著者
木村 容子 清水 悟 杵渕 彰 稲木 一元 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.897-905, 2010-11-20
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

緒言:桂枝湯エキスと麻黄附子細辛湯エキスの併用が有効な冷えのタイプを検討した。<BR>症例提示:麻黄附子細辛湯エキスに桂枝湯エキスを追加して,胃もたれの軽快とともに,長年の冷えも改善した一例を挙げた。この症例を参考にして当初より同処方を併用し,症例1は冷え,食欲不振,倦怠感や関節の動きが悪い,症例2は冷え,悪寒しやすい,疲れやすい,胃もたれ,風邪を引きやすいなど,症例3では悪寒を伴う全身の冷えや倦怠感,月経痛などが改善した。<BR>対象と方法:冷えを訴え,随証治療にて桂枝湯エキスと麻黄附子細辛湯エキスを投与した患者43名を対象とした。随伴症状,体質傾向や診察所見など52項目を説明変数とし,冷えの改善の有無を目的変数として多次元クロス表分析により検討した。<BR>結果:「悪風または悪寒」と「全身の冷え」を含む組み合わせが臨床的に最適な効果予測因子となった。<BR>考察:悪寒や悪風を伴う全身の冷えがあり,頭痛を訴え,下痢がない場合に有効な可能性が高い。

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