著者
八代 仁 荒木 渓 明 承澤 鈴木 映一
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.97-104, 2011-04-01
参考文献数
13

製塩プラントにおける構造材料の腐食を支配する重要な要因のひとつに溶存酸素が挙げられており,これを管理するため製塩プラント環境に適用可能な溶存酸素濃度分析法を提案した.プラントから採取された溶液は定量ポンプを用いて直接回転電極に送られるか,一旦サンプリングバックに採取される.サンプリングされた試料の一部は亜硫酸ナトリウムの添加等によって脱酸素され,ゼロ点校正に用いられる.<br>もうひとつの対照試料として空気飽和試料溶液を用意する.試料溶液中の溶存酸素は白金回転電極を用いるサイクリックボルタンメトリーによって,酸素還元の拡散限界電流を測定することで評価される.白金電極は周期的に酸化することで高い活性が維持される.酸素還元の拡散限界電流は溶存酸素濃度と,回転数の平方根に比例して増加する.<br>1 ppm以上のCu<sup>2+</sup>は,Pt上に還元析出することにより酸素還元電流を減少させるが,引き続きアノード分極するとアノードピークが得られたことから,Cu<sup>2+</sup>の存在を知ることが可能である.1 ppm以上のFe<sup>2+</sup>はFe(OH)<sub>2</sub>の析出によって酸素還元を著しく妨害したがNi<sup>2+</sup>はあまり影響しなかった.これらの妨害イオンが存在する場合は,カチオン交換樹脂による前処理が必要となる.試料溶液の絶対酸素濃度は,空気飽和試料の酸素濃度をWinkler 法によって別に評価することで決定できる.空気飽和試料の酸素濃度を塩類効果係数を用いて推算した結果,Winkler法によって求めた酸素濃度と比較的よく一致したことから,これを計算で行いうることが示された.

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