著者
圦本 達也 吉田 幹英 前野 幸男
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 = The aquiculture (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.587-594, 2008-12-20
被引用文献数
1

「立枯れ死」の前兆として底質から浮上したタイラギの存在を認め、浮上タイラギの各種臓器組織の観察および栄養状態を調査した。浮上タイラギでは鰓および消化盲嚢の上皮細胞に重篤な損傷が認められ、生殖腺の発達も大きく遅滞していた。浮上タイラギは、閉殻筋中のグリコーゲン量および消化盲嚢中のクロロフィルa、フェオフィチンの各量は、底質に埋在したタイラギのそれらと比べて有意に低かった。また、浮上タイラギの閉殻筋および消化盲嚢における栄養状態および摂餌状態の各指標は、組織学的観察結果とよく一致しており、タイラギの「立枯れ死」は継続的な摂餌機能の低下および消化吸収機能の不全によって発生する可能性が強く示唆された。

言及状況

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