光則
- 出版者
- JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
- 雑誌
- 結核 (ISSN:00229776)
- 巻号頁・発行日
- vol.83, no.8, pp.577-583, 2008-08-15
- 参考文献数
- 32
- 被引用文献数
-
1
〔目的〕薬剤感受性検査でRFP感受性,lineprobeassayでRFP耐性となる結核菌の検討。〔対象〕国立病院機構近畿中央胸部疾患センターにおいて分離され,薬剤感受性検査でRFP感受性と判定されたにもかかわらず,臨床的に同薬剤に対する治療効果が乏しい肺結核症患者由来の6株と,判定結果が薬剤感受性検査間で一致しない9株の合計15株。〔方法〕3種類の薬剤感受性検査を実施し,遺伝子診断としてジェノスカラー・RifTBを使用した。同時にシークエンス解析によるrpoB遺伝子変異領域部位の特定を行った。〔結果〕薬剤感受性検査の結果,15株すべてはいずれかの方法でRFP感受性もしくは判定保留を示した。プロスミックMTB-1法を用いた最小発育限止濃度(MIC)は0.25~4μg/mlの範囲であった。一方ジェノスカラ一・RifTBにおいてすべての株は変異型を示し,シークエンス解析でもrpoB遺伝子領域に変異が確認されRFP耐性と判定された。〔結論〕今回われわれは通常の薬剤感受性検査で耐性と判定されない低レベルのRFP耐性結核菌に対して薬剤耐性遺伝子検査を行うことにより正しい感受性結果を得ることができた。